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zoom RSS 『オーブランの少女』/深緑野分 ◎

<<   作成日時 : 2015/09/27 14:37   >>

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美しい庭園・オーブランで惨殺された、管理人の老女。彼女やその妹、殺害者、の正体を記したのではないかと思われる記録。彼女らが少女だったころ、この館で何が起こり、何が真相だったのか。
深緑野分さんの鮮烈のデビュー作、『オーブランの少女』
少女にまつわる謎と、その存在の切なさ強さ恐ろしさを色彩豊かに描いた作品でした。

〈少女〉というと、私の読書体験の中から思い描くイメージは、繊細でいてしたたかで、それでいて常に生き辛さと戦う存在、です。
本作に出てくる少女たちも、いつも何かと戦っていました。その身を追い詰める何か、閉塞感、生き辛さ・・・。
どの少女も、鮮やかに描かれていました。

デビュー作だという「オーブランの少女」の、真相を追って語られていく展開が、凄かったです。全然想像がつかず、何故彼女たちがオーブランに集められたのか分かったところで、切なくなりました。
しかも、守るために彼女たちを集めた人の、狂気。少女二人の決死の逃走、そして冒頭の美しい庭園へと物語は廻っていく。
悲惨な過去の上に成り立った、美しき庭園。管理者二人を失ったこの庭園は、今後どうなってしまうのだろう。

本作は様々な〈少女〉の切なさを描いた短編集ですが、異色なのは「大雨とトマト」かな。最初は物語の意味がよく判らなくて、注意力散漫なまま読んでいたのですが、店を出た少女を追って行った男の言葉で真相に気づきました。この後、この少女や周りの関係者たちがどうするのか、いったいどんな会話するのかと思ったら、あまり気分は良くなかったですね。

逆にラストが素晴らしかったのが、「片想い」。つかみどころのない美しい同室の少女・環を思う、大柄な薫子。環の秘密を知った薫子は彼女を守ると決意し、環もまた自分の意志を通すことを心に決める。明るく広がっていく未来が見えて、良かったです。

ゴシックテイストたっぷりの「仮面」も、中世北国の厳しさを描いた「北の皇国」も、共に雰囲気たっぷりで素晴らしかったです。
是非、次はそんな雰囲気たっぷりの長編を、もちろんお題は〈少女〉で、読んでみたいと思いました。

(2015.09.26 読了)

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東京創元社・ミステリ・フロンティア 深緑野分 東京創元社発行年月:2013年10月 ページ数:260


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