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zoom RSS 『怖い絵』/中野京子 〇 (エッセイ)

<<   作成日時 : 2017/06/26 14:55   >>

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中学生の次男が、7月下旬から始まる「怖い絵展」を見に行きたいと言い出した(通学途中でポスターか何かを見たらしい)。
何が彼の興味を引いたのかよくわからないが、美術館へ行きたいという文化的な要望(笑)だなんて素晴らしい!と急いでチケットを購入。ついでに図書館で、本書『怖い絵』を予約。
中野京子さんが、このシリーズを出していることは知ってはいたけどあまり読もうと思ってなかったので、縁あっての読書?となりました。

まず、表紙の「いかさま師」に描かれる女性の横目づかいの表情の卑しさに、度肝を抜かれました。ちょっとした視線の送り方に品性がここまで現れるという、画家の筆力。そこから画面のあちこちに点在する不自然さとだまされる若い男の無防備さ。それを一つ一つ解説されて、なるほどな〜、と得心。
予備知識なくこの絵を見たとしても、やはりいかさま師たちのうさん臭さや品性の低さは読み取れたと思いますが、より理解が深くなりますね。

ドガの「エトワール〜」に描かれる、踊り子とぼんやりと幕の影(でも絵画の中心に近い)に描かれる男との関係性の解説、著者の考察・推察、直接的に怖いわけではないけれど、じわじわと人間の怖さというかいやらしさを感じることが出来て、これは早く本物を見に行きたくなりましたね。

本物を見たいと言えば、ムンクの「思春期」。平板な周囲と少女のこわばった顔から伝わる不安感。全体的なアンバランスさに彩られた不穏な感じを、是非真正面から受け止めてみたくなりました。たぶんこれは、自分がもう思春期なんてものをとっくに通り過ぎたから思えることだと思います。
実は、ちょうど思春期真っただ中の次男はどんな反応するのか?という楽しみも、あります。(←悪趣味(笑))

「愛の寓意」もぱっと見は穏やかで愛に満ちた絵画なのに、描かれる天使?と女性の体の姿勢の不自然さに気付くと、なんだか怖ろしい。よく見ると天使の手つきに浅ましさが滲み出ている。解説により、天使が矢筒を身に着けていることから、キューピッドということが分かり、女性が金のリンゴと弓を持っていることからアフロディーテであることが分かると、この絵画に何が描かれてるかが突然見えてきてぎょっとする。ぼんやり見ているだけでは気づけないことも、たくさんあるのだな・・・と反省。

絵画展に行くのはもう少し先ですが、ちょっとだけ予習が出来て、面白かったです。
願わくば、せっかくカラーで印刷しているのだから、各章メインの絵ぐらいもうちょっと大きくならないものでしょうかね。細かい点を色々と解説してくれてるのに、わかりづらかったです。
白黒印刷の絵画なんて、何が描いてあるかもわかりにくかったし…。
その辺を補足するためにも、絵画展ではじっくり鑑賞して来たいと思いました。

(2017.06.26 読了)

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