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zoom RSS 『Another エピソードS』/綾辻行人 ◎

<<   作成日時 : 2014/01/28 15:12   >>

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『Another』で、合宿前に1週間ほど夜見山市から離れていた見崎鳴が、海辺の町で〈幽霊〉と出会い、体験したこと。
『Another エピソードS』で、もう一人の主人公・榊原恒一は、鳴からその夏のエピソードを語り聞かされる。
綾辻行人さんらしい叙述トリックに、最後の最後まで、騙されていました〜!

前作『Another』でも、繰り返す不条理な〈災厄〉の物語に震撼させられたのですが、今回は〈災厄〉そのものではなく、過去に〈災厄〉に関わったものが〈幽霊〉として現れる、という物語でした。

見崎鳴は、避暑で訪れた海辺の町外れの〈湖畔のお屋敷〉で、両親の知人の弟「賢木晃也」と再会する。しかし彼は春先に、自宅である屋敷で転落死しており、本人は「賢木晃也の幽霊」だと言う。その死の前後の記憶が曖昧なまま、現実に戻ってきた彼は、他人からも見えず、鏡にも映らない。しかし、眼帯を外した鳴には彼が見え、会話をすることが出来た。
現実と虚ろな暗闇を行きつ戻りつしながら、彼は「どこかにあるはずの自分の死体」を探し続けている。見つけることが出来れは、「きちんと死んだ者」として「自分より前に死んだ者たちと繋がれる」と信じて。
鳴と会話しながら、少しずつ「記憶」を取り戻していく彼。
そして、たどりついた屋敷の地下室の隠蔽された部屋で、とうとう「賢木晃也の死体」を発見する。腐乱したその死体を前に錯乱する彼を、鳴は救出する。そして、真実を彼に認めさせる。

いやぁ、綾辻さんにすっかり騙されました〜。
確かに、結構最初の方であれ?って思ったりもしたんですけど、つい展開が気になってそのまま流しちゃったんですよね。そしたら、あっさり最後まで騙され続けちゃった。

最終章「Outroduction」で謎解かれる事実。
鳴に見えるのは、〈幽霊〉ではなく「死の色」。
賢木晃也がかつて所属した「夜見北中学3年3組」での〈災厄〉の「死者」の存在。もしかしたら、そこに「死者」が写っていたかもしれない、賢木晃也の中学時代の集合写真。
そして、晃也の甥・想から届いた手紙と、その差出住所。
榊原恒一が感じる、重低音の耳鳴りのような頭痛のようなもの。
〜〜 ・・・ずん、ずぅぅぅん   〜〜
〈夜見北中3年3組の災厄〉は、また起こってしまうだろうという予感を残して、物語は終わる。

絶対、〈災厄〉は来る。必ず、想はそれに巻き込まれる。その時、「死の色」が見える鳴は動くのか。
次の『Another』への期待と怯えを半々に「あとがき」を読むと、さらなる続編の構想(妄想?)がいくつかある、と綾辻さんは記している。
1つだけじゃないんだ・・・。こ、怖いな。
理不尽に畳み掛けられる〈災厄〉は、やはりまだ、続く予定なんですね・・・。

(2014.01.28 読了)

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