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zoom RSS 『曾根崎比丘尼〜新・雨月物語〜』/富樫倫太郎 ○

<<   作成日時 : 2010/01/26 22:28   >>

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上田秋成の『雨月物語』。水無月・Rが学生時代、一番真剣に取り組んだ文学です。
なので、ついつい『雨月物語』ってつくと、チェックしちゃうんですよね〜。いや、さすがにもう研究書の類は読みませんが、小説だと「読んでみよう!」って気になるんですよ。
とはいっても本作『曾根崎比丘尼〜新・雨月物語〜』は、『雨月物語』の翻案とか、そういうものではありません。
著者は富樫倫太郎さん。

読んでみて、面白かったか?というと、ちょっと・・・評価が難しいです。
十手持ちの梅吉が、奇妙な事件に取り組んでいる時に知り合った不審な男・仙次郎、そして二人の共通の友人の俳諧師・茶狸と共に、謎と怪異に挑む、という連作短編。そしてこの仙次郎はのちの上田秋成である、という設定。
江戸時代で謎と怪異、というと京極夏彦さんの『巷説百物語』シリーズを思い出しますが、この作品はあのシリーズとは全く逆。
『巷説〜』の方は、怪異は主人公達が操る仕掛けで、全ての謎は人為。
こちらは、事件が起き、それを解く3人はもちろん現世の人なのだけど、怪異の世界に紛れ込んだり、妖魔に対抗しなくてはならない。そして、事件はその妖魔どもを仙次郎がなんとかすることで決着がつくのである。
作品としては、現実味の濃い『巷説〜』シリーズの方に軍配があがっちゃうんですよね。個人的な好みとして。

梅吉はパワハラ同然の上司によって、怪異事件に取り組まなくてはいけなくなる。仙次郎は自分の中に棲む妖魔や物の怪を抑え込む力を得るべく、そして人の良い茶狸は人の裏側を知り俳諧を極めるために、梅吉の持ちこむ事件に首を突っ込んでいく。

「曾根崎比丘尼」
何人もの若い娘が、首に大きな傷を負い、小指を切り取られて殺されている。その事件を担当した梅吉、梅吉から相談された茶狸、横で聞いていて口を出してきた仙次郎。
その殺され方は「曾根崎比丘尼」の仕業と同じやり方だが、その件は20年前の話。今になって「曾根崎比丘尼」がよみがえった因縁を探り、解決する3人。
「七墓巡り」
俳諧上達のために極悪人の墓を巡りたいので付き添ってほしい、と仙次郎に頼みこむ茶狸。2人は1つ目の墓で鬼の一族と出会う。九死に一生を得て鬼の宴会から脱出した2人は、老婆の頼みをかなえてやるが・・・。夢だったのか、幻だったのか。
「菊美人」
大菊を商う商家で、4歳の末娘を残して一家が惨殺される。下手人を見たという末娘は、やったのは下手人として囚われた叔父ではなく、自分の持っている人形だと言う。その人形から鬼が現れ、3人を襲うが、仙次郎はその鬼を取り込み事なきを得る。が、しかし・・・。

これから3人が、どんな怪異と出会い、どう対処してゆくのか、気になります。特に、仙次郎が子供のころから悩まされていた自身の中にいる妖魔たちをどのように御して、『雨月物語』を書くに至るか、非常に興味がありますね。
あとがきに予告がありましたし、続巻探してみようっと。

(2010.01.26 読了)

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