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zoom RSS 『砂楼に登りし者たち』/獅子宮敏彦 ○

<<   作成日時 : 2009/02/24 23:00   >>

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桜庭さんの『桜庭一樹読書日記』で、桜庭さんがお勧めしてた作品です。
なるほど〜ですね。室町幕府末期、老名医師(推定100歳前後)が解く謎の数々。斬新な歴史解釈が、なかなか目覚ましかったです。

本作『砂楼に登りし者たち』が本格的デビュー作となる、獅子宮敏彦さん。
あとがきで作中人物たちが語るところによると、「戦国伝奇ストーリーに不可能犯罪のトリックを絡ませる」というスタイルに自信がなかったそうですが、面白かったですよ。

諏訪王家の最後のトリック(「諏訪堕天使宮」)、斎藤道三2人説(「美濃蛇念堂」)、もとの木阿弥の発祥(「大和幻争伝」)、と3つの謎を解く放浪の老名医・残夢。そして残夢は、「織田涜神譜」で今川氏豊と失踪し、この章の謎解き「本能寺の変の真実」は残された残夢の弟子・徳二郎によって行われる。彼は医師として大成し、残夢と同じく牛に乗って放浪する徳本となっていた。

人が消える謎、密室状態での殺人事件、幻術を弄する一党の自尊心をかけたトリック、説明されれば成程!と思うけれど、全然思いつきもしませんでした。すごいですよ!

へぇ〜、こういう歴史解釈もあるのねぇ・・・。自分が今まで知ってると思っていた歴史の一部分に、別方向から光を当てると、こんな風になるんだ〜。ちゃんと辻褄もあってるし、奇を衒いすぎず自然に進行している。
題名の「砂楼」も、きちんと最終章で今川(飛鳥井)氏豊の述懐で出てくる。ははぁ〜、ここでそういう風につながるのね。どんなに努力して勝ち得た栄華も、ひとたび風が吹くたびにホロホロと崩れ落ち、いつか自然に還ってしまう。そんな虚しさも良く描かれていたように思いますね。

個人的には、「諏訪堕天使宮」がいちばん興味深かったです。
諏訪一族の王家・神家の争い、美貌の諏訪王姫の凛々しき戦いぶり、王姫を守護し四方位神を称する4人の覆面武将、滅びゆく一族である諏訪王家の誇り、鮮やかな光彩を放ちつつ、それでも物語は王家滅亡と王姫の最期が痛ましく、とても印象的でした。

(2009.02.24 読了)

砂楼に登りし者たち (ミステリ・フロンティア)
東京創元社
獅子宮 敏彦


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