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zoom RSS 『私のサイクロプス』/山白朝子 ◎

<<   作成日時 : 2016/12/02 22:47   >>

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人知を超えるレベルの迷い癖のある旅本作家・和泉蠟庵(いずみろうあん)。彼の荷物持ちを務める駄目男・耳彦(みみひこ)。蠟庵に執筆を依頼している書物問屋の者で旅の経費を預かる娘・輪(りん)。
この三人のたどる、生と死の狭間を揺れる旅路を描く『私のサイクロプス』
前作『エムリヲ奇譚』に引き続き今回も、すっかり山白朝子さんの描く旅路を、一緒に迷わせていただきました!
・・・でも、実体験はしたくないですねぇ(^^;)。

いやぁ・・・。相変わらずだね、耳彦(笑)。
相変わらず、大概な駄目男。そして、怪異に好かれやすいんだろうか、しょっちゅうはぐれて酷い目にあう。蠟庵先生より、むしろ耳彦の方が主人公並みに活躍してますが、それでもやっぱり蠟庵先生の方が主人公らしいビジュアルしてるのよねぇ(笑)。不憫。
蠟庵先生、だんだん口が悪くなってきてますね!!輪と一緒だと辛口倍増(笑)。
「耳彦のいいところ」・・・思いつきませんか?
私、耳彦のいいところは「どんな酷い目に(ほぼ死にかけを何回も)あっても生還して、蠟庵先生に怪異や恐怖体験を伝えることができる」ことだと思いますよ!
唯一と言っていいけど、蠟庵先生にとっては大きい長所(笑)ですよね!!
おかげで、物語のラストには蠟庵先生から「旅本作家から怪談作家へのバージョンアップ宣言」が出たじゃないですか♪

「私のサイクロプス」
輪が一行からはぐれ、山中で知り合った大男。
「ハユタラスの翡翠」
海辺で翡翠の指輪を拾った耳彦、海にぐいぐいと引き込まれ・・。
「四角い頭蓋骨と子どもたち」
四角い頭蓋骨の転がる廃村で、とある坊主から村の話を聞く一行。
「鼻削ぎ寺」
鼻を削げば、顔の印象はなくなる。耳彦鼻削ぎの危機。
「河童の里」
河童を観光資源にする村。欲をかいた耳彦が酷い目に合う。
「死の山」
目隠し山で起きることには、関わってはならない。
「呵々の夜」
一行からはぐれた耳彦、怪談を語る一家から逃げ出すことに。
「水汲み木箱の行方」
深い井戸から水を汲み上げる仕掛け、ちょっとグロいよ…。
「星と熊の悲劇」
登ることしかできない山に迷い込んだ一行。蠟庵の出生の秘密?

書物問屋の輪が、レギュラー入りしました。2人よりも3人になると、会話がバラエティに富んできますねぇ。まあ大体、蠟庵先生&輪が一緒になって、耳彦をからかったり、悪い評価を下したりするんですが。けっこうそれが愛情からなんじゃないかなぁなんて思えます。ダメな奴ほどかわいい?いじりたい?なのかしら(^^;)。
怪異がうごめく旅、人の心の卑しさ醜さ恐ろしさに触れる旅、人ならぬものの優しさに触れる旅、3人で会話しながら歩いてるところは、平和そうでいいですよね〜。
ただし、迷ってます。盛大に迷いまくってますが。

しかしまあ、耳彦、今回もホント酷い目に合うね(笑)。蛆虫まみれになること数回。指を切り落とすか海に飲み込まるかの二択を迫られるは、悪人につかまって閉じ込められるは、怖ろしい一家から逃げ出したら実はただの脅しだったとわかって安心…と思いきや、やっぱりとんでもない恐怖体験するは、もう、散々。
でも、これが自業自得に近いから、ホントに駄目駄目男なんですよねぇ。酒好き博打好き女好きで怠惰。どーしょーもない男ですが、何故か蠟庵先生には気に入られ、毎回荷物持ちとして共に旅をする。
あれ?そういえば、今回は「もう2度と蠟庵先生と旅はしない」的な発言がなかったわ。慣れたのかしら(笑)。

「死の山」の語り手がいつの間にか切り替わってるのに気づいた瞬間、ぞっとしましたねぇ。3人は気づかないふりをしなくちゃいけないから、ほっとくしかなく、読者はなかなか気づけない。・・・でも、こういうことって、ない?
山を出た後に、蠟庵先生と輪が耳彦をからかうシーンが、ちょっとほっこりしました(笑)。

「水汲み木箱の行方」、ええ話やぁ〜・・・と言いたいところですが、いや実際死んだはずの夫が、家族を思う一心で、こういう現象を起こせるんだから、大変いい話だとは思うんですが。
温泉宿のおかみが盗み出した後、山の中で血をぶしゅうぶしゅうと撒き散らす光景を想像したら、相当グロかったです…(-_-;)。それ持って帰って、また、井戸水汲み使っちゃえるんだ・・・ううう、ちょっとっていうかだいぶ無理…愛ゆえよね、愛って深くて怖い…。

さて、蠟庵先生の出生の秘密の一端が、今回も明らかにされました。そうですねぇ、蠟庵先生の迷い癖が人知を超えてるのは、蠟庵先生が半分人間じゃないからなんでしょうなぁ(笑)。
でも、まだまだ全容は見えてませんから、シリーズ化希望ですね!
1作目は蠟庵先生、2作目は輪が表紙に。じゃあ3作目は耳彦か?…は、無理だろうなぁ(笑)。疫病神にしか見えない貧相なオッサンが表紙じゃ、本が売れませんて(笑)。
表紙問題はさておき、ぜひ続編が読みたいです!
蠟庵先生の怪談物語も読んでみたいですなぁ。というわけで、これからも耳彦は、九死に一生を得る体験を何度もする羽目になればいいということですよね(笑)。

(2016.12.02 読了)

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私のサイクロプス 山白朝子
私のサイクロプス著者:山白 朝子KADOKAWA/角川書店(2016-03-31)販売元:Amazon.co.jp 出ては迷う旅本作家・和泉蝋庵の道中。荷物もちの耳彦とおつきの少女・輪、三人が辿りつく先で出会うの ... ...続きを見る
苗坊の徒然日記
2016/12/03 18:27

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。
続編が出て嬉しい!と思って読んだら前作以上にホラーでスプラッタでビビりました。
いやいや怖かったですね〜^^;
特に耳彦は踏んだり蹴ったりでしたよね。自業自得な部分もありましたけども。
私もぜひとも続編を読みたいです!蝋庵先生の出生の秘密、知りたいですよね^^
苗坊
2016/12/03 18:30
苗坊さん、ありがとうございます(^^)。
前作がとても好みに合ったので、今回もウキウキしながら読み始めたら、そのウキウキもどこへやら(笑)。グロかったですな…。
続編は、きっと出ますよね!楽しみに待ってましょう♪
水無月・R
2016/12/03 20:00

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