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zoom RSS 『我慢ならない女』/桂望実 ◎

<<   作成日時 : 2017/08/25 09:54   >>

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・・・なんか、すっごく、良かった!!
辛辣で率直すぎる小説家・ひろ江と、ひろ江を支え続ける姪の明子の物語、『我慢ならない女』
桂望実さんは、初めて読む作家さんですね。
エキセントリックな作家の物語はたくさん読んできたし、作家を取り巻く人々の変わり身の早さの物語もそれなりに読んできたけれど、それでも、ひろ江の〈物語への情熱とゆらぎと再生〉の物語は、胸に迫るものがありました。

タイトルにある〈我慢ならない女〉は、誰だったのか…いろいろ考えました。
読者にとっての、ひろ江。読者にとっての、明子。ひろ江の周りの関係者にとっての、ひろ江。お互いにとっての、ひろ江と明子。そのほかいろいろな組み合わせがあるな…と考えて、ふと気づきました。
〈我慢ならない〉のは、〈とある人にとって我慢が出来ないぐらい酷い人物〉という意味でありつつ、〈我慢することが出来ない人〉という意味でもあるかも、ってことに。
自分の「業」を我慢することできず、身を削ってでも創作活動を続けるひろ江も、叔母の才能に圧倒され、一直線にそれを信じて支え続け、その為には多少の無理押しも厭わず行動し続ける明子も、〈我慢ならない女〉だったのかもしれません。
2人の、最高の復讐には、スカッとしましたね!明子の復讐は、元旦那に思い知らせることは出来てないけど、ひろ江と明子2人の溜飲が下がったなら、それで問題なしですね♪

でも、何だろうなぁ・・・タイトルに据えるにはちょっと違うかなぁ、という気もしたんですよね。ちょっとストーリーの本旨から外れるような気も。いやでも…どうだろう。ううむ・・・。

所々でフォントを変えて、ひろ江の作品である「業のままに生きるしかない」者たちの物語が差し挟まれています。最初はストーリー上のリアルタイムの作品なのかな、と思ってました。ちょうどその時のひろ江の状態と合ってる物語だったので。でも、何だか違和感があるよなぁ…と思ってたら、最終章のインタビューで最新作の習作(メモ?)だったとわかり、納得がいきました。
この作品に対してのひろ江の思い(明子と千絵が代弁)を読んで、通しで読みたくなりましたね。桂さん、書いてくれないかしら。作中習作の通し読みはしたんですけど、たぶんもっと広がりのある物語だと思うので…。
読みたいと言えば、小説家・樺山ひろ江復活!の時の物語もですね。清書をしていた明子「こんな小説を読みたかった」と泣かせ、なかなか読んでくれなかった編集者も翻意させた、傑作。
きっと、苦しくて辛くて、でも力強くて、読んだことで読者が自分を信じられるようになるような、そんな作品だろうな。

派手さはないけれど、とても素晴らしい物語でした。ひろ江と明子の間にある、強い信頼関係、お互いを大事に思う心、そして二人の芯の強さが、とても清々しかったです。

(2017.08.24 読了)

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