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zoom RSS 『鬼談』/京極夏彦 ◎

<<   作成日時 : 2015/07/21 22:22   >>

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怖くて、厭な人だなぁ、京極夏彦さんて。
鬼は鬼でも、角が生えてて虎皮のパンツをはいてる鬼じゃなくて、人との境目が薄れた先にいる、人ならぬものであり人から成ったもの。
そんな鬼の物語が9つも並んでいる。
それぞれに、「鬼」の基準が違い、それでも「鬼」だと判る。
怖ろしきは、鬼か。怖ろしきは、人か。
そんな『鬼談』

「鬼交」
部屋に、入ってきた何か。ぞわぞわ。ぞわぞわ。
「鬼想」
心は、体よりずっと丈夫だから・・・。
「鬼縁」
人は鬼になったか、もともと鬼だったか。
「鬼情」
京極版「青頭巾」。
「鬼慕」
京極版「吉備津の釜」。
「鬼景」
通い慣れた通りに見知らぬ家。気づかないことにする。
「鬼棲」
入れない部屋のある屋敷。いつまでも同じ外見の伯母。
「鬼気」
顔を半分隠した女が付いてくる。
「鬼神」
因業は、鬼。

京極さんで、『雨月物語』が読めるとは、思いませんでした。
感激。
「青頭巾」の解釈が、素晴らしかったです。徳高き僧侶の最期が、そういう事だったとは。最初からずっと続く問答も、実は伏線。鬼は、鬼。それを超える鬼もまた、鬼。鬼は、見えぬ。鬼は、いない。
「吉備津の釜」もまた、幽鬼が正体を現してからの、畳み掛けるような語りが怖ろしく、切なく、そしてやはり情が深すぎる。
是非、京極版「浅茅が宿」も読んでみたい。ずっと待っていた妻、帰ってこれないと言い訳して帰ってこなかった夫。京極さんがどう解釈するか、どんな鬼を描くのか、気になります。

他の『○談』シリーズとちょっと一線を画してるのかな、という気がします。今までのは、殆ど【投げっぱなしホラー】でしたが、今作は解釈は人それぞれだろうけど、それなりのラストが待っていて、大抵それは後味の悪い終わり方。人は鬼で、鬼は人。その境目や定義はそれぞれの物語によって少しずつ違ったような気がしました。

「鬼縁」、最初二つの物語だと思わず、混乱しました。別の時代の二つの物語だと判ってからも、どうつながるのかビクビクしていました。
そして、落ち切らないオチに、ぞっとする・・・。反対の腕。斬るべき対象。違っていたとして、こう落とされるなら。
「鬼棲」の伯母は、屋敷そのもの・・・。
「鬼気」は、まさに鬼気迫るラスト。真似、なんだ。怖ろしい。

いやいやいや…。様々な鬼を堪能しました。ううん、堪能、って言うとちょっと違うな。
どの鬼も、人であり、鬼であり、その境界は、あいまい。
見えないから怖い。わからないから怖い。そこにいるかもしれないから、怖い。
・・・いかにも、京極さんだよなぁ(^_^;)。

(2015.07.15 読了)

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