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zoom RSS 『月館の殺人』上・下(コミックス)/綾辻行人原作・佐々木倫子漫画 ◎

<<   作成日時 : 2013/01/21 16:52   >>

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『動物のお医者さん』『おたんこナース』など、ニヤニヤほっこり、楽しく読める漫画の佐々木倫子さん。私結構好きで、よく読んでたんですよねぇ。で、本格ミステリ『○○館の殺人』シリーズの綾辻行人さんが原作で、漫画が佐々木さん?!ど・・・どんなコラボなんだろう(^_^;)、なんか凄そう(笑)。ってことで、図書館に予約を入れたこの『月館の殺人』上・下巻。いや実際、びっくりしましたわ〜(笑)。
人死にはたくさん出ますが、それでもなお面白い。しかも、ちゃんとミステリ(本格かどうかは怪しいけど)。
軽く読める鉄道ミステリが読みたい方に、お勧めです!

綾辻さんが原作ってことは、シリアスで緻密なミステリかと思いきや、上巻のラストですごい設定が判明し、下巻は山ほど出て来る死体を前に、妙に冷静&浮かれてる登場人物たちの言動によって謎が明かされていく…。これは、確かに佐々木節(笑)。
久しぶりに佐々木作品読んだけど、いいわ〜やっぱり(笑)。登場人物たちがやたらドタバタわやわやしてるのに、きちんと事態は進むし、そのわやわやだって解決への糸口だし、主人公はとぼけてるのに上手いこと事態にピタッとはまってくるし。
綾辻さんの原作がいいというのもあるんだけどね。

(上巻)
電車に乗ったコトがない沖縄の女子高生・雁ヶ谷空海(かりがやそらみ)。母が死に、身寄りがなくなったと思っていたところ、北海道にまだ見ぬ祖父がおり、会いに行くことに。北海道につき、稚瀬布(ちせっぷ)という駅から夜行列車〈幻夜〉に乗ると、それはとんでもなく豪華な寝台列車にもかかわらず、乗客は自分を含め7人だけ。しかも、筋金入りの鉄道オタクな男性ばかり。電車に乗ったコトのない空海に対し得意の知識を披露したり、頓珍漢な空海に説教したり。もしやこの中から結婚相手を選べという事なのか?とおののく空海であった。ワイワイドタバタしていた列車の旅は、真夜中に乗客の一人の死体が発見されたことから、一同は運行中の〈幻夜〉から降りることになる。
(下巻)
〈幻夜〉から降りた一同は、月館の屋敷(空海の祖父の邸宅)に到達。あちこちに飾られる、貴重な鉄道グッズに興奮する「テツ」たち。ところが月館の屋敷内には、使用人たちと空海の祖父・十蔵の死体が。とっさにテーブルの下に隠れていたメイドだけが、生存者。彼女は犯人が十蔵氏を殺した後「おまえがあいつだったのか!」と高笑いしたのを聞いたという。屋敷内と〈幻夜〉を探索する一同。その間、何かが引っ掛かる空海は、〈幻夜〉で眠っていた間に見た夢と現実での出来事の狭間から、真相探り出す。意外な犯人とその結末。
空海は祖父の財産と鉄道館を相続することになる。

いやぁ。豪華夜行列車〈幻夜〉の設定が、すごすぎる。テツの皆さんの間では常識なのかもしれないけど、素人の空海や普通の読者にはわからないよ〜(^_^;)。ていうか、十蔵氏はどれだけの財産があって、どれだけ鉄道につぎ込んでたんだろう(笑)。
そりゃ〈鉄道王(キングオブテツ)〉と呼ばれるわけだね〜。ふつう鉄道王といえば、鉄道で財を成した人物を指すんだけど(^_^;)。
十蔵氏も、凄すぎる(笑)。ていうか、テツの皆さんの鉄道への熱い思いって・・・理解の範疇を軽く超えるよねぇ・・・。
鉄道への愛が強すぎるがゆえに、常識がちょっとすっ飛んでる彼らに振り回される空海が哀れでした(笑)。

しかし、犯人意外でした。上巻の最初に描かれる転落事件の子供、全く読み間違えちゃいました〜。ナルホドね〜、あの子供がこう繋がって、しかもこうなる、と。空海のお母さんが何故極度の鉄道嫌いだったのか、は、そっちじゃなかったのね…。

死屍累々の屋敷内なのに、探索するテツの皆さんがウキウキしてるのが可笑しい(笑)。まあ、テツにとってのお宝があちこちにあるんだから、仕方ないかなぁ。懸命にお宝についてのうんちくを語り始めたり、お互いに言い争ったり、なんだかほのぼのしちゃうんだよねぇ。屋敷内、血痕だらけなのにね(^_^;)。

全てが解決し、祖父の想いを受け取った空海に、テツの皆さんは言う。
〜いいんだよ 鉄道!!〜
〜乗ろうよ 鉄道!!〜

そして、空海も彼らに応える。
〜乗ってみたいな・・・ 電車・・・ 列車・・・〜
〜〜の文は、本文より引用)
なんか、ほっこりする。・・・おかしいな?陰惨な殺戮の後のはずなのにな(笑)。
その辺が、佐々木マジックなんだろうなぁ(笑)。

ちなみに、上下巻共に巻末にある「テツ顧問による鉄道用語解説」が、細かい字で鉄道用語に対する愛たっぷりに詰め込まれてるのですが、読んでて頭が痛くなりました。テツ・・・、おそるべし現実のテツ(^_^;)。
それから、佐々木さんの「打ち合わせ三景」というあとがき漫画も面白かったです。佐々木さんの慌てっぷりとか、綾辻さんのマイペースっぷりとか、なんかいいですね(笑)。

そういえば、作品内に「テツはテツと呼ばれることを嫌がる」「テツであることを否定したがる」というのがありましたけど、そうかも(笑)。私の親戚に鉄道大好きっ子な小学生がいるんですが、彼を「テッちゃん」呼ばわりしたら、猛烈な勢いで否定されました。まあ、彼曰く「ぼくは鉄道は好きだけど、まだテツじゃない」んだそうですが。どっちでもいいとおばちゃんは思うよ(笑)。

(2013.01.17上巻01.20下巻 読了)

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