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zoom RSS 『神去なあなあ日常』/三浦しをん ◎

<<   作成日時 : 2010/09/22 22:15   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 5 / コメント 6

このノリが、たまりません!面白過ぎる。三浦しをんさんといえば、もう私の中では〈転げ回って読むべし作家さん〉 認定なんですが(笑)、本作『神去なぁなぁ日常』も、あちこちで笑わせて頂きました。
何も知らないイマドキの都会の青年が、携帯の電波も通じない山奥の村で林業に従事し、成長していく。こう書くと、真面目なNHKドキュメンタリーみたいなのに、全然違うのである。しをんさんの愛があふれている(笑)。どうしてこんなに面白いんだろう・・・!

高校を卒業したらフリーターにでもなるか〜と思ってたのに、親と高校の先生がタッグを組んで、主人公・平野勇気を「林業」に放り込んだ。その勇気が1年を経て、イキナリ訳も分からないまま放り込まれた「神去村」での日々の思い出を綴ってる、って形式で物語は進んで行く。
勇気は、自作ポエムをばらまくと母親に脅され、しかたなく神去村に来てチェーンソーの研修を受け、神去村のより奥地にある「神去地区」で「おやかたさん」である中村清一の会社に見習いとして入社、同僚のヨキの家に下宿する羽目になる。
何度か脱走を企てるものの、全て阻止され、意地で山での仕事に気合いを入れているうちに、山に在る神に畏敬の念を抱きながら自然と共に暮らす村人との生活にも馴染んでゆく。
神去村の方言「なあなあ」は、ゆっくりいこうとか落ち着いていこうとか、そんな意味合いで、村人たちののんびりした風情をよくあらわしている。

神去村は山奥の村のご多聞にもれず、遊ぶ場所どころか、一緒に遊ぶ若者もいない、新参者はなかなか仲間と認めてもらえない。更に林業ときたら、体力勝負だし色々な知恵も要り、忙しい日々。
そんな中で勇気は、おやかたさんである清一さん、同じ班のヨキ・三郎じいさん・巌さん、ヨキの飼い犬のノコ(オス・のこぎりから取った名前と推測)と共に山の手入れに励む1年を送る。
林業見習いの日々の中、清一さんの奥さんの妹・直紀さん(神去村小学校教師)に恋心を抱くも、彼女は叶わぬ恋をしていたり、清一さんの息子・山太が神隠しにあって、迎えに行くために精進潔斎して神域の山に入ったり、夏まつりでウナギのかば焼き屋をやったり、山火事が起こってその対処に奔走したり、とんでもない祭りで死にそうな目(笑)にあったり・・・。

山の神「オオヤマズミオ様」の存在をひしひしと感じる山での神事や祭、自然に馴染む暮らし、なんかすごく心温まります。都会っ子の勇気のツッコミも理解できるから、げらげら笑っちゃうし。
特に、祭ですね(笑)。千年杉を切り倒した後、どうやって村までおろすのか(笑)。
しかも何故、取っ手に当たるメドの形がアレ(笑)。何で2本なわけ(笑)。勇気の内心がもう・・・可笑しくて可笑しくて!いや私も大いに疑問だしね!
千年杉が山を滑り降りて行くその描写には、呼吸困難になりそうな位の迫力がありました!

チャラチャラした都会っ子だった勇気だけど、根は素直なんだと思うなぁ。山での仕事も性に合ってたんだと思う。ぶつぶつ言いながらも、やりぬく根性と意地があるんだから。1年過ごしてみて、もっと山の事を知りたいって思うんだから、きっと林業を続けて、たくましくてカッコいい男になって行くんだろう。
ちょっと、ウチの息子達も林業に放り込んでみようかしらん(まだ小学生だけど)、って気になりましたが、どうだろうなぁ。

勇気以外の登場人物たちも、なかなか味のあるキャラばっかりで、とっても楽しかったです。特にヨキの家にいる繁ばあちゃん、すんごくいい味を出してる。いつもはちんまりと座ってるだけなんだけど、夏のお祭りのときに勇気にお小遣いをあげたり、直樹との恋へのアドバイスをこっそりしてくれたり。但し、耳が遠くなってるから、そのアドバイスが周りに筒抜けって言うのが、勇気的にはトホホなんだけど、非常に微笑ましいんだよねぇ。

うん、愛と笑いとツッコミ処満載で、大変楽しかったですよ♪
ホント、しをんさんの文章って、楽しいわぁ〜!

(2010.09.20 読了)

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「神去なあなあ日常」三浦しをん
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本のある生活
2010/09/23 20:16
神去なあなあ日常(三浦しをん)
おーっ、面白かったぁっ!! ...続きを見る
Bookworm
2010/09/24 12:32
神去なあなあ日常 /三浦しをん
高校を卒業しても就職も何も決まっていなかった平野勇気。先生に半ばだまされるように神去村で林業をすることに。慣れない山での生活、携帯も圏外で何の娯楽もない村、でもなぁなぁな神去の人たちの良さか神去の生活になじんでいく。 ...続きを見る
たかこの記憶領域
2010/10/03 20:51
神去なあなあ日常
三浦しをん 著  ...続きを見る
Akira's VOICE
2013/07/24 12:08
神去なあなあ日常
 都会育ちの青年が、林業の魅力に目覚めていく様子を描いた、「神去なあなあ日常」(三浦しおん:徳間文庫)。主人公の平野勇気は、高校を卒業した後は、フリーターでもして ... ...続きを見る
風竜胆の書評
2015/09/03 13:04

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
山や林業を描いた青春小説が、こんな展開になるなんて!
しをんさん、やっぱりすごいです。
突っ込みどころも笑いもしっかりあっておもしろかったです。
繁ばあちゃんの恋のアドバイスが本人の目の前でみんなに筒抜けっていうの、大笑いでした。
june
2010/09/23 20:16
juneさん、ありがとうございます(^^)。
「3K」のイメージが結構あるので、読み始める前は、どんなお話になっちゃうの〜?と不安だったんですけど、全然そんな心配なかったですねぇ!さっすが、しをんさん♪
繁ばあちゃんの天然は、可愛いですよね〜!
水無月・R
2010/09/23 23:32
ホント面白かったですね〜!林業をテーマにした作品をこんなに楽しく読めるとは思いませんでした。
千年杉が山を滑り落ちていくところなんかは、特に迫力があってテンションがあがりました!
すずな
2010/09/24 12:39
すずなさん、ありがとうございます(^^)。
千年杉のシーンは、ホントすごかったですよねぇ!千年杉から落ちたおっちゃんも、大したことなく自力で降りてきた(みんな宴会でその存在忘れてたけど)ってのも、凄かったですし(笑)。
めいっぱい荒っぽいジェットコースター?!
水無月・R
2010/09/24 23:27
面白かったですね。
なぁなぁなところがとてもよかったです。爆笑ってほどではないのですが、ところどころでにんまりぷぷぷっとなりました。
ほんと、愛と笑いでしたね♪
たかこ
2010/10/03 20:58
たかこさん、ありがとうございます(^^)。
なぁなぁの神去村の人々、内心ツッコミながら成長する勇気。
あちこち「ぶはは」「うぷぷ」と笑わせてもらいましたよねぇ〜♪
水無月・R
2010/10/03 22:21

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