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zoom RSS 『GOSICK[ 下 〜神々の黄昏〜』/桜庭一樹 ◎

<<   作成日時 : 2012/12/28 16:41   >>

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世界を揺るがせ、あらゆる人々の人生を変えた2つ目の世界大戦。そのさなか、母・コルデリアの身代わりのおかげで監獄〈黒い太陽〉から脱出したヴィクトリカ。
戦争が激化し、少年兵として戦地へと赴いた久城一弥。
離れ離れになってしまった2人の、それぞれが困難を乗り越え、そしてまたセシル先生やアブリル、ヴィクトリカの兄・グレヴィールの様子も描かれる『GOSICK[ 下 〜神々の黄昏〜』
桜庭一樹さんの『GOSICK』シリーズも、とうとう最終巻となりました。

戦地での辛い生活の中で、少年兵仲間と学園時代を語り合う一弥。姉・瑠璃へあてる手紙には、ヴィクトリカを思う言葉が多く書き連ねられる。
ソヴュールのオカルト省からの追手をかいくぐり、日本行きの船に乗ったヴィクトリカとブライアン・ロスコ―(の片割れ)は、旧世界の古き一族は旧大陸を離れられない、無理に離れようとすれば衰弱し死に至るという言い伝えの通り、息も絶え絶えの状態に陥る。そして、ブライアンは逝き、ヴィクトリカも気絶したまま日本にたどり着く。
前作でヴィクトリカの肌に刻まれた日本の文字は、一弥の家の住所であった。ヴィクトリアは戦後、その一弥の家の焼け跡で言葉も通じないまま、一弥を待ちながら瑠璃たちと暮らしていた。
長く長く待ったある日、帰還者の乗った船のつく港で、二人は再開し、お互いの気持ちを告げあう。
そしてエピローグで、新大陸に渡った二人の生活が描かれる。二人は、幸せだ。

お互いが生きて再び会うまではと願い、その強い思いがもう一度二人を巡り合わせ、そして二度と離れないと誓い合う…。なんかもう、良かったです、ホントに。
ヴィクトリカと一弥だけでなく、グレヴィールやセシル先生、アブリルちゃん、そして灰色狼の村から一弥たちと一緒に逃げ出したアンブローズの消息が描かれて、みんな戦争の嵐にもまれながらも「未来へ!」と、一生懸命に生きていく姿が、とても力強くて、素敵でした。
娘の身代わりになってブロワ侯爵に捕らわれたコルデリアの、娘の未来を願う思いの強さ、胸が痛みました。その母の思いを胸に抱き、未来へと進むヴィクトリカ。・・・なんか、感激したな〜。

エピローグの、ほのぼのさも、すごく良かったです。相変わらず、ヴィクトリカはお菓子と本に囲まれてるんだな、レースとフリルいっぱいのドレスを着て、かつ一弥に対してぞんざいでって思うと、なんだかうれしかったですね〜。

いつからだったか私は、グレヴィールが父の命に背いてヴィクトリカを助けてくれるといいと、願うようになっていました。妹・ヴィクトリカを「恐ろしいチビッコ」と呼びつつ、灰色狼の頭脳を利用するためにでも時々は学園に会いに来て、妹の無聊を慰めるような謎を持ち込んでいたグレヴィールは、正義を愛する強く優しい心を持っているのだから。
その期待通りに、彼はヴィクトリカの脱出に手を貸してくれました!私かなり、感激しました。良心と勇気のあるいい兄貴だ〜!どうか、戦後も彼の生活に光あらんことを!

ロンドンの実家に帰り、従姉や祖母と暮らしていたアブリルは、砲撃の雨の中、志願看護婦になっていた。戦争が終わったら、冒険家になって一緒に行こうと誘っていた従姉・フラニーの犠牲を見て、彼女もまた勇気を持って生きようと心に決める。アブリルちゃんもしっかりしてきたなぁ。彼女のその後は描かれなかったけど、きっと世界的に有名な女性冒険家になったんじゃないかな。そして、それをきっかけに一同再会出来たりしたら、いいなぁなんて思います。

このシリーズは、出版社が変わったり、著者桜庭さんの作品傾向が変わったり(直木賞もとったしね)、結構長い時間がかかったけど、ちゃんとラストを迎えることができてよかったですよね。私が読み始めたのは2009年で、そんなに長くかかったわけじゃないけど。
少年少女の成長物語、そしてだんだんに育っていく友情と愛情、彼らが一心に未来へと進んでいくのが、とても楽しく読めました。

(2012.12.27 読了)

GOSICKVIII下‐ゴシック・神々の黄昏‐ (角川文庫)
角川書店(角川グループパブリッシング)
2011-07-23
桜庭 一樹

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