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zoom RSS 『屍者の帝国』/伊藤計劃・円城塔 〇

<<   作成日時 : 2017/09/04 22:06   >>

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伊藤計劃さんが遺した構想と序章から円城塔さんが完成させた、『屍者の帝国』
十九世紀末、死亡した人間にプログラム(疑似霊素)をインストールして、屍者として使役している、ifの世界が舞台。屍者の使役は一般化しており、既に欠くべからざる社会要素となっている。
物語を記す役割を担っているフライデーもまた、屍者の一人である。

いやしかし、ホントに難しかったよ!!いろんな要素が絡み合って、知識もいっぱい必要だったし(わからないこと多すぎな水無月・Rです・・・)、読んでいるとだんだんクラクラしてくるぐらい、内容が濃くて。
ジョン・ワトソンをはじめ、ヴァン・ヘルシングやレッド・バトラーやカラマーゾフ兄弟、アイリーン・アドラー、ピンカートン社、榎本武揚、大里化学など、物語の登場人物や組織、実在の歴史上の人物・組織などが入り乱れ、それぞれの元々の印象を基礎に、新たな意味・役割を加えて物語を彩る。
旧約聖書のストーリーや各地の民族伝承、神秘組織の示唆するものなど、複雑に絡み合うエピソード。
単純に対・屍者の帝国といった戦いだったころは、理解もしやすく情景も浮かびやすかったのだけど、ザ・ワンが登場してからは専門用語が飛び交い話が難しくなり、だんだん話が分からなくなってきます。伊藤計劃さんと円城塔さんが、とても頭がいいというのは、大変よくわかりましたが(笑)。

ヴィクター・フランケンシュタインが生んだ怪物、一般の屍者とは一線を画す、意思も知性も持ち合わせる、ザ・ワン。
彼の〈ひとの魂、人が人たる所以〉がとあるものだという主張には、ちょっとな〜…と思います。あんまりですよ、ホントにそうだったら。

『虐殺器官』では、大量虐殺を引き起こす言葉・文法を使って、紛争を操るという物語が描かれましたが、本作では「バベル以前の言語」或いは人間の理解を超える言語が、死者を暴走させることが出来る、ただしその言語を使えるのは、物語時点では屍者の頂点であるザ・ワンと計算者(カリギュレイター)であるハダリーのみ。
言語って、すごい力を秘めてるんですよねぇ。伝達という手段における、有効性や普遍性の高さは言語が群を抜いてますもんね。それを意識して駆使した物語だったから、本作の難しさは致し方なかったのかなぁ・・なんてね。

アニメを見てないのですが、本作に限っては先にアニメを見て少しは知識をつけてからの方がよかったのか・・・?いやいや先入観はない方が、物語を楽しめるんじゃないか・・・?と迷いますね〜。
でも、曲がりなりにも読了した後では、私はやめておいた方がよさそう(笑)。

ラスト、ワトソンの額に取り込まれたもの。そして、フライデーに芽生えたものとは。もしかすると、フライデーはホームズ&ワトソンの宿命の大敵・モリアーティになるんじゃない?

〈わたし〉とは何か〈魂〉とは何か、生者と屍者の違いは・・・・、今話題のAIが人間にとって代わるかどうかやシンギュラリティなど、スチームパンク的でありながら、現代にも通じる話題性もあって色々考えました。でも難しかったよやっぱり!

(2017.09.03読了)

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『ハーモニー』
『虐殺器官』
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