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zoom RSS 『我が家のヒミツ』/奥田英朗 ◎

<<   作成日時 : 2015/12/13 10:44   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0

いやぁ、ほっこりしましたわ〜。うんうん、良かったです、ホント。
この忙しない師走に、この『我が家のヒミツ』を読めて、大変心安らぎました(笑)。毎日、時間を見つけてはむさぼるようにして読みましたとも!
どの物語もいいけど、やっぱり奥田英朗さんの『家』シリーズときたら、「妻と○○」の大塚家ですよね〜♪この家族、大好きです(*^_^*)。

「虫歯とピアニスト」
歯科医院の受付の主婦の悩みと、歯科医院を訪れるピアニスト。
「正雄の秋」
昇進レースから外れてしまった男の逡巡と気づき。
「アンナの十二月」
名前も顔も知らなかった実の父に会いに行く女子高生。
「手紙に乗せて」
家族の死と周りの受け止め方。
「妊婦と隣人」
隣に越してきた夫婦はなんだか怪しい…?
「妻と選挙」
妻が、市議会議員選挙に立候補するという。

どんな家庭にも、大なり小なり問題やヒミツがあったりして、それをそっと取り上げて描く本作。
くすりと笑えたり、しんみりほっこりしたり、ゲラゲラ大爆笑したり、ドキドキと緊迫してみたり。
ホントに、楽しいというかなんというか、よかったです。
何気ない、フツウの家族に訪れる変化と、その過程や結果が心優しい目線で描かれていて、安心して読めました。

「妻と選挙」は別格として、気に入ったのは「正雄の秋」かな。
昇進レースに敗れ、自分の心情を見つめなおしたり、状況の変化を身をもって体験したり、自分に勝った同期に悪感情を抱いたりする正雄。
でも私、正雄の気持ち、わかります。自分は結構ちゃんとやってきたし、ちゃんと評価されてると思ってたのに、最後にキライな奴に抜かれてしまう。周りも自分に同情しつつも、あちらへと流れは変わってしまう。もやもやする・・・。
でも、そんなキライな奴にも、故郷があって親戚がいて家族がいて、大事にされてるし大事にしている。
それを理解できたら、なんだかほっとして温かい気持ちになれる。素敵なことだなと思いましたね。

「妊婦と隣人」も面白かったです(笑)。
産休中で、ちょっと暇な妊婦・葉子。お隣に越してきた夫婦が全然外出しないとか、荷物も届かないとか、なんだか怪しい〜、と気になって気になって。だけど夫は考え過ぎだという。思い余って、団地の管理人に相談したり、挙句の果てに交番にも。ところが、後で「どうでした?」と聞きに行くと、お巡りさんはそっけない。そして隣の夫婦は、ますますコソコソしている。
途中で、隣の夫婦はアレかな?って思いつき、だとすると夜中に夫婦をつけ回している葉子がとても心配になってたら、案の定というか予想以上に派手な展開に。幸いにして、巻きこまれることなくその場を追い出された葉子。
危険な場に乗り込もうとするたびに、おなかの赤ちゃんがちょっと暴れるというのが、なかなか素敵。赤ちゃんは、お母さんの身に何か起こるのが、予測できるのかしら?!超能力ね(笑)。生まれる前から、しっかり母子の絆が出来ましたな♪
ちなみに、私だったらまあまず夜中に尾行とかしませんが(笑)、「見てしまったこと」については、夫に話しちゃうだろうなぁ(^_^;)。
黙ってられない性分で(笑)。

ホント、どの話も面白かったり、ちょっとしんみりしたり、ほっこりしたりして、とてもよかったんですが、やっぱり大塚家の「妻と選挙」が一番よかったです。
なんかもう、大塚家は私の親戚か、ちょっと年の離れた友人夫婦か、そんな感覚(#^.^#)。
よく読む〈作家が主人公〉な物語って結構、作家本人がエキセントリックなのが多いのですが(笑)、大塚康夫は常識人で家族も大切にする、いい人です。
今回、双子の子供たちは大学生になり、一人は京都で一人暮らし中、康夫本人の作家活動はちょっと停滞気味。ボランティアをしている妻が、NPO仲間に進められて、市議会選挙に立候補すると言い出した。
最初は傍観してた康夫だが、妻の頑張りがなかなか実を結ばないのを見て、少しだけ協力・・・がどんどん一緒に活動するように。康夫の応援演説には、ちょっとほろっと来ました。もちろん、その後の家族そろってもドキドキぶりも。いい家族だなぁ。なんだかんだ言っても、すごくいい家族だわ〜。
もう大塚康夫先生は、犯罪小説(あまり人気出てない)書くの止めて、「妻と○○」シリーズを書いたらいいんですよ!アットホームな《井端さん一家シリーズ》がN木賞受賞作なんだし、暖かいユーモアと家族愛溢れる物語、きっとヒットすると思うな〜♪
しかし、大塚家の奥さん・里美さんて素敵な奥さんだなぁ。夫の作家活動がマンネリ化したり、家族が求心力を失いかけたりすると、何かしらアクションを起こして家族をきゅっとまとめる。しかもそれは意識してない行動なんだから。
是非、この実は家族の立役者な奥さんを中心とした、大塚家の物語の続きを読みたいです。子供たちが巣立ちしたら、結婚したら、孫が生まれたら。大塚夫妻はどんなことに出会うのか。大塚康夫の作家活動の行方は。
とっても気になります。奥田さん、ぜひ続編を!

(2015.12.10 読了)

我が家のヒミツ [ 奥田英朗 ]
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奥田英朗 集英社発行年月:2015年09月25日 予約締切日:2015年09月18日 ページ数:27


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