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zoom RSS 『GOSICK X 〜ベルゼブブの頭蓋〜』/桜庭一樹 ○

<<   作成日時 : 2010/11/25 23:05   >>

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ヨーロッパ架空の小王国・ソヴュールの聖マルグリット学園で、極東からの留学生・久城一弥は、陶器人形のように美しく小柄で、そして怖ろしく知能の冴えている金髪美少女・ヴィクトリカと出会い、友達になる。
彼らが出会い、さまざまな謎を解き冒険して来たこの『GOSICK』シリーズ第5作目に当たる、『GOSICK X 〜ベルゼブブの頭蓋〜』は、舞台を学園から奇妙な魔術ショーを開催する修道院へと移して、物語を繰り広げて行く。
もちろん、作者は桜庭一樹さん。

一弥は、ヴィクトリカが学園から連れ出されたと知り、国外の修道院へ彼女を迎えに行ったのだが、その修道院での魔術ショーの真っ最中に1人、その後の混乱の中でもう一人と死者が発生する。
ショーのために焚かれた薬物のためにぐんにゃりしてしまったヴィクトリカを置いて、修道院内を探索する一弥は、ヴィクトリカそっくりの、黒衣の女と出会う。彼女はヴィクトリカに指輪と伝言を残して消える。その後、娘を探していたはずの老人がとある部屋で、修道院に在るはずのない通信機を使っているのを発見する。その老人はヴィクトリカの父・ブロワ侯爵の変装であり、ブロワ侯爵はヴィクトリカを餌に、その母・コルデリアをおびき出そうとしていたのだが、コルデリアが姿を現さないことに苛立っていた。
満潮になると海水に沈んでしまう修道院を守るはずの水門が開きはじめ、修道院内に避難していた人々は急いで脱出し始める。ヴィクトリカと一弥も同様に脱出し、暗い海水に追われながら駅に向かい、何とか夜行列車に乗ったのだが、ヴィクトリカに関わる小さな箱をめぐって殺人事件が起き・・・。

えぇ!終わり?!そこで終わりなの?!つ・・・次の事件の解決は、次巻を待て!なのか・・・!
「形見箱」の中身って、何だろう・・・。すんごい気になる!狙っているのは、オカルト省・科学アカデミーだけではないのかも。そして「形見箱」を落とした「女性」は誰なのか・・・?

今作でまた、コルデリアが先の大戦で何をやらかしたのか・・・という核心に近付いて来はしたんですけど、未だ謎。小さな赤い箱をめぐって、古き力を支持するオカルト省(筆頭はブロワ侯爵)と新しい秩序を信望する科学アカデミーが対立してるのだけど、その中身も不明。この辺も、次の物語で明らかになってゆくのかしら・・・。

一弥とヴィクトリカの友情も、かなり深まったなぁ。前回読んだのが出会いの物語『GOSICKs 〜春来たる死神〜』だったから、余計に感慨深い。
今作では特に、〈生きる意味が見つけられない〉というようなことを言うヴィクトリカを「僕らは一心同体だ、生きるも死ぬも一緒」といって、抱き上げて走る一弥に、ジーンときました。
修道院に連れ去られ、生気を失っていたヴィクトリカを人間に戻したのは一弥だとヴィクトリカは言い、一弥はヴィクトリカを〈かけがえのない君〉と呼ぶ。
母が来ていたこと、その伝言を聞いて、一弥の胸で泣くヴィクトリカ。
作品を追うにつれ、だんだんと、深くしっかりと繋がってゆく2人の関係の移り変わり。
これを恋情というべきか、それともまだ友情なのか、そんなことはどうでもいいような気がします。お互いが、お互いを大切に思い、守ることに一生懸命になれる。とても美しい。
彼らを引き裂く次の嵐は、すでに世界に満ちつつあるのだけれど。

今回の一弥のトホホ度は結構低いんですが、それでも私は嬉しいです。ヴィクトリカには「迎えに来るのが遅い!」とか色々言われちゃってるけど、だんだんしっかりして頼りがいも出てきたし。おお〜少年の成長ですなぁ!(←言ってる事が激しくオバちゃんくさい)

毎回言ってるんですが、富士見ミステリー文庫版のイラストは、ホント可愛いです。アブリルちゃんのふっくらした品のいい顔立ちも、生真面目な一弥の顔も。勿論、フリルとレースいっぱいのヴィクトリカときたら、お人形のよう。
あとがきで「ヴィクトリカ人形を作って雑誌に掲載」という話があったんですが、見たかったなぁ・・・。イラストでも可愛いのに、立体化したら、どんなに素敵か・・・。

次の物語は、今回の続きなんで、出来れば続けて読みたいのですが・・・色々事情がありまして、難しいと思われ・・・。ああ、早く読みたいです!

(2010.11.21 読了)




水無月・Rの『GOSICK』シリーズ記事
『GOSICK』
『GOSICK U 〜その罪は名もなき〜』
『GOSICK V 〜青い薔薇の下で〜』
『GOSICK W 〜愚者を代弁せよ〜』
『GOSICK X 〜ベルゼブブの頭蓋〜』(本稿)
『GOSICK Y 〜仮面舞踏会の夜〜』
『GOSICK Z 〜薔薇色の人生〜』
『GOSICK [ 上 〜神々の黄昏〜』
『GOSICK [ 下 〜神々の黄昏〜』
『GOSICKs 〜春来たる死神〜』
『GOSICKsU 〜夏から遠ざかる列車〜』
『GOSICKsW 〜冬のサクリファイス〜』

『GOSICK RED』
『GOSICK BLUE』
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GOSICKX―ゴシック・ベルゼブブの頭蓋― 桜庭一樹
GOSICK(5) ―ゴシック・ベルゼブブの頭蓋― (富士見ミステリー文庫)著者:桜庭 一樹富士見書房(2005-12-10)販売元:Amazon.co.jp 夏の終わり、山間に位置する聖マルグリット学園を少し早い秋の ... ...続きを見る
苗坊の徒然日記
2015/05/09 01:10

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは^^TBとカキコありがとうございました。
同じく短編集を読んでからの今作だったので一弥とヴィクトリカの距離の縮まり具合にニヤニヤしてしまいました^m^
一弥が言うセリフがいちいちかっこよくて困りました。素敵すぎます。
事件についてはここで終わり!?ときになってしょうがないので早く読みたいです。
ただ、図書館から届いている本が大量にあるのでしばらく先になりそうです(涙)
苗坊
2015/05/09 01:09
苗坊さん、ありがとうございます(^^)。
ですよね〜!このあたりに来ると、二人の息もぴったりで、いろいろな困難に出会うけど、何とか潜り抜けてきていますよね。ニヤニヤしちゃいますよね♪
続きは続きで、いろいろあります(^^)。
でも大丈夫ですよ☆
水無月・R
2015/05/11 16:28

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