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zoom RSS 『スペードの3』/朝井リョウ 〇

<<   作成日時 : 2017/01/07 23:14   >>

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朝井リョウさんは、ひどい人だ!!
前に読んだ『何者』でも、非常に抉られましたが、本作『スペードの3』も、ホントにホントに、抉られまくりました。
「優等生であること・だったこと」はそんなに悪いことなんですかぁぁぁ!!!
ううう。恥ずかしながら、そんな自分の過去を思い出して、後ろめたくなりました。
嫉妬とか、マウンティングとか、朝井リョウさん上手すぎるよ!怖いよ!!

なんか最近、こんな風に「優等生・いい子」であること、を責め苛まれる作品に当たることが多い気がするんですが、流行りですか・・・?それともたまたま、私のチョイスが悪いのでしょうか・・・?
自慢じゃありませんが、小・中学校までの私は、絵にかいたような優等生でした。
高校以降も、割と「いい子」だったのも否めません(成績に関しては、聞かないでほしいけど)。
なので、「スペードの3」の美知代に、心当たりがありまくりなんですよね〜。
幸いにして、「グループ(集団)のメインを張るには実力&カリスマ性不足」ということに気が付いて、そこからはわりと脇役人生に徹して来れたので、美知代のようなイタさを経験するまで極めずに済みましたが。
一歩間違えば、こうなっちゃってたのか…と思うと、背筋が寒くなりますね。たぶん、その状態になってたとしたら、切実すぎて、この作品涙なくして読めなかったと思う・・・。
ということで、私の中で「朝井リョウ」さんという作家さんは「ひどい人」認定です(笑)。
でも、それ故に読んじゃいそうですねぇ・・・自らを省みる大事さを感じましたんで(^^;)。

なので、美知代の物語「スペードの3」が一番、痛かった・・・。
美知代の〈自分がトップじゃなきゃ・中心じゃなきゃ〉っての、すごくわかるんですよ。子供の頃って、自分の価値観をそこにしか見いだせない時がありませんか?仲間内の評価より、ちゃんとした大人〈先生や両親〉からの評価が、直結するような。そのための努力や策略(多少アタマは回るので)を駆使して、何とか中心にいる自分を、自分で確認せざるを得ない。そこから外れて、自分の価値を模索するのが、すごく苦しい。だから、旧来の価値観に依存して固執する。
・・わぁぁぁぁ!イタイよ!痛いよ!!

そして、「ハートの2」のむつ美の物語も、刺さった。
途中までは、普通の「その他大勢」な女の子のストーリーだったのに、一番最後に〈自分のために自分を変える〉決意の行動に、しっぺ返しを食らってしまった。
生半可じゃない、その行動力。たぶん、私にはなかったもの。それなしに、なし崩しに変わってしまった自分を、鋭く切り付けられました。やっぱりひどいよ、朝井さん!!

そして、トドメを刺してくれたのが「ダイヤのエース」のつかさ。
成功者であると思われてるミュージカル女優にも、こんな屈託があるのよねぇ。はぁ〜・・・。
ただ、救われたのは「〈物語〉がない自分」を認めてそれでも俳優業を続けることを決意して、進んでいくことを決めたこと。
こうすることで彼女は、本物の「俳優」になれると思い、これからの困難でも開けていく未来が見えてほっとしました。
〈そうであることの理由〉は、確かに強力な物語だけど、それに囚われない方が、もっと〈表現者〉として広がっていける、と思いました。〈物語がないから「物語になれる」〉、その方が確固とした表現が伝えられそうじゃないですか。

芸能人のファンクラブの特殊な世界に、ついていけないものを感じつつも、これだけの規律があったら楽かもなぁなんんて、つい過去の自分が頭をもたげたりして、愕然としたりもしました。
ああ、ホントに、朝井リョウさんて、ひどい作家さんだよ!!
でも、また読んじゃうなぁ(笑)。

(2017.01.06 読了)

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ミュージカル女優、つかさのファンクラブを束ねる美知代。小学校の同級生の出現によって美知代の立場は危う


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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。
いやホント、怖かったですよねー。ホラー小説でしたよー。
朝井さんはご自身で頭の中におばさんがいるって言ってました。だから女性の気持ちがこんなに分かるんだって思うことにしてます←
3人ともバラバラでしたよね。でもそれぞれの気持ちが分かるというかそういう人いたいたと思ったりとか。流石朝井さんだなと思いました。
苗坊
2017/01/08 22:17
苗坊さん、ありがとうございます(^^)。
・・・え?何で知ってるの?
ぎぃやぁぁぁ〜、ってなりますよね(笑)。

もう私は、美知代の章が身につまされすぎて、心が痛かったです・・・。
他の2人の物語も、つまされたり、愕然とさせられたり、ああイタかったわぁ。
朝井さん、ホントにひどい作家さんですよ(^^;)。
水無月・R
2017/01/09 19:33
実は私も学生時代は「優等生の良い子」でして。水無月・Rさんと同じく、非常に痛かったです…。
それ以外にも、女性特有の嫉妬とかアレコレに身をつまされたりもしてズキズキくる作品でした。
すずな
2017/01/10 05:23
すずなさん、お仲間だったんですね!!(^^;)
美知代の章のあるある度が激しすぎてもう、痛くてたまりませんでした・・・。
なんかホント、すごい作品でしたよね〜(T_T)。
水無月・R
2017/01/10 15:19

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