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zoom RSS 『ガーデン・ロスト』/紅玉いづき ○

<<   作成日時 : 2011/01/25 13:46   >>

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少女というのは、何故こんなに頑なで生き辛い毎日を送っているのだろう。かつて少女だった私も、やはり生き辛い思いを抱えていた。いつのまにか、その状況から抜け出したけど、あれは何だったのだろうと、今でも思う。
紅玉いづきさんは初読みです。
『ガーデン・ロスト』というタイトルに惹かれて、読むことにしました。

読み始める前に抱いていた、子供時代という美しく外界から守られている「庭園」を失う・・・というような美しく感傷的なイメージと、微妙に違う読了感でしたねぇ。
彼女たちは、未だ閉じた世界にいる。でも、そこから出て「成長」しなくてはいけない、いや今でも成長しつつある、ということの痛々しさみたいなものを感じました。
ただ美しいのではなく、引っかき傷や未だ救われない状況に苦しくなるような、ひりひりする感じ、嫌いじゃないです。

4人の少女が、それぞれの事情やこだわり、失いたくないものや守りたいものをめぐって、少しずつ時に浸食されていく姿が、ちょっと切なかった。
優しいというよりは、病的に何かを恐れているようなエカ、架空の存在や手の届かない相手を思うことで自己を守ろうとしているマル、ボーイッシュな出で立ちの中に傷つきやすい焦燥を抱えたオズ、親からの期待に崩れそうな自身を何とか持ちこたえようとするシバ。
4人は、〈放送部〉という彼女たち自身が外界から切り離した空間で、3年間を過ごす。少女特有の傲慢と親和と嫌悪の感情とが綯い交ぜになった、濃密な空間。今の自分に満足できない、自分はもっと違う存在になれるはずなのに、という焦燥が、そこには漂っている。同じ場所を共有する一体感と違和感に、もがき苦しむ彼女たち。自分の思うよりももっと大きくなってしまう「自意識」と戦う彼女たちの痛々しさに共感できる部分はありつつも、それに違和感を感じてしまう自分は大人になってしまったんだな、と感じる。ちょっと悲しい。

季節は巡り、時は流れて、否応なしに、彼女たちから何かを奪っていく。
代わりに得る物は、彼女たちを満たすことが出来るのだろうか。
卒業式の日に、皆がシバを迎えに来たシーンに、これから先の希望を感じた。

(2010.12.20 読了)

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ガーデン・ロスト 紅玉いづき
ガーデン・ロスト (メディアワークス文庫)著者:紅玉 いづき販売元:アスキーメディアワークス発売日:2010-01-25おすすめ度:クチコミを見る オススメ! 誰にでも、失いたくない楽園 ... ...続きを見る
苗坊の徒然日記
2011/01/25 13:50
ガーデン・ロスト
 紅玉いづき 2010 メディアワークス文庫 この頃を描いた小説に弱い。自分はとっくに通り過ぎてしまった日々。なのに、まだ、心のどこかが疼いてしまう。自分の中に幼稚さがまだ残っていて、反応する。あの頃は、その幼稚さが許された。 4人の少女だけで成り立つ放送部。それぞれの少女は、外見も個性も抱える問題も違う。誰かに優しくしなければ誰にも愛されないと思い込むエカ。愛玩用になりたいだけなのに食用にされることを受け入れているマル。女性らしくない自分の容姿にひそかに引け目を持つオズ。勉強ができなければ不幸 ...続きを見る
香桑の読書室
2011/09/27 10:35

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
4人の痛々しさ、それぞれ抱える悩み。高校生ならではの雰囲気がとてもよく出ているなと思いました。紅玉さんの作品は全て読んでいますが、この作品がはじめての現代の作品だったんですよね。
だからどうかなと思ったんですが、良かったと思います。
紅玉さんは「ミミズクの夜の王」がオススメです。機会がありましたら、読んでみてください^^
苗坊
2011/01/25 13:58
苗坊さん、早速にありがとうございます〜(^^)。
この作品が初めての現代ものなんですか、紅玉さんって。・・・上手いですねぇ。あのひりひりするような傲慢さを、いやみなく表現できてるのが、すごいと思いました。
『ミミズクの夜の王』、おススメありがとうございます!【読みたい本リスト】に入れます♪
水無月・R
2011/01/25 14:21
水無月・Rさん、こんにちは。
皆さんのレビューを読んでいて、読んでみようと思った一冊です。
初々しさと痛々しさが説得力を持って描かれていて、どの子も愛しくてならなかったです。
香桑
2011/09/27 10:56
香桑さん、ありがとうございます(^^)。
あの頃って、どうしてあんなに痛々しくとげとげしてたんでしょうね…。
もう遠い彼方のことですが、それでも思い出してしまいました。
水無月・R
2011/09/27 21:36

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