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zoom RSS 『いつか陽のあたる場所で』/乃南アサ 〇

<<   作成日時 : 2017/10/28 17:46   >>

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乃南アサさん、読んだことなかったよなぁ…と思って、自分の著者名INDEX調べたら、なんと10年前に『ライン』という作品を読んでました。ただし、感想は超あっさり(笑)。
本作『いつか陽のあたる場所で』ですが、今まで自分が経験することのなかった(とはいえ物語などではちょっとは知っている)世界をじっくりと読むことが出来ました。

昏睡強盗で服役していた芭子は出所後、家族から縁切りされてしまい、祖母が住んでいた下町の一軒家に一人で住み、マッサージ治療院の受付をやっている。獄中で知り合ったDV防衛から殺人を犯してしまった綾香も半年ほど遅れて出所、程近い場所に住み、パン職人見習いとして働き始めている。

生まれ育った環境も、性格も、そして犯した罪も全く違う二人が、下町でお互いを補うようにひっそりと暮らしていく日々。
明るく惚れっぽい綾香が、商店街の魚屋に恋をしたり、パン屋の客であるカラオケスナックのママと仲良くなったり、地元演歌歌手に傾倒したりと騒がしく暮らしている一方で、芭子は勤め先の院長からセクハラを受けたり、絶縁していた弟から「戸籍の分籍」や「相続排除」を申し出られたり、生活に必要だった自転車を盗まれたりと、悔しさや後悔、辛さを抱えて苦しんでいる。
そんな中で、時々二人で出かけたり、一緒に食事をしたりして笑ったり、ささやかな日常を過ごしている。
もちろん、綾香も明るくしているのは自分が暗くならないためであって、パン屋修行の辛さや詐欺にあってしまったことや、罪故に子供と会えなくなっていることなど、辛い思いは持っている。

刑期という贖罪の期間は終わったとしても、常に罪の影は二人の後をついて回り、元の生活にはもう戻れなくなっている。
そんな中で、お互いを大切に思いながら、一生懸命生きていく二人の友情の確かさが、本当に救いでした。
2人は、タイトルのように〈いつか陽のあたる場所で〉生きていけるようになるのか・・・。
難しいかもしれないけれど、お互いを支え合っている2人に、陽があたる日がくればいいな…と思いました。

罪を犯すのは一瞬。
罪を償う刑期があり、そのあとの生活は家族から切り離され人目を気にし、ずっとついて回る。
罪を犯すかどうかの一線を踏みとどまれるか、つい、踏み越えてしまうのか。
私自身の生活には、まだその一線は現れていないけれど、現れて欲しくはないけれど、その重みを痛感する読書となりました。

(2017.10.25 読了)

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