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zoom RSS 『すかたん』/朝井まかて ◎

<<   作成日時 : 2013/10/04 22:29   >>

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「すかたん」って、大阪言葉だったんですねぇ。
ヤ○ターマンのド○ンジョ様の口癖「こ〜の、スカタン〜!」で聞き慣れ過ぎてて、知らなかったです。・・・ドロ○ジョ様って、大阪娘だったのね(笑)。
って、いきなり脱線しちゃいましたが、朝井まかてさんの『すかたん』、後半特に、ぐいぐい引き込まれました。
美味しいお野菜、それから上手に作ったお番菜、食べたくなりますね♪

江戸の団子屋から地方藩士に嫁入りし、夫の赴任先である大坂で夫と死に別れた知里は、江戸へ帰るための旅費と当座の生活を賄うため、ひょんなことから知り合った青物問屋の若旦那・清太郎の家に奉公することになった。
江戸と大坂の言葉や慣習の違いや、主人である青物問屋のお家さん(大旦那のおくさん)・志乃の厳しい指導など、苦労はしつつも楽しみは「食べること」。さすが大坂一の青物問屋・河内屋、野菜のお番采(おかず)が滅法旨い。店の小僧に「食べる時ニヤニヤしている」なんてからかわれる知里である。
一方の若旦那・清太郎は、「青物狂い」と言われるほど野菜については熱心だけど商売には抜けたところもあり、一本気なのはいいけど役人相手に直球勝負の交渉するなど、なるほど「すかたん」。
でもそんな清太郎が挑んだ、「百姓立ち売り」の一件と「幻の蕪復活」を通して、ワクワクしたりやきもきしたりしながら、一緒に悩み、一緒に窮地を潜り抜け、知里と清太郎の心は近づいていく。

主人公である知里が若後家だから、なかなか恋愛方向には進まないんだけど、その間に大阪の美味しいお番菜がたくさん出てきて、大変お腹が空きましたよ(笑)。誰か、こういうちょっとしたおかずを私に作ってくれないかしら。う〜ん、自分で作れと言われそうですな(笑)。でもさ〜人が作ってくれるから美味しい、ってのもあるんだよう〜。

清太郎が思ったらすぐに行動しちゃうので、知里と一緒になってやきもきしましたよ(笑)。窮地に追い込まれても、なかなか打開策が出てこなくて、なんかもう私まで胃の痛い思いをしちゃいました。つまり、かなり共感してたんですよね。個性的だけどとても現実的な登場人物たちが、とても魅力的でした。それぞれが、大切に思う物事のために、熱い思いを抱いて全力を傾ける、そのイキイキとした姿が、ホントに良かった。
清太郎の馴染みの遊女・小万も、なかなか粋な女性でしたね〜。びしっと筋の通っている情のあり方や矜持が、とても素敵でした。カッコいい女です。

知里が志乃に言われて裏庭の畑の手入れをしてる時、偶然交配させて作ってしまった丸大根が、まさかの「幻の蕪」だったとは…!「どっちも美味しかったから、一緒に植えた」っていうのが、食いしん坊ゆえの逆転発想だったんですねぇ。
騒動も一段落し、総左衛門と志乃のお供でその丸大根の初競りに出かけた知里は、無事に終わった競りのあと、段上の清太郎から声をかけられる。
「そこの江戸のお人っ」「大坂はな、青物が旨いんやっ」「悔しかったら江戸なんかに帰るな、墓参りには俺が一緒に行ったるっ」
周りもへたれだなんだと野次を飛ばしつつ、祝福ムード。
更に総左衛門と志乃の
「屋敷の裏の畑は御寮人さん(若旦那の嫁)が世話するしきたりやなかったか」「そういえば、そうだしたなぁ」
なんて、のんびりした会話まで聞こえてくる。
いい雰囲気のラストですね〜。
志乃の深謀遠慮には、すっごい驚いたけど(笑)。こうなることはお見通しだったのかしらん。

ところで、ヘタレって「屁たれ」なんですかね・・・うわぁ〜、なんかイメージが(笑)。
いやぁ・・・私の好きなヘタレは断じて屁たれではなくてですねぇ、へにょっとしててちょっと情けない感じだけど愛嬌があるとか、そういうの…って私、誰に言い訳してるんだろうね(笑)。

あ、そうだ。たいてい江戸時代の小説って言うと、舞台は江戸の街なんですが、この作品は大阪。珍しいですよね。江戸とはまた違った大坂の活気とか、大阪商人の心意気みたいなものが、大変面白かったです。
知里が最初の方で言ってた「大坂の江戸への張合いは独り相撲」は、ちょっと私も思います(笑)。いや、大阪のことは相手にしてないとか、そう言う意味ではなくて。なんでそんなに、敵愾心もあらわに張り合おうとするんだろう〜っていう、ねぇ(笑)。

(2013.10.03 読了)


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すかたん(朝井まかて)
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2013/10/07 13:34

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
コメントがすっかりおそくなってしまいました。すみません;;;

出てくるお料理が美味しそうでお腹がすいちゃいましたよね(笑)でも、誰かが作ってくれるのが美味しいんですよね!私も「自分で作れ」って言われそうですけど^^;
ワクワクドキドキしましたねー!そして、知里と若旦那にはジレジレもしました(笑)最後はなんとかまとまってくれてホッとしましたよ〜。
すずな
2013/10/08 12:44
すずなさん、ありがとうございます(^^)。
いえいえ、お気になさらず♪

はい〜、自分じゃなくて、他の人が作ったのがいいんですよネ(笑)。
結構、入れ込んで読んじゃいました。
ホントに面白かったです〜。
水無月・R
2013/10/08 22:45
はじめまして、こんにちは。
つい先日すかたんを読んで、とってもハマってしまって、大好き!と思って、他にも思ってるひといるといいな、と思って検索しててこちらに辿り着きました。

感想のひとことひとことに、あっわたしもわたしも!と頷いてしまいました。どんなに好きでもあんまり自分の想いをうまくことばにまとめれないので、代弁してもらったような気持ちになり、
思わずコメントさせていただいてしまいました。

朝井まかてさん、最近読み始めたばかりで、(花競べで面白いなあと思い、でもちゃんちゃらになかなかハマれずまだ途中なのに挫折…してたんですが、
すかたんが、大好きな村上豊さんの表紙絵で、文庫の新刊コーナーに並んでたこともあり、帯のコピーにも惹かれて購入)
まだこの3作しか読んでないんですが、また好きな作家さんが増えてうれしいです。

そして同じように好きだと思ってる方の感想に出会えてさらにうれしいです。
ありがとうございます!
くに
2014/06/11 15:42
くにさん、ありがとうございます(^^)。
そして、ようこそいらっしゃいました〜!

えぇ〜、そんなに褒めていただいちゃうと、嬉しくなっちゃいます♪
でも、ホントに面白かったですねぇ。作中の人々と一緒になって、すごくやきもきしました。

朝井さんの作品、面白いですよね。私もまだ、なかなか読めないんですが、「好きな作家さんの作品がまだある!」と思って楽しみにしてます(笑)。

お互い、これからも読書を楽しみましょうね♪
良かったら、また遊びに来て下さい。
水無月・R
2014/06/11 21:53

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