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zoom RSS 『海がきこえる』/氷室冴子 △

<<   作成日時 : 2009/10/18 23:52   >>

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氷室冴子さん。初期コバルト文庫の中心的存在で、コミカルな少女漫画的な展開の作品、平安王朝の破天荒姫君の物語、少女たちの心模様をつぶさに描いたリリカルな物語、さまざまな作風を持つ、非常に良い作家さんでありました。残念ながら90年代後半から、新しい作品が世に出ることがなくなり、そして昨年、逝去されました。

私は、氷室さんの作品に出会うまで、ほとんど文庫本を読んだことがありませんでした。『なんて素敵にジャパネスク』や『雑居物語』のようなコメディ作品も、そして『白い少女たち』『さようならアルルカン』のような叙情的な作品も、むさぼるように読んだものです。

『海がきこえる』は、90年代初めごろの大学生が、高校時代の友情や恋愛を思い返しながら、現在を暮らし、新しい恋愛や人間関係に翻弄される、リアルな物語。
まあ、久しぶりの氷室さんの作品を読もうと思ったのは、舞台は「高知」だったからなのですが。
たいがいやな・・・水無月・R(笑)。

主人公・杜崎拓は、東京の大学に合格して高知から上京、友人から高校時代関わりのあった武藤里伽子が上京していることを知らされ、動揺する。
関わりがあったと言っても拓と里伽子の間には恋愛はなく、拓の親友・松野は里佳子に恋をしていて、里佳子は両親の離婚で田舎暮らしを強いられたことを恨んでいて・・・。
自分が住んでいた年代とはちょっと違うながら、高知市内の色々な地名や、もちろん土佐弁を目にすると、懐かしい気持ちになります。
なんかね・・・今回、物語よりもそっちに気が行ってしまいました、すみません。

というのも、ヒロイン里伽子がどうしても好きになれない、からで。
東京での女子高生生活を満喫していたのに、両親の離婚で高知だなんていう場所に都落ち、県庁所在地とはいえ人口30万の小都市では息苦しいばかり、自分は酷い目に逢っているんだ、だから誰を傷つけてもいい・・・そんな、彼女の荒れている心情は理解できなくもない。
だが、だからといって勝手な行動で人を傷つけ、自分が思うような結果にならなかったからといって、ひとを振り回してもいい、ということにはならない。

うう〜む・・・。なんかモヤモヤした終わり方。
高校時代は、世界が狭かった、大学に云って世界が広がったから、少しは和解できるようになった・・・というのはなんだか予定調和過ぎてねぇ。
いや、私も分かるのよ。里伽子の感情の揺れについては。だけど・・・揺れ動いても、やってはいけないことがあると思う。そう思うことは、きれいごとなんだろうか。

(2009.10.17 読了)

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徳間文庫 著者:氷室冴子出版社:徳間書店サイズ:文庫ページ数:302p発行年月:1999年06月この


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