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zoom RSS 『決起!コロヨシ!!2』/三崎亜記 ○

<<   作成日時 : 2012/05/09 19:44   >>

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あいや〜。2週間かかってしまったわ…。確かに、かなりのボリュームがあるんですがね〜。
前作 『コロヨシ!!』を「スポーツ青春物」とすると、本作『決起!コロヨシ!!2』は「スポーツ青春+プラス因果は廻る糸車?!」ってカンジかな?いや〜、とにかく話が壮大でねぇ…ついていくのが大変だったんですよ。もちろん、読了に時間がかかりすぎた言い訳にもならないんですけどね〜(^_^;)。
そして、相変わらず三崎亜記さん〜、設定ノート見せてくださいぃぃ〜!!と叫びたいです(笑)。
世界観が奥深すぎる・・・!

前作で、〈掃除〉の全国大会で3位入賞を果たすものの、それは活動制限スポーツである掃除を「新国技」候補として脚光を浴びさせるための仕組まれた入賞であったことを知っていた、主人公・樹。マスコミに追い回されるため、自宅ではなく幼馴染の超越的完璧お嬢様・梨奈の家に居候させてもらっている。大会のためにともに切磋琢磨した後輩・偲は、同じ大会の女子の部で優勝したのち、故郷である居留地に帰ってしまった。
全国大会入賞で注目を浴びたはずが、学校側から掃除部は迫害され、前作の顧問が学校を去ったため新しく顧問になった牧田先生は大の掃除嫌い、樹に課せられる様々な特訓、幼馴染・梨奈の居留地への誘拐と樹の救出行動、親友で政府直轄校へ転向しライバルとなった大介とのやり取り。樹の掃除への試練は、とにかく怒涛のように押し寄せては、彼を成長させ、目覚めさせ、覚悟を突きつける。「青春もの」の王道として、樹が成長の道から蹴り落とされることも、自ら外れることもないとはわかっているけど、それでも次々に彼に降りかかることのすべてが、壮大な計画の一部なのか、導かれゆき樹本人が望むことの必然なのか・・・。
とにかく、話が壮大です。こんなに伏線だらけの人生、中身が濃すぎて大変だ・・・(^_^;)。

あの40年前の「敗戦」。10年間の「分割統治」。自治権獲得後の30年間をかけての急成長。
三崎作品のあちこちに繋がるこのキーワードにより、他の作品群とも同じ世界観にあることがわかるんですが・・・壮大です。壮大すぎます!
『コロヨシ!!』シリーズには、他の作品の郷愁を誘う静かで物悲しい雰囲気はあまりないのですが、それでも同じ世界であり、矛盾を感じないのが、凄いですね〜。ホント、三崎さんの「作品設定ノート」が見たいです(笑)。

読むのにすごく時間がかかったせいで、なんだか感想が散漫です…。
意外だったのが、超越的お嬢様・梨奈の行動が本人の意思ではなく、何かに動かされているようであること。彼女ほど強烈な個性と輝きを持った者もまた、「この世界」の理(ことわり)の中では駒とまでは言わないけど、必然の中に組み込まれてるんだなぁ…って。そんな彼女も、共にあるべき人と巡り会ったようですね。その組み合わせはなかなかに影響力が大きそうなので、また樹に出会って、彼に運命の道を選ばせることになるんじゃないかと思います。
逆に、ああ〜やっぱりね、と思ったのが、樹の両親。読んでるうちに、二人の過去がなんとなく推測は出来ました。お母さん、結構おちゃめな性格だったので、もうちょっと活躍してほしかったかな(笑)。

掃除の究極の舞が『対』。そして、そのさらに奥にあるのが『裏の対』による『くつがえし』。もし本当にそういった舞があるとしたら、危険ですよねぇ。確かに三崎さんの描く〈敗戦し、分割統治され、州制自治になった日本〉には、必要だったのかもしれないけど、歴史を捻じ曲げることは正しいのか、だが曲げなければこの国は悲惨な運命をたどった・・・。小説だから示される〈もしも〉の世界。もしかしたら、現実の日本だって…と思うと、うすら寒い思いすらします。
でも、そんな危険な『くつがえし』にも実は対抗手段があり、それが本作のタイトルと同じ『決起!』という名の舞。
その舞を、過去に修得していた樹と偲。この二人は、色々なことを知らされないまま(記憶を封じられていたりもする)、迷ったり苦しんだりしながらも前へ進み、『くつがえし』の危険性に楔を打てる存在となる。

最終章が、すごく青春物でしたね!掃除部員が桜の大樹の下に全員集合し、反省会&次期主将指名、OBや関係者の登場、3年生の納め舞の儀(活動制限スポーツだから)。そして、樹の番になったら、ヘリコプターが降下(笑)。もちろん、樹を導く超越的お嬢様・梨奈の登場である。偲とともに〈掃除〉の旅に出る樹の前に案内人として現れたのは、常に彼らを翻弄し続けた、前顧問。そして「頃良しっ!」と二人は旅立っていくのだ。
おお〜、青春だ〜、少年少女の成長物語だ〜!王道っていいよねぇ〜。
ところで、『コロヨシ!!第三部』はある、ってことでいいですよね、三崎さん♪だって、すでに伏線がたくさん出てきてますもんね〜♪楽しみです〜。

ああ、一度本当の〈掃除〉を見てみたいものです。長物で塵芥を巻き上げ、軽やかに縦横無尽にフィールドを舞いながら塵芥を打ち広げ操り、そして腰に付けた寄せ袋に収めて舞を終える、この国の〈掃除〉。はげしく塵芥を打ち合い、闘技へと進化した居留地の〈掃除〉。今作ではあまり出てこなかったけど宮廷群舞として発達した、西域の〈掃除〉。
きっと、どの〈掃除〉も身体能力の高い人が、限界までその能力を駆使し、美しく、力強く舞っているんでしょうね〜。

(2012.05.07 読了)

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商品の詳細ジャンル文芸フォーマット単行本出版社角川書店ニュータイプ発売日2012年01月ISBN97


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【決起! コロヨシ!!2】(三崎亜記)を読了!
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2012/05/09 22:22
決起! コロヨシ!!2(三崎亜記)
「掃除」というスポーツを描いた「コロヨシ!!」の続編。 ...続きを見る
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2012/05/10 12:37

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。
歴史が少しずつ明らかになってきて、読み応え十分でした。
お母さん、割りきりが早くて気持ちよい性格でしたね。
そして「対」、二人の距離感がどんどん縮まってきてこれからもまた興味がそそります。
ぜひ続編希望!
じゅずじ
2012/05/09 22:28
じゅずじさん、ありがとうございます(^^)。
三崎さんの描く「この世界」の歴史、裏も裏の裏もありそうですね。色々広がりがありそうです。
樹と偲『対』としても『掃除を極める者』としても、これからもどんどん成長して、クラスアップすることでしょう。
是非、その物語を読みたいですよね〜!
水無月・R
2012/05/09 22:34
本当に三崎さんの設定ノートを見せて貰いたいですよねー!新刊が出る度に世界が広がっていって、読者としてはついていくのに必死です^^;
そして、実際の「掃除」も見てみたいですよね。どんな風なのかあれこれ想像してはいますが、これに関しても三崎さんの頭の中をのぞいてみたいという誘惑にかられます(笑)
すずな
2012/05/10 12:44
すずなさん、ありがとうございます(^^)。
そうなんですよ、私たちの世界と似ているのに、ルールの違うこの世界はどうなってるのか?って知りたくなります。
掃除の競技も、滞空時間とか長そうですもんね〜。あの競技の詳細を描ける三崎さんの想像力って、ホントにすごいですね♪
水無月・R
2012/05/10 22:15

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