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zoom RSS 『白ゆき姫殺人事件』/湊かなえ ○

<<   作成日時 : 2013/09/19 13:11   >>

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冒頭に、ショッキングで目を引く事件。
週刊誌ライターの取材に、嬉々として応じる人々。興味本位と悪意は紙一重。
・・・う〜ん、湊かなえさんだなぁ(笑)。
非常にTV的ですよねぇ。
・・・と思ったら、さっそく映画化らしいですよ、『白ゆき姫殺人事件』。早いですな〜(^_^;)。

地方の化粧品会社の美人OL・三木典子が、十数か所を刺されたうえ焼かれるという、惨たらしい殺され方をした。
会社の同期OL・城野美姫が姿を消し、典子の後輩・狩野理沙子が週刊誌ライター・赤星に情報提供を始める。赤星は城野美姫を疑いながら、関係者への取材を進めていく。

まあ、あらすじを書いても面白くなくなると思うので、思うところをぽつぽつと。
え〜、まぁ〜、なんていうか、すごく湊さん的ですよね(笑)。
巡り巡り、濁りを増すちょっとした悪意や無責任な発言。それを更に、過剰に煽る形で記事にするライター。ライターに取材を受けた人々は、「まあなんて陰惨な事件」と悼むフリで、内心のほくそ笑みを垂れ流しながら、ぺらぺらと喋り散らす。
あ〜〜!人間って汚いなぁ!
なんて、喚きたくなるけど、でも。
私だって、事件の関係者となったり、取材を受けたりしたら、自重できなくなるかもしれない。
興味本位の偏った記事を読んで、真相を自分で考えずに、思い込んでしまうかもしれない。いや、しているだろう、今だって。
活字は、怖ろしい。噂話は、怖い。情報の一人歩きは、本当に怖い。

こういうところは、ホント湊さんマジックだと思うんですよねぇ。
誰しもが持っている、些細な〈厭〜な〉部分が、さりげなくクローズアップされる。
そして、「これでもか〜!これでもか〜!」と追いかけてくる。
「取り澄ましたなんでもない顔してたって、誰だって嫌な面を持ってるんだよ・・・」って耳元でねちっこくささやかれる感じが、なんともやりきれないですな。

ライターの取材相手が喋り続ける本文と、添付資料にライターのSNS(作品内「マンマロー」)と週刊誌の本文記事、容疑者の友人のSNS、新聞記事、狩野理沙子のブログがあったのだけど、添付資料の存在に気付かないまま本文を読み終えてしまいました。本文と資料を対比させながら読んでいった方がよかったのかな〜、って最初はちょっと後悔してたんですけど、逆に最後にまとめて読んで(真相も知った後で)「うぇぇ〜、なんぢゃこりゃ。この話の盛り方は酷過ぎるわ〜」という展開になるのも、また一興かもしれません。

しかしね、同じ人物のことでも見る人見る立場によって、全然違うんですよね。もちろん、そんなことは判ってるんだけど、それでもやっぱり「なんか凄い事になってる」って思ってしまった。ちょっと注目(取材)なんかされて、調子に乗って誇張したネタを披露してしまう人々のイタさも、ホント辟易する。
憶測で他人を決めつけ、無責任に非難する、「その他大勢」の醜さ。無名・匿名であることで増長するネットの住人達。
彼らに傷つけられた女性だって、真っ白ではない。
だけど、彼女は何もなかったように、日常へ戻っていくんだろうな。
でも、その日常は、前と同じものじゃない。

ところで。全くもって、個人的な感想なんですが。
殺された白ゆき姫の真実の姿って、嫌な奴だなぁ(笑)。人を貶めて自分の位置をキープしようっての、ホント私の嫌いなタイプです。人として品がないでしょう、そういうのって。超絶美人で、ソフトに微笑みつつそれをやるって、相当性格悪いよ。判っててやってるの、アリアリだもの。だけど、上っ面だけで評価する人は絶対に騙される。あ〜、ヤダヤダ。・・・あ、美人へのやっかみじゃないですよ(^_^;)。

殺された白ゆき姫と真犯人については、もうちょっと証言がほしかったかな。本人たちからの視点で見た、この事件やそれ以前のいろいろとか。まあ、白ゆき姫は、最初に殺されちゃってるから、事件そのものは無理だけど。

(2013.09.15 読了)

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白ゆき姫殺人事件(湊かなえ)
美人OLが殺され、その周囲ではある同僚に疑いの目が向けられる。同僚、同級生、地元住民とその同僚の関係者達が次々と登場し、彼女についてあれこれと語っていく。そして、当事者である疑われた同僚の独白。それに、巻末につけられた、週刊誌記者や疑われた同僚の同級生のTwitter、週刊誌に掲載された記事、そして、報道された新聞記事が参考資料として付いているという珍しい構成。 ...続きを見る
Bookworm
2013/09/20 12:36

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
映画化ですか!?湊作品は、ほとんどが映像化されてませんか。凄いですねぇ。…と言うものの、私達の大好きな有川作品も続々と映像化されてますけどね^^;次はおっさんらしいですね…。

本当に湊さんらしい作品でしたね〜。「これでもか〜!これでもか〜!」とたたみ掛けるように誰も彼もがイヤな人でした。
でも、嫌ぁ〜な気分になりつつ、面白くって一気に読んじゃうのも湊作品の魅力なんですよねぇ(笑)
すずな
2013/09/20 12:53
すずなさん、ありがとうございます(^^)。
即映像化されるのは、湊さんがTV脚本出身だからでなんですかねぇ。
湊さんの作品って、すごく映像的ですもんね。

なんて言うか、滲み・澱み・濁っていく感じが、ホント凄いんですよねぇ(笑)。湊さんて、ホントにすごいですわ。
水無月・R
URL
2013/09/20 22:10

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