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zoom RSS 『春狂い』/宮木あや子 △

<<   作成日時 : 2011/12/12 16:05   >>

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うあ〜・・・。これはエグいわ、宮木あや子さん・・・。すみません、ちょっと合いません、こういうの…。いい子ぶった小市民と言われても仕方ないんですが、背徳というか性虐待ものって、駄目です…。
春になると、少しずつ全てが狂っていく。桜が舞い散る春の中で、様々な人間が狂っていく。お互いに、関与しながら。
『春狂い』というタイトルそのままに。

美しく生まれた少女が、様々な欲望に晒され、人生も己の心も狂わされ、同じ境遇の少年に出会うも彼を失い、何とか救いが現れたかに見えたがそれもまた失う。「君は生きて」と告げて死んでしまった少年の復讐を胸に生きていたのに、彼の死のきっかけになった者と廻り合った時、最も大きい〈狂い〉が彼女に訪れる。

官能ミステリーってことですが、あんまり官能的でもなかった気がします。官能って、虐待行為ではないと思うんですよね、私。官能って、こう体の中から湧き上がるような歓びとか、我を忘れるほど傾倒する行為とか、そういうものだと思ってるので。
痛みやえげつない苦しさは、違うと思うんですよねぇ。
それと、ミステリー、ミステリー・・・うう〜ん、ミステリーだったかな?
一話ずつ別の話に見える物語が、関連しあって一人の少女の死につながっていく。なぜ彼女は死んだのか、彼女に何があったのか、彼女の死後、彼女の担任にだけ見え、担任の恋人の体を借りて現れる、少女の亡霊。亡霊が告げたかったことはなんだったのか。そういうところが、ミステリー・・・だったのかしらん?

少女が酷い目にあう、その酷さはもう筆舌に尽くし難い。しかし、その少女の「復讐」もまた、とても信じられない。少女自身を守る為であり、復讐の相手を従属させ辱めるために、彼女がしたこと。とても17歳の少女のすることとは思えない。だが、そんな行為に及べるほど、彼女は様々な虐待を受けてきたのだ。
ううう・・・エグい。エグすぎる・・・。
しかも少女は、復讐すべき相手に、とある感情を持ってしまう…わからない。有り得るんだろうか、そんなことは。

なんかまともなことが書けそうにないので、内容に触れることも、自分の感想を事細かに書くことも、やめておきます。
ですが、一つだけ。最後の章で、少女の担任だった男性が、また廻ってきた春を迎え「桜は白かっただろうか」と女生徒に問う。そして「桜はもともと白だ」と言う女生徒を見送ったのち、校舎に入っていくシーン。美しかった。美しいけれど、何かがおかしい。美しすぎて、何かが。
〜〜白い桜は花を散らせてもまたすぐ新たな花をつけ、決して枯れなかった。落ちた花はやがて世界を白く埋め尽くす。誰も死なない。だから桜が赤くなることはない。白い世界の中で、前原たちは淡々と日常を過ごしてゆく。 誰かの望んだ、永遠に終わらない春。〜〜 (本文より引用)
愕然とした。
永遠に?誰かが望んだ?誰も死なない? ・・・春の中で、狂ったのは、前原という担任も、ということなのか。
少女にかかわった者は、少しずつ狂っていく。物語の構造すら、その影響を受け狂ったのか。
それとも、単なる比喩なのか。何があっても、春は廻ってくる。そういうことなのか。少女は忘れ去られない、ということなのか。
私には、わからない。それが、怖ろしい。

(2011.12.10 読了)

春狂い
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宮木あや子 幻冬舎発行年月:2010年05月 ページ数:197p サイズ:単行本 ISBN:9784


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