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zoom RSS 『ガールズ・ブルー』/あさのあつこ ○

<<   作成日時 : 2009/11/25 23:40   >>

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先日、あさのあつこさんの講演というかお話を聞く機会があった。あさのさんの作品は、実はほとんど読んだことがない。元気な少年少女もの、ヤングアダルト系というイメージで、少し手を出しにくかったのもある。が、せっかく作家さんの生のお話を聞けるのだから、と出かけて行ったのである。
そして、大変気さくなお人柄と3人の子供との生活から生まれた物語の話に、とても魅了された。
本作『ガールズ・ブルー』は、その講演であさのさんが「登場する少女たちが突起のある言葉をつかっている」という表現をしていた作品。
「突起のある言葉」というのは、イガイガしていて人や自分にひっついてくる言葉、なのだそうです。

小さな町にある、成績底辺高校の生徒、理穂・美咲・如月。日々楽しく暮らしていて、自分が好きで、追い込まれることは嫌い。彼ら3人が迎えた夏休み。かしましく交わされる、会話。劇的なことはないけど、気軽に過ごす日々。
それぞれが、それぞれなりに普通な。
・・・うう〜む、こんな風に書くと、ギャル達の怠惰で無責任な日々・・・みたいだな。
そうじゃない。特別なことは起こらないけど、彼らの交わす普通の会話がテンポよく流れていき、その中にきちんと「自分」があるのが、いい。
まだまだ子供だけど、イヤなことは聞きたくないなんてシャットアウトしちゃったりもするけど、自分のことや親しい友達のことはわかってる。わかろうとしている。

・・・自分の高校時代を思い出す。それなりに、真剣に生活していた、あのころ。
今の自分は、高校生を見て、ひとくくりにしてないだろうか?テキトーで無責任で、コドモだと。でも一人一人をしっかり見て、知れば、いやな面も出てくるだろうけど、きちんと自分を分かりたい、人と向き合いたい、何かに対して頑張ってる面にも気づけるんじゃないか。なんだか、『ガールズブルー』に、そう教えられた気がします。

美咲のキャラがすごかった。10歳まで生きられるかどうかと言われ、高校生になった今でも、しょっちゅうぶっ倒れて入院するほど虚弱な体質、辛辣な口調と相手の痛いところを確実に突ける鋭さ、とここまで書くと、イヤな女になってしまうのだが、実は自分のことも相手のことも分かってるから出来ることであって、攻撃的だけど、暴力的ではない。
理穂も、だら〜っとした女子高生かと思わせるが、友達に対する情の篤さ、迷うことはあっても自分の行動に対する責任感をちゃんと持とうとしている。ちょっと想像力が走り過ぎなところもあるけど。それは若さのご愛敬だろう。
如月も、優秀な高校球児である兄・睦月に対するコンプレックスはありつつも、決してそれに押し曲げられず、飄々と高校生活を送り、睦月は理穂に惚れていると公言してはばからず、理穂の親友でい続ける。睦月との間にある兄弟の信頼関係、理穂との親友(貴重な男女間の友情だ)の情、場の雰囲気を引っぱる魅力、ちょっと子供っぽいけどキラキラしている。

第1章「スプラッシュ」で、〜〜感動の物語なんてのにうるうるしてたら、やられるよ〜〜 (本文より引用)という部分がある。理穂は、期待される美しい役割なんかいらない、逃げられなくなる、あたしはあたしの演出で生きていくんだ、だから油断しちゃいけない、と思っている。いい加減そうな女の子だけど、ちゃんと考えてるんだな・・・。女の子って強いなぁ・・・。
確かに、実生活で感動ネタがでてくる事は結構あるけど、胡散臭いことが多い。綺麗でイイ話なんだけど、ホントはそれだけじゃないだろ!みたいなツッコミを入れたくなる。それに流されるのはラクだけどね。

とんがっている女の子、男の子が、ポンポンと会話を交わす。その勢いで読める作品だけど、それだけじゃない。
何がどう、というのは表現しにくいけど、そうだ、あの頃って、自分が特別でいたかった、子供なりに真剣に自分や身近の人のことを考えてた(考えが浅い時もあるけど)、きちんと「生きる」ということをしようとしてた、って思いださせてくれた。
そんなリアルな物語を描けるあさのさんて、すごいと思う。

(2009.11.24 読了)

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ポプラ文庫 著者:あさのあつこ出版社:ポプラ社サイズ:文庫ページ数:237p発行年月:2008年04


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