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zoom RSS 『ブレイズメス 1990』/海堂尊 ○

<<   作成日時 : 2011/06/24 16:37   >>

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本作『ブレイズメス 1990』の主人公は、〈桜宮サーガ〉きってのシリアス主人公(?)・世良先生である。
『ブラック・ペアン1988』で、高階先生と渡海先生の間で揺れ動いていた1年生医師も、1年余りの院外研修の後、東城大学医学部付属病院に帰還。
その直後の世良は、垣谷先生のお供でフランスの学会へ行く際、佐伯教授からは極秘任務を言い渡されていた。
その任務を達成した時から、東城大病院どころか日本医療界を揺るがす波は、さざ波から育ち始めていた。

面白かったんですよ、うん、面白かった。
ただねぇ〜、アレですよ、「また、〈次作の展開を待て!〉かい・・・」というのがねぇ。
天才心臓外科医・天城がこの後どうなるのか、世良の成長はいかに、硝子の〈スリジエ・ハートセンター〉が出来る過程はどうなるのか・・・(多分、でんでん虫(碧翠院桜宮病院)崩壊後、建設され消え去った硝子のでんでん虫ってのがハートセンターだと思うのですが)って、伏線はいっぱいあるんですが、全然回収されてないんですよ!
海堂尊さんの桜宮サーガも、かなり壮大な物語になってるんで、仕方ないかもしれないんですけど・・・でもやっぱり一読者として、不完全燃焼です〜

モナコのカジノで患者の全財産の半分をかけた天運の賭けをさせ、勝った患者だけ手術をするという天城。その天城を東城大学へ呼び寄せようという佐伯教授の思惑。天城の手術を見学し凄絶なその技に感嘆した世良は、天城を日本に連れ帰ることに成功するが・・・。
佐伯外科の面々を前に、佐伯教授は「桜宮に心臓手術専門病院を作るために天城を招聘した」と宣言する。心臓外科部の筆頭・黒崎助教授を始めとする一同は、天城のあまりに尊大な言動に反感を抱く。そんな中、世良が天城の雑用係に任命され、世良もそれを拝命する。
揺れ動く佐伯外科のメンバー。
あちこちの手術を見学する天城は、実は手術メンバーの優劣を判断しており、ある日「東京で行われる学会で、日本初の〈公開手術〉を行う」と発表し、自らが判断した東城大病院の中で最も優秀なスタッフを、その公開手術のメンバーに任命。
公開手術の発表に前後して、天城はモナコよりモナコ王族であり建築家であるマリツィアを呼び寄せ、桜宮に建てる〈スリジエ・ハートセンター〉の用地案内をする。その際、でんでん虫と呼ばれる碧翠院桜宮病院付近で病院長である桜宮巌雄と対峙する。
〈公開手術〉の日、悪意あるアメリカ人プレゼンター、マッディ・ボブをやりこめた天城は、きらびやかな舞台に立って心臓手術を成功させる。日本語のみならず多国語の質問も交通整理し、天城の成功に助力した高階だったが、術後の舞台裏で「こんなものは医療ではない」と言い放つ。
学界から戻り、再びでんでん虫のの前に降り立った世良と天城は、ハートセンター設立へ向けての問答をやりとりし、大学病院に戻る。そこで天城チームを待っていたのは、テレビ取材。
その場で天城はハートセンター構想を発表する。

だ〜か〜ら〜!ここで終わっちゃったら、全然不完全燃焼なんですようぅ!!
しかも、シリアス路線だから、読後感の重苦しさったら。ラストで世良は、やたら不吉な予感を覚えてるし・・・。
お調子者の1年生医者・駒井という存在はあるけど、彼の話す薩摩弁が不自然過ぎて、何だかイラっとしてしまって、全然和みません。1990年当時の若者が「オイ」とか「ばってん」とか言うんでしょうか・・・。

気になることばっかり山積みですねぇ。
天城は1992年にハートセンターを創設する、って言ってましたが、硝子のでんでん虫が出来るのはまだまだ先だと思います。確か・・・年代的に『螺鈿迷宮』よりも後になる作品時点でまだ硝子のでんでん虫の記述はなかったような。建ったけれど崩壊したって話がどこかで出てたけど、多分それはかなり後の物語だったと・・・。

それから、世良と花房が『ブラック・ペアン1988』の頃から進展してないの?って思ってたら、本作の最後の方でいい感じになって・・・だけど、確か『ジェネラル・ルージュの伝説』の時、花房は速水に心惹かれてたみたいだし・・・え〜どうなっちゃってるの?!ってのもあるし。

世良は『極北クレイマー』でさっそうと登場したけど、医者じゃなくなってるし、この後何がどうなって、そういうことになったの?!って言うのが一番の疑問ですよ。

あ、それとマリツィアの本名に「シロサキ」が入ってましたね。城崎と言えば、桜宮病院院長夫人とマリアクリニックの院長の姉妹の旧姓である。多分この血筋と繋がる女性を母としているんだと思うけど・・・とすると碧翠院を敵視するのは私怨もあるのか?

そう言えば。
佐伯教授って、実はすごい人ですよね。言動は完全な悪役のように感じてしまうんだけど、実は日本の医療改革の為に、自分が出来ないことをできる人材を探し出して、その人物の望みを煽りながら、特性を生かして自由に行動できるように仕向ける、すごく頭のいい人なんだと思います。
但し、頭のいい人って、高階といい天城といい(白鳥や速水なんかも)、性格悪いよね(笑)。佐伯教授も、やっぱり性格悪いです。目下の医師の鼻っ面、引きずりまわし過ぎだ(^_^;)。

あ〜なんかすごく散漫な文章になってしまいました。
なんか、難しかったんですよ、今回特に・・・。
とりあえず海堂さんには、全ての謎に解答を期待してます!という電波を送っておくことにします。

(2011.06.23 読了)

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【ブレイズメス1990】 海堂尊 著
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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
面白く読んでたのに、最後がアレですもん。本当に不完全燃焼で…;;;きっちり終わらせて欲しいですよねー!
様々な作品に渡って伏線が張り巡らされているんですが、多すぎてもう何が何やら…って状態です、私^^;いつか、全てが繋がる時がくるんでしょうか…
すずな
2011/06/27 12:47
とにかく面白い!
と読んではみましたが、やっぱり中途半端。
期待のしすぎでしょうか(^^ゞ
じゅずじ
2011/06/27 18:47
>すずなさん、ありがとうございます。
そうなんですよねぇ・・・一つ一つのエピソードは、歴史に含まれることで、大きな流れになるのでしょうけど。
もうちょっとスッキリしたいです〜!
繋がって、「うわ〜、すっごい!」って盛り上がれる日は、来るんでしょうかねぇ。
水無月・R
2011/06/27 23:09
>じゅずじさん、ありがとうございます。
どうにもこうにも、消化不良ですよねぇ・・・。
期待は止められませんし(^_^;)。
ということで、電波は発信し続けるつもりです(笑)。
水無月・R
2011/06/27 23:14

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