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zoom RSS 『日本文学全集 11 (好色一代男・雨月物語・通言総籬・春色梅児誉美)』/池澤夏樹編集 ○

<<   作成日時 : 2016/10/07 19:33   >>

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円城塔さんの「雨月物語」を読みたくて、図書館で予約をした『日本文学全集 11 (好色一代男・雨月物語・通言総籬・春色梅児誉美)』
浮世草子・読本・洒落本・人情本の4ジャンル、年代もばらばらの四作。もちろんこれで江戸文学を網羅しているとは言い難いのですが・・・。

以前にも書いたことがありますが、私が学生時代に一番、真面目に取り組んだのが『雨月物語』。
先日読んだ『ハーモニー』を含む3部作の最終編、『屍者の帝国』を、もとの作者の伊藤計劃さんから書き継いだのが円城塔さん、ってことで、ではその円城さんが描く「雨月物語」ってどんなだろう?という流れでの予約。受け取ってビックリ、けっこう分厚いです(笑)。
「雨月物語」以外は、部分的に読んだことがあっても、あらすじをぼんやり知ってる程度だったので、腰を落ち着けて読んでみることにしました。

で・・・。しょっぱなで挫折したという(^^;)。
いえね、どうも私「江戸文学でいう粋(特に色事)」が、ホントに馴染まないんですわ。「好色一代男」(島田雅彦訳)の世之介の女性遍歴が、全く面白くない。読んでてイライラしちゃう。世之介が二十歳になるまでは頑張って読んだのですが、まだあと40年分もあるかと思うと耐え難く、飛ばしてしまいました…。

「雨月物語」(円城塔訳)は色事はないので、安心して幽玄の果てを彷徨ってきました。
「朝茅が宿」の待つ者、待たせた者、見守った老人、切なさが胸に迫りましたし、「吉備津の釜」の凄惨な終わりにはやはりぞっとさせられました(でも自業自得と思いますよ)。「青頭巾」の妄執と一瞬にして消え果た儚さも、幻想的でした。

「通言総籬」(いとうせいこう訳)は、色事系なので〈読めるかしらん…〉と少々不安だったのですが、まあ、読めました。たぶん、主人公?のえん次郎が通を気取っても、花魁たちにバカにされてるのが小気味よかったからじゃないでしょうか(笑)。ただねぇ、本文より注釈の方が容量多いってのはどうなんでしょうか(^^;)。読んでる最中にちょくちょく、注釈と行きつ戻りつ、ちょっと疲れちゃいました。

「春色梅児誉美」(島本理生訳)はこれまた、「ダメ優男たち」に尽くす女たちの物語。
「も〜!私だったらこんな男、殴り飛ばしてコッチから手を切るよっ!」と、イライラするのは同じなんですが、それでもストーリーの展開が早く、結局どうなるの?!どう収めるの?!というのが気になって読み進めました。
しかし、どうしてあの手の男は落ちぶれて尚「初心な許嫁」と「小粋ななじみの芸者」の両方にイイ顔をしようとするんですかねぇ。どっちも一生懸命に男に尽くしちゃって、まあホント、見てるこっちが「もう次行こうよ!」と言いたくなってしまう(←現代感覚過ぎ)。
物語終りにかけて、怒涛のご都合主義が展開するのには笑いました。登場人物たちを悩ませいていた諸問題は、悪人が捕まって一挙に解決。ダメ優男は実はさる名家の御曹司と判明し、初心な許嫁は正妻になり、なじみ芸者は側室に。許嫁を世話していた女伊達は初恋の男と結ばれる、義理と恋情に振り回された花魁は恋する男の正妻になる。女たちはホントの姉妹だったり、姉妹同様の仲なので、4人姉妹の契りを交わすという…。いや、なんかもうここまで来ちゃ、突っ込むより笑うしかありませんでした。

とまあ、たぶん正しい感想から大分外れてしまったような気がしますね。
ははは・・・。いや、久しぶりに江戸文学読んでみて、面白かったですよ。自分の持ってる現代感覚とのあまりの差に、ビックリはしましたけど(^^;)。

(2016.10.07 読了)

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