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zoom RSS 『飲めば都』/北村薫 ○

<<   作成日時 : 2011/11/28 16:11   >>

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出版社の編集部員・都さんは、働き者でお酒好き。飲みすぎて失敗することも多々あるけど・・・。
私はあんまり飲めないタチだし、飲み会というものから離れて久しいパート主婦なので、都さんやその周りの人たちの割とフリーダムな飲み方(というかハメ外し方)には、結構びっくり。楽しそうだけど・・・、人様には迷惑かけちゃいけないよ、なんていう言葉は、無粋なんでしょうけどね。
北村薫さんは、久しぶりですねぇ。むか〜し、何作か読んだことありますが、ちょっと合わなかったので、以来大分ご無沙汰になっておりました。
だけど出版社の女性の編集さんが主人公、って聞いたら読みたくなっちゃいました、『飲めば都』
面白かった・・・けど、やっぱりちょっと違うかな、ホント個人的な意見なんですけど(笑)。

実は私、飲んで記憶を失ったことがない。学生時代のサークルの飲み会は、雰囲気が楽しくて好きだったので結構参加してたんだけど、途中から飲み会仕切り係になっちゃって。飲みすぎると眠くなるからセーブして、会費回収や支払い、2次会への先導などやってたら、そういう機会を失ってしまった(笑)。社会人になってからは、ハメが外せなかったし。
そういう意味では、都さんのようにお酒そのものを楽しむという経験があんまりないのかもしれないですね。
だからちょっと、「みんなフリーダムすぎない?」とお固く考えちゃったんですよねぇ。

お酒の席(あるいはそのあと)での失敗談やいい話と、都さんのお仕事話が微笑ましい感じで続いていくんだけど、後半は都さんの恋愛&結婚生活の話になる。ちょっとその流れはうまくいきすぎな気がするんですけど、そういうものでしょうかね…。いえ、都さんとオコジョさん(挿絵画家)の恋愛も微笑ましいんですけど、オコジョさんいい人過ぎる。まあ、お互いにラブラブなんでしょうなぁ・・・。私だって、あんな優しくて理解のあるダンナが欲しかった(笑)。

都さんの編集さんとしての仕事ぶり、本好きとしてはたまらない。本や雑誌がどういった過程で世に出てくるか、っていう話は、本当に興味深いもの。作家さんとの色々、編集部内での色々、他部署とのやり取りとか書籍化のこと、文学賞のこと、面白いとひとくくりにできないほど、いろんなことが起きる。なるほどねぇ、と感心することしきり。

ああ、一つだけ、かなり気になったのでちょっと書かせていただきます。
「指輪物語」での、都の先輩・瀬戸口さんの行動。あれをやられたら、妻の立場としてはたまらないな、と。
大体の察しがついたとしても、仕方ないとは言えないよ。夫が悪いわけじゃないけど、疑う訳じゃないけど、結構しこりが残っちゃうなぁ。同じのが作れるといっても、それはもう結婚式で指輪交換したものじゃない。
都は「取り返しのつかないことをして泣きたかったのだろう」なんて思ってるけど、これはダメ、絶対に。瀬戸口さんの気持ちもわかるけど、切ないけど、でもいい大人としてやっちゃダメだと思う。
普段、すごくいい人で仕事もできる人なのに、なんかなぁ…残念だわ。

最後の章「ウィスキーキャット」は、いい感じにまとめられてましたね。ウィスキーを守る猫・ウィスキーキャット、そして編集者は本の蔵に住むブックキャット。・・・ただ、いい発言なんだけど、直後に救急病院に連れて行かれるような階段落下してしまう元編集長は、いかがなものかと思います(笑)。
都の要望に合わせて、オコジョさんが書いた〈ブックキャット〉、この本の表紙に書かれてますね。
ああ、いかにも都さんだなぁ(笑)。確かに、眉毛猫は愛嬌があるよ。そしてオコジョさんの愛がにじみ出てるよぅ(笑)。
ああ、ゴチソウサマだわ〜。

(2011.11.27 読了)

飲めば都
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北村薫 新潮社発行年月:2011年05月 ページ数:356p サイズ:単行本 ISBN:978410


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飲めば都(北村薫)
なんだか久しぶりの北村さんだなーと思いながら読んだ。 ...続きを見る
Bookworm
2011/11/30 12:38

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
私はお酒が好きな方なので、都さんに親近感を感じたり、自分を省みたりしながらの読書でした。読んでて楽しかったですが、反省することが多かったかな^^;
「指輪物語」は妻の立場に立ったことがないので、「あ〜わかるなぁ…」と思っちゃんですが、確かに妻にしてみれば「ふざけんな!」って感じなんでしょうね;;;
すずな
2011/11/30 12:55
すずなさん、ありがとうございます(^^)。
象鼻酒は面白そうだなあとか、感心しながら読んでいました。お酒の場のリラックスした雰囲気は好きなんですが、お酒は一定量以上飲むと眠くなっちゃう、子供体質なもので(笑)。
「指輪物語」の件は、ふざけんな〜!というより「あ〜・・・」というがっかりだったり寂しさだったり…色々ですね。単に夫が失くしたのではなく、女の人に失くされたと知ったら、その人とどういう関係だったんだろうとか、夫に隙があったんじゃないかとか、いろいろ考えて暗くなりそうで。
水無月・R
2011/11/30 21:02
お酒が職場の潤滑油という時代でもない様な気もしますが。指輪物語に関してはこれは「やってはいけないだろう」と悲しくなりました。こっそり見つかった振りして返してあげればよかったのに無くしたという事実だけでいい筈なんですもの。でも、彼女だけではない、相手の方にはその気持ちは伝わっているのでしょうか。なんかヒロインの感情のフィルターを通して大層いい男みたいに書かれてますが、ただの鈍感男か、つまらん奴って気もしますね。もしかして二人には何も無かったと言い切れるのか。そんな暗い思いさえ、感じてしまいます。「夜の鼓」という映画の話が出てきますがこの小説の基調にあるのは人間の暗い情念みたいに思えるんですよ。都さんにも当然その思いはある。優しいご主人にも苛立ったり、彼の心をどこかで操っていると思う気持ちのどこかにね。夫婦であれば、仕方のない事。
ただ一つ、池井さんの奥さんはまりえさんの行動に傷ついたりはしないでしょう。だって夫の心は彼女にはなく奥さんにあるのですから。その優越感というか自分の夫がモテるという気持ちで充分に満足でしょうから。だって、もしかして奥さん、まりえさんの気持ちに気づいているかもしれないから。
まるさん
2012/06/14 18:35
まるさんさん、コメントありがとうございます。
なるほど〜、池井さんの奥さんは、夫を信じてるから傷つかない。
色々気を回して、ダメだ!と思ってた私はまだ甘かったのかな?という気もしてきました。
新しい方向性のコメント、ありがとうございました!
水無月・R
2012/06/14 21:02

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