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zoom RSS 『ガソリン生活』/伊坂幸太郎 ◎

<<   作成日時 : 2014/02/16 11:31   >>

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先日の『聖なる怠け者の冒険』に引き続き、実は本作『ガソリン生活』も、新聞連載時に読んでました。
こちらも加筆修正はありましたが、「え?全然違う話じゃん!」ってことはなく(笑)。
望月家の愛車、緑のデミオが遭遇した、驚きの連続の事件、とても楽しく読みました。伊坂幸太郎さんらしい、伏線がたくさん、会話が軽やか、気持ちよい読書タイムとなりました♪

新聞連載当初、「車が自我を持って喋ってて、車同士で情報交換したりしてる」っていう設定を、「そういう小説を書いてる人がいて…」だと思い込んで、いつになったら著者に視点が変わるんだろう?って思ってたことを、ふと思い出しました。
それぐらい、車の感じ方に共感出来ちゃったんですよねぇ。
ビックリしたら「ワイパーが動きそう」とか、ドキドキワクワクすると「エンジンのピストンの動きが激しくなりそう」とか、人間と似たような反応なのに、車特有の反応になるのが面白い。排気ガスの届く範囲で会話できるとか、自転車の言語は理解できないけど、列車の言ってることは判っててそのスピードに尊敬の念を抱いてるとか、なるほどねぇ、なんて思ってしまう。
もしかしたら、うちの車も、隣の車と会話したりしてんのかしら(笑)。

仙台在住の有名な女優・荒木翠がトンネル事故で死亡。その数日前に、偶然彼女を乗せた望月家の長男・良夫と次男・亨は、その事故の記事を書いた記者に会うことになる。長女・まどかの交際する江口さんがトラブルに巻き込まれ、併せて望月家もその渦中に。一家の危機を救ったのは、隣人の細見氏と記者・玉田であった。
その後、玉田と亨のやり取りを通して、読者は有名人の死の真実を知ることになる。
そして、10年後。中古の緑のデミオに乗って現れた亨。緑のデミオは隣のカローラに「やあ、ザッパ、ひさしぶり」と声をかけていた。
久しぶりに集まった望月家の並んだ車のナンバーが「お、し、ま、い」(「し」は幼児の「つ」の読み間違い)になっていて、物語は終わる。

しかし、小学生の亨君、非常にクールですねぇ。ウチの小学生もわりとクールな子ですが(笑)、ここまで落ち着いてないし、この頭の良さは凄いねぇ。自分に対するいじめ封じに、記者の玉ちゃんにバーターを申し出ちゃったりするんだから。
亨もいいなぁと思ったけど、案外いいキャラしてるのが長男・良夫です。妹には小馬鹿にされることもあり、亨にもちょっと見くびられてる感はあるんだけど、家族の危機には頑張って立ち向かう。なんだかんだ言って、望月家の重要なところを抑えてるんだと思いますね。お母さんもさりげなく頼りにしてると感じましたし。なんといっても、名は体を表す、で「良夫=グッドマン」ですもんね♪

この作品はもちろん、語り手が緑デミなんだけど、家族の物語だと思うんですよね。色んな事態に巻き込まれながらも、家族で立ち向かって、揚句にはみんなで捕まっちゃったりするんだけど、でも周りの人に助けられたりしながらちゃんと家族の関係がより強くなっていく。
そして、緑デミもちゃんと家族の一員として、望月家に認められてる気がする。もちろん車だから、ちょっと違うのかもしれないけど。でも、素敵ですよね。

有名人の死の秘密、ひどい悪人のトラブルに巻き込まれた望月家の人々、車たちの会話、色々なことが起こるんだけど、たくさんの伏線がきちんと回収されて、物語のラストにきちんと収まるところへ収まっていくのが、ホントにすごいですな。さすが伊坂さん。
そして、最後の最後に中古のデミオが登場。ああ…いい話だなぁって、なんかすごくジーンとしました。

(2014.02.14 読了)

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伊坂幸太郎 朝日新聞出版発行年月:2013年03月07日 予約締切日:2013年03月05日 ページ


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ガソリン生活 伊坂幸太郎
ガソリン生活著者:伊坂 幸太郎朝日新聞出版(2013-03-07)販売元:Amazon.co.jp オススメ! 大学生の望月良夫は愛車のデミオ運転中に偶然会った女優の翠を目的地へ送り届けることに。 だが ... ...続きを見る
苗坊の徒然日記
2014/02/16 14:22
ガソリン生活(伊坂幸太郎)
面白かったーーーーっ! 面白くって一気読みしちゃったんだけど、読み終わるのが勿体無いくらい面白かった。「あぁ、伊坂さん、好きだなぁ・・・」と改めて思った作品でした。 ...続きを見る
Bookworm
2014/02/25 12:47

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは^^
本当に素敵な作品でした。
車目線って斬新で、自分が乗っている車は私のことをどう思っているんだろうって思いました^m^
新聞で連載していたんですね。
私はどうも毎日見るという習慣がなくて忘れちゃいます^^;
苗坊
2014/02/16 14:21
苗坊さん、ありがとうございます(^^)。
私も、かつて乗っていた軽自動車はきっと〈こいつ、いつまでたっても運転下手だなぁ…〉って思われてたんじゃないかと、ちょっと(笑)。
新聞連載は、毎日次の日へのヒキが必要で、ストーリーが細切れになりがちなので、やっぱり単行本化してからの方が読み応えがありますねぇ。
水無月・R
2014/02/16 22:54
車が主人公と言う設定や、いろんなことが起こるのに最後にきっちり回収されちゃうところなど、まさに伊坂作品!という一冊でした。本当に面白かったです〜♪
読みながら「私の車はどう思ってるのかしら・・・。きっと・・・^_^;」とちょっと凹んだりもしたのでした(笑)

新聞連載は読み続けるのになかなか苦労します;;;よーく挫折してしまってます^_^;
すずな
2014/02/26 12:52
すずなさん、ありがとうございます(^^)。
やっぱりこの作品読むとみんな、「自分は車にどう思われてるんだろう」って思うんですね(笑)。
新聞連載は、読むの挫折しそうになりますよねぇ(^_^;)。
水無月・R
2014/02/26 22:54

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