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zoom RSS 『贖罪の奏鳴曲』/中山七里 ◎

<<   作成日時 : 2013/08/04 11:36   >>

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う〜わ〜。後味悪〜い(^_^;)。
どんでん返しと言っても、スカッとしないどんでん返しですわ〜。
『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』かぁ。どんなに懸命に贖っても、人の命を絶ち切ったという罪を贖いきることは難しい、ラストまで読んで、そう思いました。
このミス大賞作家の中山七里さん、初読みです。

冒頭から、いきなりの死体遺棄。そして、かつて少年時代に御子柴が犯した少女殺害。御子柴が弁護士であること。物語はなかなかにショッキングな始まり方をする。
御子柴はダークな噂の絶えない弁護士で、彼を怨んでいる人物の存在も、事務所のプレートを割られるなどから、すぐに判明する。
現在、御子柴が国選弁護士として依頼を受けているのが、事故で意識が戻らない夫の医療機器のスイッチを、妻が故意に切ったかどうか、というもの。なぜ、あくどい依頼人から金を巻き上げ敗色濃厚な裁判を切り抜けるのが常の彼が、この事件の国選弁護士(儲からない)を引き受けたのか。

実を言うと「誰が殺人を犯したのか」は、ほぼ最初の方でわかってしまいました。手段も、正確ではないながら、想像は。
動機も、多分のレベルで予想はついたんだけど、これはちょっと外しました。プラスαの動機があったとは・・・!
更にもう一つ、殺人か事故かという事件も絡み、その厳しい裁判に御子柴は弁護士として辣腕をふるう。
裁判のシーンはとても手に汗握る展開だったけど、供述調書や裁判の判決文などはちょっと読みづらいかった…。私、固い文章は、頭に入りにくいんですよねぇ(^_^;)。

ところで、驚いたのが「前科があっても弁護士になれる」という事。確かに資格条項に「人格」はないんだろうけど。
とは言え、世間にそれがバレたら依頼人は激減するんでしょうね・・・。

かつて猟奇殺人を犯した御子柴が少年院で体験した音楽との衝撃的な出会いは、なかなか印象的な描写でした。
同じ少年院の少女が奏でるピアノソナタから迫りくる情熱と加速する明暗の嵐。残虐な殺人を犯した自分を強く後悔する日々。心通じ合う事の出来た仲間との別れ、そして仲間の死や「罪」について教官が言った「悔いたところで過去は修復できない」「自分以外の弱いもののために闘え」「罪を償うのは義務じゃない。罪びとに与えられた資格であり権利だ」それぞれが、ずっしりと重く御子柴の中に浸透していく。だからこそ、御子柴は弁護士となる。悪徳弁護士と罵られようと、己の思うところを秘めながら、常に自分の道を切り開いていく。

とは言え、やはり御子柴には共感できない。
様々な裁判を、自分に有利に進めていく手法も、常日頃からの言動も。

う〜ん、なんか難しい話になってきてしまったなぁ。ううう。
御子柴を追い詰める県警の渡瀬の執念深さは、凄かったな。コンビの古手川からは「恐ろしい古狸」と思われているけれど、やっぱり老獪な刑事というのは、迫力がある。
最終的に、御子柴の伝言を受け取り、真犯人(?)のもとを訪れて、その化けの皮を引き剥がす。
この後、この事件は、どうなるんだろう。
この物語の続編を、読んでみたいなぁと思います。
だけど、渡瀬と御子柴は手を組んだりしないんだろうなぁ。そういう想像がつくところが、またいいのだけど。

身障者が純粋ではないこともある。・・・まあ、そうなんだよね。誰もが信じたくないことだし、私も最後までその部分は疑問というか、引っ掛かりを感じてたけど。そこをちゃんと見抜いた御子柴は、本質を見抜くの力があるという事なんだろう。

罪人が罪を償うのは、贖うのは、罪人が救われたがっているから。だけど、それは一生逃げられない軛を負って生きていくという事。それでも、それに立ち向かってゆけるものだけが、いつか救われるのかもしれない。
御子柴は、まだその途上にある。

(2013.08.01 読了)

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中山七里 講談社発行年月:2011年12月 予約締切日:2011年12月21日 ページ数:292p


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笑う社会人の生活
2014/07/15 20:37

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