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zoom RSS 『かぐや姫の結婚』/繁田信一 ○

<<   作成日時 : 2012/12/12 17:51   >>

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平安時代は、結構好きな時代である。
2008年が『源氏物語』千年紀だったということで、あのころは『源氏物語』がらみの平安時代の小説や評論なんかも、たくさん出ていましたね。
実はこの『かぐや姫の結婚』も、その頃に読んだ森谷明子さんの『千年の黙 〜異本源氏物語〜』のシリーズを読んだ時などに、〈香桑の読書室〉の香桑さんにお勧めいただいてたんです。
だいぶん経ってしまったけど、読んでよかったですわ〜。
ただ…、基本「物語読み」の私には、読みにくかった(笑)。
著者・繁田信一さんは、民俗学の研究者。研究書としては、かなり簡易に書かれたものなんですけどね〜(^_^;)。

本書は、先述の『千年の黙』シリーズに、文句言いの小父様としていいキャラで登場している「藤原実資(ふじわらのさねすけ)」の日記『小右記』から、その実資の娘・藤原千古(ふじわらのちふる)の生涯、特に結婚に関しての記述を読み取って、解説したものです。
平安時代の風俗などを知るのにすぐれた資料である、『小右記』。その筆者である藤原実資は、藤原道長の一門からは外れているものの、宮廷内で大きな力を持つ貴族であった。遅くに生まれた娘・千古を溺愛して、財産の大半を譲ったり、結婚相手を選ぶのに苦労したり…。
まあ、固い内容について、どうこう書いてもしょうがないし、多分きちんと書けるとも思えないので、止めておきます。

あの時代の姫君って、いろいろ苦労があるのねぇ。本人よりも、親兄弟の方が苦労してるのかもしれないけど…。
宮廷に上がって女房として仕えるっていうのは、中流貴族の娘としては名誉なこと(いろいろ箔がつくし)なんだけど、高貴な姫君にとっては「先祖の恥」になってしまうんだなぁ…って、考えたこともなかったです。というより、皇女が、天皇の妃とはいえ貴族の娘に仕えさせられるなどという事があったんだ・・・ってビックリしました。藤原道長一族、やることがえげつないなぁ。そりゃあ、妃に仕える女性の身分が高ければ、その分その妃の格も上がろうってもんですが、見境がないというかなんというか。

そんな目に遭うのも、父親や兄弟の庇護がない、或いは親族にそのゴリ押しに抵抗する力がないから。
幸いにして千古の父親は実力者で、そんな目に遭うことはなかったけど、その代わりに結婚相手がなかなか決まらない。本来なら「妃がね」となってもおかしくない血筋ながら、道長一族が立ちはだかるために、それも叶わない。では、その道長一族の御曹司との結婚はといえば、父親が今一つ気乗りしなかったり、進んだんだと思ったら取り消されたり、上手くいかなくて、本人もそうだろうけど、父親がやきもき。
…大変だなぁ…現代の庶民でよかったわ、私(笑)。

あの実資小父様が、娘にねだられるがままに行列見物に出かけていくって、意外でした。一緒に牛車の試乗をしたり、土忌(屋敷の工事の際、土地神の怒りを避けるための方違え)をしたりと、遅くに生まれた娘に対しては、大分子煩悩だったんですねぇ。

そうそう。香桑さんに「実資小父様の『小右記』についての本ですよ」と教えて頂いてたにも拘らず、タイトルに「かぐや姫」とあったので「竹取物語」も関連するのかと思ってました。違いますね(笑)。
だけど、ず〜っと読んでて思ったんですけど千古をかぐや姫と呼んだのは、結局誰だったんでしょうか?父・実資ではないでしょうし、平安時代の人々がたくさんの財産を相続した千古を指してそう噂したのかしらん。

(2012.12.11 読了)

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繁田 信一

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かぐや姫の結婚:日記が語る平安姫君の縁談事情
繁田信一 2008 PHP研究所 月に帰るかぐや姫の解題ものかと思いきや、『小右記』という藤原実資という貴族が書いた平安時代の日記を解説したものである。藤原道長の一族が栄華を極める頃、道長反対派でありながらも敬意も払われた名門貴族にして賢人。その実資が、老いてから得た娘に長生きするように祈りをこめて千古と名づけた。その娘は世に「かぐや姫」と呼ばれたという。帯のコピーが最悪だと思ったが、面白かった。 ...続きを見る
香桑の読書室
2012/12/12 20:19

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
水無月・Rさん、こんばんは。
読んで下さったんですね。小説ではないですが、私にとって印象深い一冊なので、嬉しいです。
この本を先に読んでから「千年の黙」を読んだので、あのおっちゃんがエロを読みたがるなんて…(*´艸`)と笑ってしまいました。
この本の中では実資おじさまが宮廷で天皇に奏上する時に、藤原家では正式な作法をわかる人がいないからと、こぞって人が押し掛けて見学したくだりが大好きです。かっこええ♪
香桑
2012/12/12 20:24
香桑さん、ありがとうございます(^^)。
実資小父様ファンクラブ会員といたしましては、時間がかかっても読むべし!と思いまして♪
私は逆に、「あのカタブツで文句言いの小父様が、超子煩悩!」とニヤニヤしてました(笑)。
水無月・R
2012/12/12 20:31

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