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zoom RSS 『御松茸騒動』/朝井まかて ◎

<<   作成日時 : 2016/11/09 21:05   >>

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徳川御三家の惣領家でありながら将軍相続に負けた過去から、「尾張のしなび大根」と揶揄される尾張藩。
若き藩士・榊原小四郎は、幼少より才覚優れいずれは藩の財政立て直しをと夢見ていたのが、平生の態度が災いし、〈御松茸同心〉として国元勤めになることに。
彼は着任して初めて、尾張の名産品「松茸」をめぐっての『御松茸騒動』を知ることになる。
いやぁ、やっぱり朝井まかてさんは面白いですな!
小四郎と尾張の領民たちがどうなってしまうのか、とてもドキドキしながら、ぐいぐい読めました♪

頭が切れるが故に、空気を読まず正論ばかり振りかざして煙たがられていた小四郎。
「協調性ないなぁ…」と、私すら「この人大丈夫か」と思ってたら、速攻左遷されてしまいました(^^;)。
国元で待っていたのは、得意な算術事務方仕事ではなく、名産「松茸」の不作を何とかせい、というものであった・・・。
渋々、資料を漁り、御山守と共に山を巡り、試行錯誤を繰り返し、華美ゆえに財政を傾けたとして蟄居させられている先代藩主・宗春公を慕う領民たちの思いに触れ、真面目に真面目に「お勤め」に取り組む小四郎。
彼に降りかかるのは、無茶振り同然の「松茸献上ノルマ」。担当の山から数が揃わなければ、御用商人から買い上げるという、矛盾した状態になってしまう。
近年不作続きの原因を、どうやったら収穫量が上がるかを苦心惨憺しながら考慮する小四郎の手元にあった覚書は、どうも宗春公とその小姓であった自らの父が記したものであるらしい。その覚書から、松茸について推量した小四郎は、ついに不作の理由を理解し、それを改善しようと動き始める。
融通の利かない若造だった小四郎も、苦労を経て成長し、周りからも助けられるようになって、松茸増産ができるようになる。
それを評価されて加増を辞退する代わりに「大殿(先代宗春公)の御松茸狩り」を願い出、なんとかそれは許されることとなる…。

鼻持ちならない青年が、山歩きや藩の実情に叩きのめされ、そこから少しずつ成長してく姿が清々しかったですね〜。
慣れない納得のいかない仕事でも、一生懸命取り組む。そこから見えてくる光明と周りの助力、偶然のように手に入れた覚書から松茸のことを知り、自らもいろいろ考えて推察して(この辺がやっぱり頭がいい)増産が実現し。そして宗春公の藩主としての心意気を知って、思いを寄せるようになる。
うん、どんどん素晴らしい人間になってるじゃないですか。

最後に宗春公の御松茸狩りに同行して、その雄偉な所作と領民を思いやる言葉に触れるシーン、素晴らしかったです。読んでいる私にも、胸に迫るものがあり、小四郎と一緒に駆け出したくなりました。
そして、最後の最後に明らかになる、同僚・栄之進の正体。薄々、そうかもなぁ・・・て、ちょっと思ってました。
栄之進に幕政に加わらぬかと誘われて断る小四郎に、「おお、お前さん成長したね!!」とうれしくなりました。彼のセリフもイカしている♪
〜〜「そうだ、今度こそ出世して御林奉行になる。いや、家老だ、家老がいい。また、御公儀が嫉むほどの尾張にしてやる。ははん、ざまみろっ」〜〜(本文より引用)

是非、小四郎には出世して頂いて、宗春公の考え方を多少なりとも生かして、領民の喜び楽しみをもって藩の復興に努めてほしい…なんて思いましたね。もともと、頭はとってもいいのだから、周りが見えるようになったら、出世できるでしょうしね!
たぶんね、千草(御山守の孫娘)もそんな小四郎を「きゃた郎」呼ばわりしながら、支えてくれるんじゃないですかねぇ(笑)。

(2016.11.06 読了)

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朝井まかて 徳間書店発行年月:2014年12月10日 予約締切日:2014年12月09日 ページ数:


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タイトル (本文) ブログ名/日時
御松茸騒動(朝井まかて)
面白かった。 ...続きを見る
Bookworm
2016/11/11 12:47

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
面白かったですよね〜!さすが朝井さんですね。
生意気な小四郎がだんだんと成長していく姿に、どんどんのめり込んで読んでいきました。最後は本当に胸が熱くなりましたね。
個人的には、宗春公の印象が変わった作品でもありました。
すずな
2016/11/11 12:56
すずなさん、ありがとうございます(^^)。
小四郎、思い上がりも酷いですけど、真面目すぎるんですよねぇ(笑)。
ガチガチだったところは少しほぐれ、応用が利くようになっていくにつれ、見守る気持ちというのでしょうか、高まりましたねぇ。
私は何となくでしか宗春公のことを知らなかったです(^^;)。
水無月・R
2016/11/11 21:52

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