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zoom RSS 『機巧のイヴ』/乾緑郎 ◎

<<   作成日時 : 2015/03/26 22:49   >>

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江戸時代のような設定の世界の、天府(将軍のいる都市)。十三層の巨大遊郭のあるその街で、機巧師・釘宮久蔵とその屋敷に住む伊武という女、そこへ出入りする元・公儀隠密・田坂甚内、彼らの迫る秘密とは・・・・。
新聞の書評か何かで見かけた乾緑郎さんの『機巧のイヴ』、ミステリーに分類されるそうですけど…、え?ミステリー?
どっちかって言うと、スチームパンク的なSFのような・・・ああ、でも「神代の神器」とか天帝家の秘密とか、その辺がミステリーと言えばそうなのかな〜。

私は、伊武や伺見(うかみ=天帝家に仕える忍)の春日の健気さが、そして機巧人形(オートマタ)の精巧さと感情があるかのような言動が切なくて、彼女たちが幸せになってくれればいいなぁ〜、とずっと思いながら読んでました。
しかし、機巧ってすごいですねぇ。本物の生身の人間と区別がつかない。普通にお風呂屋さんに行っても、誰も疑わないんですもん。それを作るには、相当の技術が必要だし、お金もかかりますよね…。AIとか搭載してるのかなぁとか・・・。
いや、そういうこと気にするなんて、俗すぎますかね(-_-;)。

いやぁ、でもねぇ、伊武が可愛いんですよ。すんごい可愛いんです。
「いつか人になりたい」とお百度参りを続けていたり、愛した男が込められている箱と日向ぼっこしたり、もうホント…可愛いよ〜!
そして、釘宮久蔵も田坂甚内も伊武に夢中なのに、伊武は意に介さず(というより気づいていないんだな、多分)天徳(故あって機巧の箱に込められている相撲取り)だけを思っていて、さらりとかわして甚内に「いつか甚内様が腕を上げたら、天徳様の体を作って欲しゅうございます」なんて言う。

いつまでも、若いままの伊武。それは、伊武が機巧人形だから。機巧人形は人ではないから。
でも、〈ひと〉と〈機械〉の境界線はどこにあるのだろうか。物語の中で、機巧人形たちは〈心〉を持っていて、それゆえに揺らぐことも迷うことも、涙することすらあった。
以前読んだ菅浩江さんの作品群には、〈ひと〉と〈機械〉の狭間を揺れ動く心優しく暖かい存在の物語がたくさんありました。
〈ひと〉と〈機械〉には、物理的な境界は確かにあるけれど。
存在そのものには、確かな違いはないのかもしれない、そんな風に思いました。

伺見の春日も、私好きだなぁ。ブレがない。そして強い(戦闘力的に)。カッコいいですわ〜こういう女性。春日が仕える相手もまた、深い度量を持っていて、凛として美しい、と思いました。

実は、読了したのは数日前なのですが、ずっとどう書いたらいいか、書いては消し書いては消しを繰り返してしまい、何とか無理やり仕上げました。
何を書いたらいいのか、どう伝えたらいいのか、迷いに迷いました。
そして、結局書き上げはしたけど、なんだか全然伝えきれてないなと感じます。
でも、これ以上は書けないと思い、中途半端ではありますが、これにて終わりと致します。

(2015.03.22 読了)

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乾緑郎 新潮社発行年月:2014年08月22日 予約締切日:2014年08月20日 ページ数:285


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