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zoom RSS 『アリアドネの弾丸』/海堂尊 ◎

<<   作成日時 : 2011/12/28 15:42   >>

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後半が、面白かった!
やっぱ海堂尊さんの作品には、怒涛の火喰い鳥・白鳥が欠かせないですねぇ〜。白鳥が出てくるまでは、ちょっとだれてました…(^_^;)。
しかし、白鳥が出てくると、俄然話がフル回転しだすんだから、やっぱりタダ者じゃない!すごいキャラですよ。
あの【バチスタ・スキャンダル】から約3年・・・。
最新の縦型MRI・[コロンブスエッグ]が導入された、東城大学医学部付属病院。ところがそのMRIに銃殺死体が・・・。
その『アリアドネの弾丸』を放ったのは、誰なのか…?!

本作は、白鳥念願の「AIセンター」が、東城大学医学部病院に発足するところから、話が始まります。
例によって例の如く、我らがアンラッキー中年・田口センセが腹黒ダヌキ院長・高階先生(&その他)に嵌められて、センター長の地位についてしまいます。
ところが、コロンブスエッグを調整する技術者・友野が死亡。事故死か、自然死かと、AIにかけるも不審な点はなく、AIセンター開始へ向けて準備は進んでゆく。
しかし、更に副センター長の一人でもある北山元刑事局長の銃殺死体がコロンブスエッグ内から発見され、現場で気絶していた高階院長の手には銃があり、高階院長を取り押さえた警視庁警視・宇佐見(キラー・ラビット)は、高階院長が犯人だという。
高階院長の冤罪を晴らすため、田口センセ始め厚労省役人・白鳥、放射線科の島津、そして田口センセにAIセンター副センター長に任命された彦根(スカラムーシュ)、その配下の桧山シオン(同じく副センター長)が、それそれの実力を最大限に使って疾走する。
高階院長の冤罪は、白鳥の証明によって晴らされ、真犯人は・・・。

あ〜う〜、すみません。一応あらすじ書いたつもりなんですけど、全部書ききれません。ほんと、相変わらずいろんな出来事が同時多発的に起こり、しかもそれらが絡み合ってあちらが立てばこちらが立たず、そうかと思えば推理が共倒れしたり、とにかく怒涛の大展開。上に挙げた人物以外も、4Sエージェンシーの城崎と網膜芽腫で視力を失った牧村瑞人、桜宮一族の生き残り・小百合、北から来た南雲親子、桜宮市警の無声狂犬・斑鳩、今回院長代理を務めた黒崎教授、警視庁の電子猟犬・加納(今回海外出張中)とその部下の玉村など…さまざまなキャラのたった登場人物たちが、丁々発止とやり合う。そろって頭の回転がいいから、とにかく猛スピードで事態が進むので、ホントについてくのがやっとでしたわ〜。

一つ一つについて書いていくと、どうにもならないので、思ったことをいくつか。

まずですね〜!
海堂さん、ちょっと宇佐見はひどいんじゃないでしょうか…。
いや、人物造形とかは、ストーリー上ああいう感じで全然問題ないんですが、彼の喋る方言ですよ。「〜ぜよ」というからには、たぶん土佐弁なんですよね…。すみません、VIVA土佐弁な水無月・Rとしては、あの喋り方は認められないです〜。「〜ぜよ」って、あんまり最近の若者は言わないんですよねぇ。それに「ウラ」って?男性の一人称は土佐弁だと「わし」「おら」ですけど…。 『ブレイズメス1990』の駒井の時も思ったんですけど、失礼ながら海堂さん…方言を使う人の喋り方、方言を強調し過ぎではないでしょうか・・・。

桧山シオンが、すごかったです。不眠不休で機械のように正確に、ものすごい勢いで情報を処理し、とんでもないものを作り上げてた。あの姿は、精巧な情報処理ロボットではないかっていうくらいでしたね。
彦根は別件(必敗の戦いの方か)で、途中から姿を消すんだけど、相変わらず何とも物騒。
斑鳩はあっさりトカゲのしっぽ切りをしてみせ、警察機構の保持のためなら、何でもやるだろうという冷酷無比さをあらわにしてみせる。
逆に玉村警部は「私は正義の味方です」と、カッコいい宣言をしてくれた。拍手
高階院長は警察病院でホントに狸寝入りしちゃうし、黒崎教授はTVドラマに出演しちゃうし。
たぶん、南雲親子と小百合がマンションの入り口ですれ違った妊婦は、 『マドンナ・ヴェルデ』のみどりさんでしょうねぇ。
海堂作品って、いろんな物語の登場人物と状況が、ホントにあちこちでリンクしてますなぁ。
廊下トンビ・兵藤クンもあちこちから噂を集めてはばらまきつつ健在、水無月・R的にはニヤニヤ(笑)。

とりあえず、実際稼働してもいないAIセンターに副センター長が7人もいるのは、多すぎるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。章タイトルにも「副センター長がいっぱい」ってなってましたが(笑)。
そして、どう見ても真黒な状況でも、「高階院長はシロだ」と信じて、突破点を探す田口センセ&白鳥たちの熱意には胸が熱くなった。もちろん、病院のためとか自分の立場で守るべきもののためでもあるんだけど。そのあたりの展開の速さ、豪快さにはホントにドキドキわくわくした。

さて、田口センセがかかわったという「雪下美人殺人事件」や、高階院長の「桜の苗木を抜いた」という意味深な発言(スリジエ・ハートセンターのこと?)、「硝子のでんでん虫」が「AIセンター」だという新事実・・・。
桜宮小百合の東城大医学部付属病院への復讐はまだ果たされておらず、そのうちまた熾烈な戦が始まりそう。
「医療VS司法」「官僚亡国な中央と現場の苦悩」、テーマはいろいろあるし、何よりやっぱりとんでもないキャラがそろってる。
明かされてないストーリーや解かれていない謎がたくさんあって、まだまだ、〈桜宮サーガ〉は続いていきますね。
気になることがいっぱいあるので、海堂さんにはまだまだ物語を描き続けていってほしいです。
だって、ラストシーンで除幕した硝子のでんでん虫は、またそのうち姿を消してしまうんですから。
この物語の最後に、田口センセはこの先を思い描く。
〜〜今、ここから俺は、すべての因縁を引き受けて、現実と対峙していくことになるのだろう。〜〜 (本文より引用)
やはり、〈桜宮サーガ〉からは、目が離せないな、と思う私なのでした。
ただ、やっぱり一見さんには優しくないシリーズになっちゃったかな〜(笑)。

(2011.12.27 読了)

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海堂尊 宝島社発行年月:2010年09月 ページ数:413p サイズ:単行本 ISBN:978479


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あんな辛口記事へTB&コメントありがとうございましたm(__)mなんだか、こちらからTB送るのが申し訳ないような気がしますが^^;ご迷惑な時は消しちゃってくださいねー!

水無月・Rさんのレビューを読んでると、自分の読み方が悪いのかも…と思えてきました^^;次巻は手に取らないと思ってたんですが、今はちょっと迷ってます。。。
すずな
2011/12/29 12:34
すずなさん、ありがとうございます(^^)。
いえいえ、迷惑だなんてことは、全然ないですよ♪
私も、読み始めは「えぇ〜・・・なんかなぁ」なんて思ってました(^^;)。
私的には、「あの人いつの間にか昇進したけど、どんなストーリーがあったの?」とかいう、野次馬根性が、このシリーズではむくむく湧いてきちゃうんですよねぇ。で、ついつい「先が気になるわ〜」って思っちゃうのでした。
水無月・R
2011/12/29 22:29

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