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zoom RSS 『蕃東国年代記』/西崎憲 ○

<<   作成日時 : 2011/11/08 23:09   >>

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日本海に浮かぶ架空の国家、蕃東(ばんどん)。この国の中世後期あたりの、いくつかの物語。
この国は、「倭国」と「唐」の影響を受けた優雅な文化を持ち、竜が天に昇り骨魚が海を泳ぐ日常に満ちている。
そんな、ファンタジーと共存する『蕃東国年代記』。こういう世界観は、素敵ですねぇ。
著者の西崎憲さん、初読みなんですが、翻訳家でファンタジーノベル大賞を受賞されてたりする方なんですね。


「雨竜見物」
雨の中、竜が天に昇って行くのを見物するために、池の周りに集まった人々は。
「霧と煙」
船合わせで遭難した者たちが、助かるために失ったもの。
「海林にて」
北方の都市で不思議な出来事を語り合うことになった、見知らぬ者同士。
「有明中将」
美しい有明中将を自らを賭してまで愛した、2人の者。
「気獣と宝玉」
幼馴染の姫のために宝玉を探しに行った、貴族の少年。だが結果は。

「気獣と宝玉」の宇内(うない)が・・・(笑)。何なのこのトホホ。「雨竜見物」の時は、世慣れた有閑貴族青年だと思ってたんだけど、もう少し若い少年時代は、こんなんだったのね〜(笑)。
都一美人の幼馴染・集流(たかる)姫が「嫁に行きたくないから、お前も求婚に名乗り出ろ」と無茶振り。仕方なく出た求婚の集いで「宝玉のありかを知っている」と言ってしまい、探しに行く羽目に。探しに行った山奥には、宝玉を守る怪異がおり、横取りをしようという者たちも宇内を襲う。散々な目にあってやっと都に戻ったところ、集流姫は・・・うぷぷ。
・・・トホホだよねぇ。超お疲れ様(笑)。
トホホ少年と手玉少女っていうのは、定番の組み合わせなのねぇ(笑)。王道だわ〜。
こういう経験をしたからこそ、「雨竜見物」のころには割とクールで高踏的な青年になったのね。判るわ〜。
うんうん、トホホには愛があるよね〜♪

それぞれの物語の後に、現代の蕃東研究者の資料や現在の蕃東についての記事などが1ページほど載せられているんだけど、それがあるおかげで、実際にはない架空の国であるにもかかわらず、〈蕃東〉という国にリアリティが生まれてくる。
オリエンタリズムとファンタジーの見事な融合。
ただ・・・5つの物語が、お互いに反響しあうような感じがあまりなく、それが残念。多少登場人物などが重なるところはあったんだけど。

不思議な出来事が普通に受け入れられる世界で、人々は現実的な生活をしている。美しいだけでなく猥雑な日々もまた、この物語の魅力かもしれない。

ううむ…感想が難しいなぁ。
「年代記」とありつつも、たぶん同時代の物語ばかりなので、それがちょっと惜しい気がする。きっと西崎さんは蕃東という国を完成させているだろうから、ほかの時代の物語(神話時代や現在につながるファンタジー)を読んでみたいな、と思った。続巻は出ないのかしら。

(2011.11.08 読了)

蕃東国年代記
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西崎憲 新潮社発行年月:2010年12月20日 予約締切日:2010年12月13日 ページ数:190


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