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zoom RSS 『凍りのくじら』/辻村深月 ○

<<   作成日時 : 2016/01/06 15:50   >>

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『ハケンアニメ!』がとても面白かったので、今年は辻村深月さんの作品を少しずつ読んでいこう思っています。
まずは本作『凍りのくじら』(文庫の帯に読む順番が紹介されててその1冊目でした)。
読み始めは主人公・理帆子に共感できなくてちょっと辛かったのですが、読み進むにつれ先が気になり、読み終えたときはちょっと放心してしまいました。

理帆子が何となく流して生きている感じはそんなに拒否感なかったんですけどね、元恋人・若尾とのやり取りが危う過ぎて、イライラを通り越して説教したくなっちゃったんですよねぇ。案の定、ラストにはあんなことになっちゃうし。私、若尾みたいな奴は嫌いです。正直、関わり合いになりたくない…。
「若尾がどうなるのか眺めていたい」だなんて、どうして理帆子は危険は自分に及ばないと思い込めるのか。考えが甘すぎる。そこはホント、納得できなかったです。

父は5年前に闘病の末失踪、母も余命わずかで入院中、なんとなく現実とのつながりが薄くなって、高校生活も一歩ひいて教室内を眺めているような理帆子。ある日知り合った上級生・別所は、理帆子に写真のモデルになってほしいと申し出る。別所を介して知り合った小学生・郁也は、父の友人の庶子で、とある時期から口がきけなくなっている。元恋人・若尾から連絡があれば、ズルズルと電話に出たり会ったりしてしまうが、それは未練ではなく若尾の変貌を眺めていたいという冷たい感情から。
いくつもの出来事が重なって、郁也を救いに行った理帆子は、何故かそこで別所と会う。そして、別所の真実に気づき、郁也にも「助けを求めていいんだよ」と言いながら、それは自分に向けた言葉であることにも気づく。
そして、光に照らされる。

母が依頼されて構成した父の写真集を理帆子が眺めているシーンの辺りから、いろんな感情に揺すぶられて息苦しくて、たまらなくなりました。
父と母の思い、愛情。若尾の電話と、その後の行動。若尾が郁也に何をしたのか。郁也を探して山に入る理帆子。郁也を見つけた場所に別所が現れ、山を下りながら会話する。別所の真実。理帆子の思い。
息を詰めて読み、そして心が温かくなりました。

ドラえもん、あんまり詳しくないんですが、作品中に出てくる道具や設定はちゃんと解説があって、見たことない物もなんとなく想像が出来ました。・・・実を言うと、子供の頃は「ドラえもんがのび太を甘やかしてダメにしてる」って、思い込んでて、あまり好きではなかったんですよね。
でも、そうじゃなかったって、大人になってから理解しました。確かにいろいろ便利な道具が出てくるし、のび太はそれを使ってズルをしたりするんだけど、でもそうすることから色々学んでる。ズルはいけないとかそんな単純なことだけでなく、便利さと引き換えに失うものがあること、周りに優しくすること、自分を他の人を大切にして生きること。他にもいろいろ。
きっと辻村さんは、とてもドラえもんが好きで大事にしてるんだろうな。とても、いい物語でした。

(2016.01.06 読了)

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは^^
そういえばこの作品、辻村さんの作品で初めて読んだ本でした。
ドラえもんの道具が章ごとに書かれていて、なかなかマニアックなものもあって、さすが辻村さんだなと思いました^^
理帆子の事をわたしも最初は好きになれませんでした。若尾をずっと気に掛ける意味も分からなくて。
最後はどうなることかと思いましたが何とかなって良かったです。
苗坊
2016/01/06 21:31
苗坊さん、ありがとうございます(^^)。
理帆子が達観してるのにひどく無防備で、すごくざわざわした気持ちになってしまいました。
なので、山の中で郁也と自分に投げかけた言葉で救われたことに、安心しました。
水無月・R
2016/01/06 21:49
若尾とのやりとりには私もイライラヒヤヒヤしました。途中で、甘すぎじゃー!と説教したい気分にもなりましたよ^_^;
ドラえもんの道具が効果的に使われていたのも印象的でした。水無月・Rさんと同じくあんまり詳しくなかったんですけど、想像しやすかったですよね〜。
この作品を読んで、益々、辻村さんが好きになりました!
すずな
2016/01/08 12:52
すずなさん、ありがとうございます(^^)。
ホント、お勧め頂いて読めてよかったです!
辻村作品は3冊目ですが、ハマりそうです〜♪
リンクがいっぱいあるみたいで、その辺も楽しみですね。
次は、『スロウハイツの神様』を図書館で予約しました(*^^)v。
水無月・R
2016/01/08 17:52

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