蒼のほとりで書に溺れ。

アクセスカウンタ

zoom RSS 『12歳の文学 第三集』/小学館 △

<<   作成日時 : 2009/05/28 23:01   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

小学館が募集した、小学生限定・文学賞の上位受賞作品を収録した、『12歳の文学 第三集』である。
えぇ〜、最近の小学生はすごいなぁ、おいおい・・・・(^_^;)。

物語を思いつく思考力もすごいが、その頭の中で考えた物語を文章化する、明文化力というのだろうか、具体的な文章にする力が、目覚ましいというかなんと言うか。
物語そのものは、ちょっと稚拙だな〜、という部分が多々ある。語彙とか、表現方法とか、構成とか。
だけどそれを補ってしまう、勢いがある。同じ小学生の子供を持つ親としては、これだけ思考を明文化できる子供というのは羨ましい存在だ。いや、小学生というより自分だなぁ〜。だって、頭の中の妄想大暴走を明文化せよ、とか言われたら・・・まず出来ない。ブログやってる癖に・・・。うわ、すごく自分が情けなくなってきた(笑)。

大賞を受賞した「陽射し」なんて、なんと言うか出来すぎな感すらある。しゃべれないことが、今までそんなにハンデでなかったのに、型にはまった見方をする転校生のせいで、クラスの仲間が主人公に対して偽善的に接するようになる、その悪意なき過程の空恐ろしさ。その変化の中で、自分の気持ちを素直に表せなかったことに気付く主人公と彼を独り立ちさせる「君」の存在。前を向いて歩いてゆくラスト。・・・これを書いた12歳の小六男子は、凄いと思う。これから先、色々な経験をし、実力を磨けば、作家になるかどうかは別として、ひとかどの人間になるだろうと思う。
ただ、上手く綺麗にまとまりすぎな感じもするので、私は好きではなかった。

良かったのは、サイズに見合った冒険とメルヘンな世界のバランスが良かった「小っちゃなヒーロー」、ほとんど説明がないのに未来の子供の感じる厭世感が強く感じられ、突き抜け感が冴えている「ぼーずは今日もたんしゃに乗る」、美しい猫が自由を得るまでを丁寧に描いた「わたくしはねこですわ」の3編かな。
「小っちゃなヒーロー」は、子供らしい感じで、上手いんだけど、微笑ましい。
「ぼーずは今日もたんしゃに乗る」の「なんかつまんねぇよ」感がにじみ出る独り言調文章は、ケータイ小説のようで、でもちゃんと読んでる私を置き去りにしなかった。
「わたくしはねこですわ」のねこ婦人の口調がゆったりと優雅で、小学生がこんな言葉づかいを知ってるんだぁ〜と感心した。最後に猫たちの絵を描く幼女の一節がある。最初読んだときはなくても良いような気がしたが、先ほどこの文章を書くために読み返して、「ねこは自由だしね」の一言、この一言のためにこの物語があったことに気付く。怖ろしいなぁ、小六女子も(笑)。

正直、他の作品は、読んでて「えぇ〜・・・うぅ〜・・・むぅ」という部分が多かった。まあ小学生でこのレベルなら、凄いと思いますが。うちの小学生たちにこの水準を求めること自体無茶なんで、分かってますから(笑)。

たまたま先日、この文学賞の審査員だった西原理恵子さんの作品『パーマネント野ばら』の記事をUPしている。その西原さんの選評が漫画で載っているのだが、非常に共感する。
〜〜みんな こどものくせにー やなかんじー。 おもしろい ことば つかってー。〜〜 (西原氏選評より引用)
自分の限界が見えて、ちょっと悔しい。まだまだ経験を重ねて、いろんな言葉を身につけて、どんどん世界を広げてゆく、小学生たちが羨ましい。もちろん、脳の劣化は進んでいる身だが、彼らに負けないようには無理でも、世界を閉ざして経験を拒否するようなことだけはやめよう、と思った。

(2009.05.27 読了)

12歳の文学(第3集)
楽天ブックス
小学生作家が紡ぐ9つの物語出版社:小学館サイズ:単行本ページ数:299p発行年月:2009年03月【


楽天市場 by ウェブリブログ



テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『12歳の文学 第三集』/小学館 △ 蒼のほとりで書に溺れ。/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる