蒼のほとりで書に溺れ。

アクセスカウンタ

zoom RSS 『サロメの乳母の物語』/塩野七生 ○

<<   作成日時 : 2009/05/08 22:20   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

塩野七生さんは、久しぶりですねぇ。卒業旅行に、イタリアへ行ったとき(かなり昔)、「ルネッサンス絵3部作」を予習として読んで以来、一時期結構塩野さんの作品は読んでたんですが、『ローマ人の物語』の壮大さに、ついてゆけず、途中で脱落してしまったのでした。

ではなぜ今回、『サロメの乳母の物語』を読んだかというと、久しぶりに「ひかれたから」なのです。読みたい本リストがあるので、普段はそのリストをチェックしてゆくのですが、今回別の作家さんの本を探してる時に、不意に目に入ったのですよ。「あ、塩野さんの本。久しぶりだ。・・・この本読んだっけ?」と手に取り、読んでないことを確認したら、カウンターへ足が向かってました。
で、読んでみて、ああ・・・やっぱり凄いなぁ、と思ったのです。

絢爛豪華な、地中海世界の歴史絵巻を丹念に、かつ親しみやすく描写する、その筆力。読者を飽きさせない展開と、史実を交えたフィクションの巧さ。読んでいて、とても楽しかったです。
特に本作は、くだけた文体(でも雑じゃない)で、現代人(と言ってもこの作品が書かれたのは昭和56年だそうですが)にも通じる軽妙な人物たちが、軽やかに動き回っていて、面白かった。

乳母の語る、あのサロメの真実。古代ローマ皇帝の騎馬、奴隷から見た輝かしき皇帝の姿、そして著名な偉人の肉親から見た、偉人達の別の側面や、偉人の肉親であることの苦しみや嘆き。
はぁ〜、地中海世界の有名な人々も、神ではなく人で、親兄弟や師がいて・・・。知られている部分だけがその人ではなく、面白くも悲しくも、様々な「人間らしさ」を持ってるんだなぁ・・・と、納得および共感あるいは反感を覚えたのでした。

「聖フランチェスコの母」で、愚直なまでに息子を思う母の気持ち、結構切なかったです。あっさりフランスからイタリアへお嫁に行くような、強気でいて健気な女性が、成功している商家の後継ぎの座を捨てて出て行った息子を心配し、優しく見守る様子が、静かで、ちょっと悲しい感じがしました。
逆に「ユダの母親」は、何というか現代の「張り合いたがりな教育ママ」ぽい感じで、これは気をつけないとな〜、と思いました。私もついつい子供のことで、見栄を張りたがるので・・・。傍から見てて、醜い姿だわ、これは。うん、気をつけようっと。

ちなみに、最後の章「饗宴・地獄篇 第二夜」のラストに「塩野七生のご亭主」がちょっとだけ出演してます。塩野さんがどんな「悪妻」なのか、彼に語ってもらいたいたかったなぁ〜。

うう〜ん、また塩野さんの作品を読みたくなってきたなぁ。かなり前に読んだ本は、内容を忘れちゃったりしてるからなぁ。どっしり重い歴史物語は、ちょっときついので、軽めの作品を探してみようかと思います。

(2009.05.07 読了)

サロメの乳母の話 (新潮文庫)
新潮社
塩野 七生


Amazonアソシエイト by ウェブリブログ


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
『サロメの乳母の物語』/塩野七生 ○ 蒼のほとりで書に溺れ。/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる