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zoom RSS 『ユートピア』/湊かなえ 〇

<<   作成日時 : 2017/06/04 20:24   >>

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う〜わ〜・・・。
湊かなえさんでこのタイトル、絶対にイヤミスだよね、たぶん抉られる系だわ・・・と、思ってた通りでした。
美しい海のある街、鼻崎にある商店街『ユートピア』
そこで出会った、3人の女性たち。

湊さんの描く、田舎の閉塞感とかしがらみ感、それから女性たちの些細な感情のやり取りって、スゴイ抉られる・・・。ちょっと何かがズレてたら、私自身がそこにいる…ってリアルな感じがして、ホントに、怖い。
帯に〜〜善意は、悪意より恐ろしい。〜〜(本書帯文より引用)ってあったんだけど、うん、そうなのよ、恐ろしいのよ。ってのがまざまざと描かれてて、なんていうか、もうホント「う〜わ〜・・・う〜わ〜・・・」って呟きながら、読んでました、特に後半。

商店街の新しい祭の実行委員として知り合った、菜々子・光稀・すみれ。
菜々子の娘・久美香は交通事故の後遺症で歩くことが出来ず、車いす生活を送っている。そんな久美香の学年は違うが親友の、光稀の娘・彩也子。すみれの作る陶器の翼のストラップを象徴に、「車いすの子供を支援する」ボランティア基金を設立した3人は、活動を通じて仲良くなるが、それぞれが胸に抱く感情が少しずつすれ違っていく。

もうね、このすれ違いというか食い違いというか、絶妙すぎて、胸が痛くなるんですわ。3人が3人とも、それぞれの立場や考え方が違うにもかかわらず、わかる。私にもそんな嫉みというか負の感情はあるし、それが発生するきっかけなんて、ホントに些細で、どこにでも転がってる。それに躓くか、躓かないかなんて、運次第じゃないかって思います。
ああ・・・こわいこわい・・・。

そんな現在が進行しながら、後半で発生する事件。それに、5年前の殺人事件に絡む物証の存在が大人たちを翻弄し、更に現在で最大の事件が起こる。

全てが終わり、自分のユートピアはここではなかったと、それぞれが思うラストが、切ないのとはちょっと違う…なんだろう、言葉にするのが難しいやるせなさが浮かび上がってきました。
でも、それが逆に「そう簡単にユートピアなんて見つからない、ユートピアなんてある訳がない、自分の立つ場所は、自分で築き上げるものじゃないの?」っていう妙な前向きさを感じたりもして、変な読後感でした。

ところで、結局健吾って何をどうしたかったんですかねぇ…?
どう考えても、計画が上手くいくとは思えなかったし、予定外のことが起こって上手くいかなかったし。どうにも薄っぺらい感じ。
薄っぺらいと言えば、菜々子の夫・修一も酷いなぁと思いました。なんだか無責任で、イライラしました。

ところどころで挟まれる、久美香や彩也子の作文?日記?もなんだか不穏な感じだし、町の人々のいい加減で興味本位の噂話も感じが悪いし、イヤミス感満載でしたねぇ。

一番最後に入る彩也子の日記というか記録・・・いやいやもう、そういうことかい!と頭を押さえてしまいました。
子どもたちだって、黒いものを抱えてる。それが善意から来ていても、それでも黒い。
・・・ああもう!いっそ清々しいよ!
だから、湊さんて怖いんだってば!!

(2017.06.01 読了)


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湊かなえ 集英社発行年月:2015年11月26日 予約締切日:2015年11月24日 ページ数:31


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タイトル (本文) ブログ名/日時
ユートピア(湊かなえ)
いやぁ、相変わらずな湊さんでした。 ...続きを見る
Bookworm
2017/06/06 12:36

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
たしかに、湊さんでこのタイトルというだけで、うわぁぁ;;;と思っちゃいますよね。そして、想像を遥かに越える内容・・・。リアリティもあって、いつ自分に降りかかってくるかもしれないという怖さをヒシヒシと感じました。
最後までイヤぁな気持ちにさせられて、さすが湊さん!でしたね。
すずな
2017/06/06 12:55
すずなさん、ありがとうございます(^^)。
ホント、湊さんの「イヤミス女王」ぶりには、首を垂れるしかありませんね(笑)。
「は〜〜〜。」と深いため息をつきつつ、次作を楽しみにしてしまうという、ね(^^;)。
湊さんの描く「田舎感」が、なんだか非常に身近で、今回も怖かったです。
水無月・R
2017/06/06 21:52

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