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zoom RSS 『天王船』/宇月原晴明 ◎

<<   作成日時 : 2015/01/08 19:41   >>

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わぁ・・・。やっぱりいいなぁ、宇月原晴明さん。
歴史と幻想が美しく織り上げる物語、酔いしれました!
本作『天王船』が、未読の『黎明に叛くもの』の外伝的短編集であることは知っていたのですが、あえて外伝から読むことにしました。
退廃と陰影に彩られた4つの物語、大変堪能致しました!

「隠岐黒」
暗殺組織に属する少年と、傀儡(くぐつ)の出会い。
「天王船」
若き信長が祭りで見た、煌びやかな船。
「神器導く」
秀吉中国大返しの真実。
「波山の街 ‐『東方見聞録』異聞‐」
マルコ・ポーロの使命と波山の信仰。その顛末。

「波山の街 ‐『東方見聞録』異聞‐」のマルコ・ポーロは、『安徳天皇漂海記』のマルコ・ポーロと同一人物でよいのだろうか。だとすると、このマルコはなんと奇特な体験をし続けたことだろうかと、感嘆。

「神器導く」の小早川隆景と秀吉の交流、そして光秀から秘かにもたらされた物と、それを用いた者、その結果。なんだか非常に納得しましたね。本当にこういう史実があったんじゃないかって気にすらなりました。ホント、宇月原さんて歴史に伝わる断片的な史実に幻想を絡めて物語にするのがうまいなぁ〜、と思いますね。

どの物語にも、自ら動く「球体関節人形の傀儡(くぐつ)」が出てきます。
実は水無月・R、この球体関節人形というモノが、とても怖いのですよ。
大抵、少年とも少女ともつかない美しい容貌をしているのだけど、常にその表情から漂う異界感、周りを吸い込むかのような静かなブラックホールの如き印象があり、怖くてたまらない。正直、写真ですら、あまり直視できないほどに。
そんな怖れて余りあるソレが正確無比な殺人舞踏を繰り広げる「波山の街 ‐『東方見聞録』異聞‐」のクライマックスは、とてつもなく妖しくも美しく凄惨な情景が見えてしまう描写が怖ろしくて、夜読めなくなって翌日に回してしまったほどです。しかも、この人形、誰かが操っているようにも見えず、かといって生きているわけでもなさそう。
4編の人形は同じもの?「神器導く」では手のみだけだったけど、多分同じじゃないかと思います。
他の宇月原作品にも出てくるのかしら。う・・・怖いな。でも、読みたい。気になります。

というわけで、これから宇月原作品が〈読みたい本リスト〉に並ぶことになるわけですが、ここのところ、なかなか読書に集中できず、リストは長くなるばかりです(^_^;)。特に宇月原さんの作品は、重厚で緻密で、読むのに根性がいるからなぁ(笑)。でも、ゆっくりでもいい、一つ一つ愉しんで読んでいきたいと思います。

(2014.12.12 読了)

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