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zoom RSS テーマ「儚き耽美」のブログ記事

みんなの「儚き耽美」ブログ

タイトル 日 時
『ミツハの一族』/乾ルカ ◎
『ミツハの一族』/乾ルカ ◎ 美しい、本当に美しい物語でした。 札幌に程近い、開拓村。水源を守る神に選ばれた、二つの役目の者たち。 乾ルカさんの作品は、6年も前に読んだ『蜜姫村』以来ですねぇ。 『ミツハの一族』は、近代から現代への過渡期である大正時代にひっそりと息づいていた古きしきたりとそこに関わる若者たちの、美しい物語でした。 ...続きを見る

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2017/12/17 19:40
『不時着する流星たち』/小川洋子 〇
『不時着する流星たち』/小川洋子 〇 一つ一つ、違った趣を持つ10編の短編集。 小川洋子さんの描く、現実と少しずれているかのような世界に生きる人々の、優しく静かな、あるいは微妙な不穏さを孕んだ物語集『不時着する流星たち』は、心穏やかな読み心地でした。 ...続きを見る

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2017/07/30 18:03
『まばたき』/穂村弘 酒井駒子・絵 ◎ (絵本)
『まばたき』/穂村弘 酒井駒子・絵 ◎ (絵本) モンシロチョウが、花から飛び立つ瞬間など、『まばたき』ぐらいの短い瞬間を描く絵本。 穂村弘さんというと、私的には雑誌『ダ・ヴィンチ』の「短歌ください」の選者さんでなじみがあり、どんな絵本なのだろうと、ふと気になって図書館から借りて来ました。 酒井駒子さんのやや暗く静かな絵が、とてもいい雰囲気です。 ...続きを見る

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2017/04/27 18:38
『手のひらの幻獣』/三崎亜記 ◎
『手のひらの幻獣』/三崎亜記 ◎ いやもう、毎度言ってることですが、「世界設定のノートが見たい作家さん」1ですよ〜、三崎亜記さんッッ!! 私たちの暮らす、現代日本に似て非なる〈この国〉。世界の構成ルールが多分、全く違うのだろうと思います。「街は生きていて」「不条理に失われる人や思いが常にあり」「精神的な能力が飛躍的に上昇している」この世界。 数々の三崎作品は、たぶん、全部一つの世界の物語。本作『手のひらの幻獣』で語られるのは、〈表出〉という能力を持つ人々と、それを利用しようとする当局との攻防の物語。 ...続きを見る

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2017/02/16 18:18
『山尾悠子作品集成』/山尾悠子 ◎
『山尾悠子作品集成』/山尾悠子 ◎ 書評で「日本の女流幻想文学作家の先駆け」と紹介され興味を持ち、あまり深く考えずに図書館に予約を入れて、受け取った時の衝撃(笑)。 お・・・重い!分厚い!確実に凶器になる! そんな外見的衝撃もさることながら、この一冊に描き込まれた数多の物語の濃厚さにも、大いに衝撃を受けたのでした。 山尾悠子さんの繰り広げる幻想世界をまとめ上げた『山尾悠子作品集成』。 いやぁ、ホントにすごい作品でした。 ...続きを見る

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2016/12/16 18:53
『私のサイクロプス』/山白朝子 ◎
『私のサイクロプス』/山白朝子 ◎ 人知を超えるレベルの迷い癖のある旅本作家・和泉蠟庵(いずみろうあん)。彼の荷物持ちを務める駄目男・耳彦(みみひこ)。蠟庵に執筆を依頼している書物問屋の者で旅の経費を預かる娘・輪(りん)。 この三人のたどる、生と死の狭間を揺れる旅路を描く『私のサイクロプス』。 前作『エムリヲ奇譚』に引き続き今回も、すっかり山白朝子さんの描く旅路を、一緒に迷わせていただきました! ・・・でも、実体験はしたくないですねぇ(^^;)。 ...続きを見る

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2016/12/02 22:47
『死者のための音楽』/山白朝子 ◎
『死者のための音楽』/山白朝子 ◎ 『エムブリヲ奇譚』で、生と死の影が付き纏う仄暗い耽美を存分に味わった山白朝子さんの短編集、『死者のための音楽』。 7つの物語は、彼岸と此岸の狭間をたゆたいながら、私を別世界に連れて行きました。 ...続きを見る

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2016/06/02 19:56
『遠くの日には青くU』/西造+世叛 ◎ (コミックス)
『遠くの日には青くU』/西造+世叛 ◎ (コミックス) 〈タテ読み、タダ読み〉のcomicoで連載されている西造(さいぞう)さんと世叛(よはん)さんの『遠くの日には青くU』。 美しくも儚く、青みがかった透明な水の向こう側の世界にそっと紛れ込むかのような、密やかな優しさと淋しさが、切なくなります。 ...続きを見る

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2016/05/20 17:46
『エムブリヲ奇譚』/山白朝子 ◎
『エムブリヲ奇譚』/山白朝子 ◎ これは・・・!! とても好みに合いました! 生と死の狭間をゆれる旅が多く描かれる『エムブリヲ奇譚』、素晴らしく、いいです。 人知を超える(?!)レベルの迷い癖のある旅本作家・和泉蠟庵の取材旅行を、荷物持ちの耳彦が語る。異界に彷徨いこんでしまったのではないかと思われる旅、死者と出会う旅、グロテスクな旅。 山白朝子さんは、初読み作家さんなんですが、実は有名な作家さんの別名義のようですねぇ。私はあまりそういうことは気にしないタチなんで、初読み作家さん扱いで行きます。 ...続きを見る

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2016/02/15 19:47
『冬虫夏草』/梨木香歩 ◎
『冬虫夏草』/梨木香歩 ◎ 征四郎さん、大好きですう〜〜!! のっけから、妙なテンションでございます(笑)。申し訳ありませぬ。 だって、梨木香歩さんの『家守綺譚』の続編なんですもの〜。 相変わらず、妖気巻きこまれ体質な主人公・綿貫征四郎さんが素敵すぎて、そして植物にちなんだ章タイトルと物語の調和が美しくて、大変良い読書時間を過ごさせていただきました♪ 『冬虫夏草』、鈴鹿山中での様々な生きとし生ける物どもの営みの物語、とても楽しかったです。 ...続きを見る

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2015/11/27 22:48
『遠くの日には青く』/西造+世叛 ◎ (コミックス)
『遠くの日には青く』/西造+世叛 ◎ (コミックス) 美しくも儚く、青みがかった透明な水の向こう側の世界を垣間見ているかのような、浮遊感。 郷愁をそそる、優しく切なく、そして少しだけ罪作りな物語。 〈タテ読み、タダ読み〉のcomicoで連載されている西造(さいぞう)さんと世叛(よはん)さんの短編集、『遠くの日には青く』が待ちに待った単行本化です。 待っててよかった!とっても、素敵です。 ...続きを見る

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2015/11/01 15:56
『ほんとうの花を見せにきた』/桜庭一樹 ○
『ほんとうの花を見せにきた』/桜庭一樹 ○ 竹のおばけ、バンブー。中国から来たという。 人間と距離をおいてその存在をひた隠しにしている彼らの中の一人が、凄惨な殺戮現場から幼い少年を救い出した。 桜庭一樹さんが描く、120年の寿命を持つ吸血鬼の物語三編。 私は表題『ほんとうの花を見せにきた』よりも、「あなたが未来の国へ行く」の方が好きかな。 ...続きを見る

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2015/05/20 17:45
『ターミナルタウン』/三崎亜記 ○
『ターミナルタウン』/三崎亜記 ○ ・・・あ〜、・・・う〜。 み、・・・三崎亜記さん、世界観の設定ノート見せてくださいぃぃ〜!! 私たちの知っている日本とよく似た「この国」。だけど、明らかに構成のルールが違う世界。 多分、どの三崎作品も同じ世界を描いていて、ちょっとしたリンクがあちこちにあって。 人々は、その世界構成ルールに従って、日々を生きている。 元・静原町(今は開南市に併合)は、鉄道の『ターミナルタウン』として発展し、衰退の時期を迎えてしまっていたのだが。 ...続きを見る

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2015/05/11 21:53
『偽恋愛小説家』/森晶麿 ◎
デビュー作で恋愛小説賞の大賞を取った、夢宮宇多。彼を担当する新人編集者・井上月子は彼を夢センセと呼んでいる。 その夢センセに盗作疑惑がかけられて・・・。 森晶麿さんは、初読み作家さんです。 『偽恋愛小説家』っていう、タイトルが素晴らしいですよね。非常に心惹かれる。どんな物語なんだろう、とワクワクしながら読み始めました。 ...続きを見る

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2015/04/20 17:26
『黎明に叛くもの』/宇月原晴明 ◎
『黎明に叛くもの』/宇月原晴明 ◎ 昨年、外伝『天王船』を先に読み、年をまたいで本編である本作『黎明に叛くもの』を読み始めました。重厚で緻密で幻想的で・・・読むのにすごく時間がかかりました(なんせ文庫の厚みが3センチ以上ある)。が、やっぱり読めてよかったです。 歴史と幻想の物語の名手・宇月原晴明さんの描く戦国絵巻、絢爛豪華で少し切なくて、胸を詰まらせながら読みました。 ...続きを見る

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2015/01/14 15:40
『天王船』/宇月原晴明 ◎
『天王船』/宇月原晴明 ◎ わぁ・・・。やっぱりいいなぁ、宇月原晴明さん。 歴史と幻想が美しく織り上げる物語、酔いしれました! 本作『天王船』が、未読の『黎明に叛くもの』の外伝的短編集であることは知っていたのですが、あえて外伝から読むことにしました。 退廃と陰影に彩られた4つの物語、大変堪能致しました! ...続きを見る

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2015/01/08 19:41
『桜の首飾り』/千早茜 ○
『桜の首飾り』/千早茜 ○ 桜にまつわる、7つの物語。 儚く美しいあの淡い色合いは、人を魅了するけれど、魔を引き寄せることもあるんじゃないか。 魔とは、ひとの心の隙間。 千早茜さんが描く、心の隙間に滑り込む物語たち。 現実の桜の花びらをつないで作った『桜の首飾り』は、すぐに萎れて茶色くなってしまうけれど、心の中の桜の光景は、いつまでも美しい。 そんな物語たちでした。 ...続きを見る

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2014/09/26 11:47
『かがやく月の宮』/宇月原晴明 ◎
『かがやく月の宮』/宇月原晴明 ◎ すっっっごく、お久しぶりでございます(-_-;)。 今年2度目の訳アリ転職(パート)&夏バテのおかげで、インプット・アウトプット共に機能停止寸前の水無月・Rでございます。 子供の夏休み初日から、新しい仕事なんか始めるモノじゃありませんな(^_^;)。 物語はよかったのに、読むのもレビュー書き始めるのにもすごく時間がかかってしまいましたが、宇月原晴明さんの『かがやく月の宮』。 とても、とても、素晴らしかったです。 ...続きを見る

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2014/08/21 22:34
『桜庭一樹短編集』/桜庭一樹 ○
『桜庭一樹短編集』/桜庭一樹 ○ 桜庭一樹さんらしい〈強化ガラス製の少女〉の物語もあれば、意外な組み合わせの物語もあり、空気感も色々の『桜庭一樹短編集』、大変楽しませていただきました〜 ...続きを見る

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2014/03/29 10:39
『金色機械』/恒川光太郎 ◎
『金色機械』/恒川光太郎 ◎ え〜と、・・・C3PO?!(笑)。 『金色機械』というタイトルから、もっと違うものを想像してたら、ホントまんま金色のヒューマノイドタイプのロボットだったので、ついつい<スター○ォーズ>のあのロボットを思い出して笑ってしまったじゃありませんか。いや、全然あんなコミカルな存在じゃないですけどね、金色様は。 「月の世界から来た」という金色様を主軸に、遊郭の主・熊悟朗と熊悟朗を訪ねてきた不思議な女・遥香の、異能を散りばめた物語です。 かなり分厚いんですけど、それぞれ別々の視点から語られる色んな物語... ...続きを見る

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2014/03/06 14:37
『ことり』/小川洋子 ○
『ことり』/小川洋子 ○ 小川洋子さんの作品は、久し振りです。穏やかで静かな物語は、とても落ち着きますね。 ささやかな喜びを描きながらも、全体に流れるのは淋しさと悲しさ、そして温かさ。「ことりの小父さん」と呼ばれる主人公の、ひっそりとした一生が丁寧に、美しく描かれています。 『ことり』というタイトル通り、小さい小さい命を慈しみ、共に生きてきた小父さんの、静かで孤独な死が冒頭にあり、彼の過ごしてきた人生がつぶさに語られ始める。静かでささやかで、けれども様々な出来事の通り過ぎてゆく人生。 ...続きを見る

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2013/12/04 22:57
『玉磨き』/三崎亜記 ◎
『玉磨き』/三崎亜記 ◎ 三崎亜記さんの描く世界は、現代日本に似ているけど、明らかに世界の構成ルールが違う。町が意志を持っているかのようだったり、人や場所が消失することに穢れの意味を持たせ、追及されないようにコントロールされていたり。その世界の物語は何か、うすら寒いものを感じるのに、そこはかとない郷愁を覚えるのだ。 本作『玉磨き』も、そういった我々には不条理だけど、物語世界では当たり前の日常としてとらえれていることが、描かれていく。 ...続きを見る

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2013/07/05 16:09
『逆回りのお散歩』/三崎亜記 ○
『逆回りのお散歩』/三崎亜記 ○ 相変わらず、水無月・R的「設定ノートを見たい作家さんNo.1」な三崎亜記さんです(^_^;)。 三崎さんの描く〈日本と似ているけれど明らかに構成のルールが違う世界〉は、私たち読者にとって不条理で異質な世界。だけど、この世界はこのルールで回っていて、誰もがそれを疑問に思わず、受け入れられている。ふと思う。私たちの世界が、正常だと言えるのかと。 そのせいか、物語は何となく希望の光が見えてくる方向がわかってきたかも…という終わり方をしたのですが、どうにも落ち着かない気持ちです。 タイトルは『逆回... ...続きを見る

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2013/01/31 21:04
『金色の獣、彼方へ向かう』/恒川光太郎 ○
『金色の獣、彼方へ向かう』/恒川光太郎 ○ 鼬(イタチ)に似た金色の獣に関する、4つの物語。恒川光太郎さんは、様々な時代にひそやかに現れ、姿を消してゆくその獣と、それに関わった〈人間〉を描く。それらは、聖なるものか、邪なるものか、正邪を超えてただ〈在る〉妖かしなのか。 『金色の獣、彼方へ向かう』、向かった彼方で、その獣は何を見たのだろうか。 ...続きを見る

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2012/06/21 19:49
『あやかし草子 〜みやこのおはなし〜』/千早茜 ○
『あやかし草子 〜みやこのおはなし〜』/千早茜 ○  『おとぎのかけら 〜新釈西洋童話集〜』で、甘美で仄暗く、纏わりつくような醜さと美しい世界で私を魅了した千早茜さん。 本作『あやかし草子 〜みやこのおはなし〜』では、京の都に現れては人をあちら側へいざなう〈妖異のものども〉と〈人〉が彷徨う物語が描かれていきます。 ...続きを見る

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2012/05/14 19:58
『デカルコマニア』/長野まゆみ 〇
『デカルコマニア』/長野まゆみ 〇 あ〜。これは、忙しいときに読んじゃダメな作品だったわ〜(^_^;)。 10日ぐらいかけて、切れ切れで読んだら、混乱しまくりでした・・・。 長野まゆみさん、ごめんなさい〜。 メビウスの輪のように廻り廻る一族の系譜を描いた、『デカルコマニア』。 長野さん作品のこういう雰囲気のある物語は、好きなんですけど、どうにも今回は、間が悪かったなぁ。 ...続きを見る

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2012/03/13 22:55
『11 〜eleven〜』/津原泰水 △
『11 〜eleven〜』/津原泰水 △ あうう〜。超・難解でした。 帯にね、三浦しをんさんが「完璧」と絶賛してたんですけどね、私には完璧すぎたらしいよ(-_-;)。 どうも私、津原泰水さんの幻想的な世界には、合わないみたいだ。残念。 『11 〜eleven〜』のタイトルにあるように、11編の物語が次々に語り下ろされていく。 それぞれに違った作風で、ぞっとするものもあれば、何だかよく判らないもののじわじわ怖いものもあり、怖さに気づく前に終わってしまうものもあり。ちょっと怖い美しさ、のような共通項があった…と思うんだけど。 ...続きを見る

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2012/02/20 17:28
『少女外道』/皆川博子 ○
『少女外道』/皆川博子 ○ ・・・あう〜。 いつも思うんですよねぇ。皆川博子さんの作品て、微妙に私の好みから外れる感じが、すっごく惜しい…って。 本作『少女外道』も、そんな感じで。 何だろうなぁ、ダークさが足りないというか。ううむ。 ...続きを見る

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2012/01/11 17:07
『蕃東国年代記』/西崎憲 ○
『蕃東国年代記』/西崎憲 ○ 日本海に浮かぶ架空の国家、蕃東(ばんどん)。この国の中世後期あたりの、いくつかの物語。 この国は、「倭国」と「唐」の影響を受けた優雅な文化を持ち、竜が天に昇り骨魚が海を泳ぐ日常に満ちている。 そんな、ファンタジーと共存する『蕃東国年代記』。こういう世界観は、素敵ですねぇ。 著者の西崎憲さん、初読みなんですが、翻訳家でファンタジーノベル大賞を受賞されてたりする方なんですね。 ...続きを見る

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2011/11/08 23:09
『海に沈んだ町』/三崎亜記 ○
『海に沈んだ町』/三崎亜記 ○ あの〈3.11 東日本大震災〉のあと、この『海に沈んだ町』というタイトルの作品を手に取るのは、少々ためらいがあった。 もちろん、全然関係ない。初版は2011年1月だし、雑誌掲載に至っては2009年の夏である。 内容だって、地震や津波ではなく、三崎亜記さん特有の〈日本に似ているけど、明らかに構成のルールが違う世界〉での日常の出来事である。 ...続きを見る

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2011/07/04 22:31
『太陽の庭』/宮木あや子 ◎
『太陽の庭』/宮木あや子 ◎ かつて私は『雨の塔』を読み、その儚い美しさに、息苦しいまでの孤独に、とても心を打たれた。 本作『太陽の庭』は、その『雨の塔』と同じ世界に存在する、別の物語である。 源氏物語の現代版のような物語が、宮木あや子さんによって語り始められる。 だが、次第に物語は、違ったものに変わっていく・・・。 ...続きを見る

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2010/06/21 21:26
『おとぎ話の忘れ物』/小川洋子・樋上公実子 ○
『おとぎ話の忘れ物』/小川洋子・樋上公実子 ○ 〈スワンキャンディー〉という、飴の製造及び小売一筋の店の片隅に、[忘れ物図書室]はある。 あちこちの忘れもの保管所から救い出されたおとぎ話たちが、翻訳され、製本され、静かに並べられている図書室。 さあ、お好みのキャンディーを口に入れ、おとぎ話の世界へ・・・。 樋上公実子さんの絵に合わせて、小川洋子さんが、不思議な物語を描き上げた、『おとぎ話の忘れ物』は、大人のための、スパイスたっぷりのおとぎ話。 ...続きを見る

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2010/04/19 22:22
『刻まれない明日』/三崎亜記 ◎
『刻まれない明日』/三崎亜記 ◎ 十年前、3095人が姿を消した。天災とも人災ともいわれ、詳細が明らかにされないまま過ぎ去ったこの十年、失われたはずの人々は、今はもう存在しない図書館から本を借り、ラジオ局にハガキを送る。この街は、失われた人々を悼みながら、その喪失感と共に生きてきた。 相変わらず、「設定ノート」が見たい作家さんbPですよ、三崎亜記さん! ...続きを見る

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2010/02/17 22:57
『鼓笛隊の襲来』/三崎亜記 ◎
『鼓笛隊の襲来』/三崎亜記 ◎ ふおお〜、三崎亜記さんらしいエッセンスの詰まった、短編集ですね〜。一見、私たちの暮らしている世界と違いはないようなのに、ほんの少しのルールの違いが決定的に世界を全く違うものに変えてしまう。その鮮やかさに、溜息が出てしまう。 『鼓笛隊の襲来』の様々な世界は、哀しいような暖かいような、不思議な味わいがあります。 ...続きを見る

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2010/02/04 23:10
『丹生都比売』/梨木香歩 ○
『丹生都比売』/梨木香歩 ○ 壬申の乱前夜、そして乱に続く天皇家継承の悲劇を描いた、王朝ロマンである。 梨木香歩さんの作品は、ソコソコ読んでますが、珍しい傾向の作品だと思います。でも、どこかほかの作品ともつながるような・・・不思議な感覚です。 ...続きを見る

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2009/10/29 22:48
『ギンノヨル』(「青い鳥少年文庫」vol.4)/長野まゆみ ○
『ギンノヨル』(「青い鳥少年文庫」vol.4)/長野まゆみ ○ 夜間診療所で父と暮らしている少年・ルリ。父が、学校の休暇に合わせて、旅に出ようという。父と旅行に出かけたルリは、ケスという青年と途中合流した。 『オルスバン』・『ヒルサガリ』・『オトモダチ』に続く、青い鳥少年文庫シリーズ最終巻『ギンノヨル』。 ...続きを見る

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2009/09/19 22:39
『少年アリス 改造版』/長野まゆみ ◎
『少年アリス 改造版』/長野まゆみ ◎ 著者長野まゆみさんが、デビュー20周年を記念してデビュー作・『少年アリス』を改造(=セルフリメイク)。 本作・『少年アリス 改造版』のことである。 20年の長きにわたって、水無月・Rの心を捉え続ける作家、長野まゆみさん。繊細に儚く、現実味を削ぎ落とされてゆく少年像。 改造された、その姿や如何に。 ...続きを見る

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2009/07/13 23:11
『薬指の標本』/小川洋子 ○
『薬指の標本』/小川洋子 ○ 痛い痛い痛いぃ〜・・・。 すみません、多分小川洋子さんは、痛くない描写をしたと思うんですが、水無月・Rは小心者でして、痛いのは苦手なのですよ・・・。主人公・私の薬指の先端を失ったそのいきさつのシーンが、現実味が薄かったのに、なんか自分の身に置き換えてしまって、痛くて痛くて・・・。サイダーを桃色に染めて落ちてゆく肉片・・・キャー、勘弁してください! ...続きを見る

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2009/06/24 21:51
『オトモダチ』(「青い鳥少年文庫」vol.3)/長野まゆみ ○
『オトモダチ』(「青い鳥少年文庫」vol.3)/長野まゆみ ○ 『オルスバン』・『ヒルサガリ』の少年・僕は、季節限定営業の《孔雀ホテル》のさよならフェスティバルに行く。 そこで出会った、サーカスの曲芸師の少年・アリオトと『オトモダチ』になる。 長野まゆみさんの、美しくて儚い、そして少しもの淋しい物語。 ...続きを見る

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2009/06/21 21:43
『f植物園の巣穴』/梨木香歩 ◎
『f植物園の巣穴』/梨木香歩 ◎ この心地よいまでの、心もとなさ。 何かがおかしいと思いつつ、どこからどうズレてしまったか分からない、現実と幻想の合間を漂いゆくかのような、浮遊感。 やっぱりイイですねぇ〜、梨木香歩さん。 f郷にある植物園に勤める男が、ある日ふと、違和感に気付く。 そこから『f植物園の巣穴』という、不可思議な物語が始まる。 ううむ・・・今回も、まともなことが書けそうにない。多分、感傷的なことを書き散らして終わりそうだ(笑)。 ...続きを見る

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2009/06/10 21:32
『廃墟建築士』/三崎亜記 ○
『廃墟建築士』/三崎亜記 ○ ・・・相変わらず、水無月・R内「設定ノートが見てみたい作家さん」ナンバー1な、三崎亜記さんです。 「廃墟」が「文化の尺度」になるというのは、どういう世界・・・?作品中で滔々と説明されることが、全然理解出来なくて、脳内をするすると通り抜けてしまって。 作品タイトルだというのに、解らなかったのです『廃墟建築士』。自分の読解力に、自信がなくなってきました・・・。 ...続きを見る

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2009/05/13 22:20
『ヒルサガリ』(「青い鳥少年文庫」vol.2)/長野まゆみ ○
『ヒルサガリ』(「青い鳥少年文庫」vol.2)/長野まゆみ ○ 『オルスバン』の少年・僕は、鳥の化身である雨宿(アマヤドリ)に再会する。 ああ・・・再会できたんだ。まだ、少年の域にとどまっていられたんだ・・・良かった。 長野まゆみさんの描く、キラキラと輝く儚い世界。 とある『ヒルサガリ』の出来事。 ...続きを見る

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2009/04/30 22:04
『オルスバン』(「青い鳥少年文庫」vol.1)/長野まゆみ ○
『オルスバン』(「青い鳥少年文庫」vol.1)/長野まゆみ ○ 少年のもとを訪れたのは、鳥の化身たちであった。 長野まゆみさんの描く世界は、不思議に半透明である。薄曇った雲母をちりばめて、華奢で儚い夢が、そこにある。 『オルスバン』は、そんな短編を1編だけ載せた不思議な作品である。 ...続きを見る

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2009/04/06 22:48
『大人のための怪奇掌編』/倉橋由美子 ◎
『大人のための怪奇掌編』/倉橋由美子 ◎ 倉橋由美子さんは、2005年に没している。 不条理な幻想色の強いファンタジー、シニカルなエロス、ギリシャ神話や日本神道神話など神の実在化など、怖ろしくも美しい、ダークな世界を描いてこれほど綺麗にはまる作家を、私は他に知らない。 背後にある血の匂い、暗黒を秘めた灯り、だが表面は、サラサラとしている。まさに、『大人のための怪奇掌編』である。 倉橋さんが、あちら側へ逝ってしまったのが、とても残念だと思う。もっと倉橋さんの幻想世界に彷徨いたい、あの闇に取り囲まれて竦んでみたいという、その思いは、空... ...続きを見る

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2009/03/02 23:21
『猫を抱いて象と泳ぐ』/小川洋子 ◎
『猫を抱いて象と泳ぐ』/小川洋子 ◎ チェス盤の下にもぐりこんで、相手の駒を置く音で位置を判断し、自分の駒を進める、独自のスタイルを貫いた、リトル・アリョーヒン。 彼の数奇な人生が、美しいチェスの棋譜にも似た、優しく輝かしいファンタジーで描かれている。 小川洋子さんは、こういったファンタジー系が好きです、私。 ...続きを見る

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2009/02/12 22:22
『酔郷譚』/倉橋由美子 ○
『酔郷譚』/倉橋由美子 ○ 2005年に永眠された、倉橋由美子さんの遺作、『酔郷譚』。 倉橋さんの「桂子さんの物語」シリーズですねぇ。人間の女性とも、妖怪変化とも知れぬ桂子さんの紡ぎだす幽境の物語は、過去に楽しませて頂きましたが、今作の主人公は桂子さんではなく、桂子さんの結婚相手の入江さんの孫、慧君です。 ...続きを見る

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2008/12/28 21:58
『雨の塔』/宮木あや子 ◎
『雨の塔』/宮木あや子 ◎ 家や一族の企業のために「使われ」る、妾腹の娘や訳ありな娘たちが集められている、全寮制女子学校。大学に当たるその四年間、全く外へ出ることが出来ず情報からも隔離される、陸の孤島。そこで出会った4人の娘たちの、美しくも儚く哀しい孤独。 ・・・こういう雰囲気、すっごく好きだわ〜。宮木あや子さんの世界に、どっぷりハマって読みました。 ...続きを見る

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2008/11/07 21:58
『海』/小川洋子 ◎
『海』/小川洋子 ◎ 『夜明けの縁をさ迷う人々』を読んだ時に、【今日何読んだ?どうだった??】の麻巳美さんにお勧め頂いた、小川洋子さんの『海』。 麻巳美さんのお勧めなら間違いなし〜!と期待満々で読みました。 ・・・おお〜、素晴らしい!これはいいです、ホントに。 ...続きを見る

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2008/10/22 23:50
『夜明けの縁をさまよう人々』/小川洋子 ◎
『夜明けの縁をさまよう人々』/小川洋子 ◎ 小川洋子さんの描く不思議な世界。一見、普通に私たちがいる現実世界のことのようなのに、いつの間にか、何かがズレてる。物語の登場人物たちは、夢の世界と現(うつつ)の世界のあわいを漂っているかのような・・・。 まさにタイトルどおりの世界を感じさせる『夜明けの縁をさ迷う人々』はそんな、美しかったり、グロテスクだったり、そこはかとなく暗黒調だったりする、ファンタジー短編集ですね。 ...続きを見る

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2008/10/15 22:09
『スカイ・イクリプス』/森博嗣 ◎
『スカイ・イクリプス』/森博嗣 ◎ 〜〜綺麗だ。   濁ったものはここにはない。   なにもかも、   消えてしまったから。   美しい。   空しかない。〜〜 (本文より引用) 空で、戦闘のダンスをすることでだけ、生命の現実感を得ることが出来る〈キルドレ〉達。 彼らは、思春期の姿のまま、永遠に生き続ける。 ...続きを見る

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2008/09/14 23:24
『カルトローレ』/長野まゆみ ◎
ははぁ〜。これは、好みが分かれるなぁ〜。私は、かなりこういうの好きだけど・・・。 作中にも出てくる複雑なクロシェ編み(鉤針編み)のように張り巡らされた設定。そして回収されることのない伏線。すべては、読者の気持ち次第で。 そんな、不思議な浮遊感のある世界を描いた、長野まゆみの『カルトローレ』。 感想やあらすじを語るのは、すごく難しい。 ...続きを見る

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2008/07/06 23:23
『クレィドゥ・ザ・スカイ』/森博嗣 ◎
〜〜ここにあるのは、   空気、   二機の飛行機。   そして、見つめあう目だ。〜〜 (本文より引用) 記憶が欠如というよりかすれている、〈キルドレ〉の「僕」。 僕はいったい誰なのか。そんなことは、どうでもいい。ただ、無性に空を飛びたい。なのに・・・。 は、永遠の子供・・・だったはずだが。 ...続きを見る

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2008/04/14 23:01
『フラッタ・リンツ・ライフ』/森博嗣 ◎
〜〜なにも欲しくない。    誰のためでもない。    誰も褒めてはくれない。    ただ、飛び続けたい。    僕が僕であり続けたい。    生きているかぎり。〜〜   (本文より引用) 永遠の子供、〈キルドレ〉。空で戦闘機を駆っている時だけしか、自分の存在を確実に感じられない。「僕」は、何のために、空を飛ぶのか。何故、僕たちは空を飛びたいのか。 ...続きを見る

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2008/04/07 22:42
『おわりの雪』/ユべール・マンガレリ ○
少年の孤独。病に伏せる父親。養老院の老人たちと管理人。囚われのトビ。冬の雪原と犬。 ぼくは少年時代を回顧する。そこに流れゆく、静かに降り積もる淋しさ。 この淋しさは、悲しいまでに美しい。回想だからこそ、昇華されて。何かがすり替わったのかもしれないけれど。 でも、ぼくの中ではそれは、美しい思い出なのだろう。 ...続きを見る

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2008/03/20 21:49
『ダウン・ツ・ヘヴン』/森博嗣 ◎
〜〜真っ黒な    澄んだ瞳。    その中に、    空がある。    そこへ    墜ちていけるような。〜〜   (本文より引用) 永遠に子供のまま、成長しない、キルドレの僕・草薙水素(クサナギ・スイト)。戦闘機で空を飛ぶその時だけ、生を実感できる。・・・それなのに。 ...続きを見る

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2008/03/17 23:09
『ナ・バ・テア』/森博嗣 ◎
〜〜僕は、    空で    生きているわけではない。    空の底に沈んでいる。    ここで生きているんだ。〜〜   (本文より引用) 前作『スカイ・クロラ』と同様、〈キルドレ〉であるパイロットの「僕」が主人公。空にいる時だけ笑うことが出来る。地上にいる時は息苦しい。 ...続きを見る

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2008/03/13 23:49
『スカイ・クロラ』/森博嗣 ◎
〜〜僕はまだ子供で、    ときどき、    右手が人を殺す。    その代わり、    誰かの右手が、    僕を殺してくれるだろう。〜〜   (本文より引用) この夏、押井守監督で映画化(アニメ)されるそうですね。見てみたいなぁ。押井さんなら期待以上の作品に作ってくれそうな気がする。 ...続きを見る

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2008/02/12 21:58
『悪魔の薔薇』/タニス・リー ◎
現代のシェヘラザード姫、タニス・リーの幻想怪奇短編集ですよ! 素晴らしいですね〜、『悪魔の薔薇』。 仄暗い世界に揺らめく、人とも獣とも妖魔ともつかぬ「もの」達。闇に浮かぶ、かぼそい金銀の操り糸。人の心の裏側をえぐる、繊細な描写。 ダークファンタジーの真骨頂とは、このことですよ! (あ〜あ、とうとうタニス・リーにも悶えるようになってしまったか、水無月・Rよ。) ...続きを見る

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2007/11/21 22:09
『高丘親王航海記』/澁澤龍彦 ○
水無月・R、感動の名作、宇月原晴明の『安徳天皇漂海記』で重要な参考資料とされていた作品です。 でも、作品カラーは全然違いましたねぇ〜。なんかね、非常に軽妙な感じでしたよ、『高丘親王航海記』。澁澤龍彦って言うと、なんだか難しい作品を想像してたんですが。『安徳天皇漂海記』とリンクしてたのは、南海(インド洋)を彷徨うところぐらいだった気がします。 ...続きを見る

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2007/10/26 22:12
『少年アリス』/長野まゆみ ◎ (再読)
長野まゆみのデビュー作です。 奥付を見ると1989年初版とあります。出版とどちらが先だったのかわからないのですが、同じ頃にNHKのFMでラジオドラマが放送されていました。 それを聴いた時の衝撃は、未だに忘れられません。独特の世界観、そして、「少年」という繊細で美しく現実感のない存在。 音だけで構築されるその世界に、あえやかに描きだされる、はかなくも淡い色合いの情景。 そして、そのラジオドラマのタイトルと同じ『少年アリス』を図書館で発見したとき、他の借りたい本のことも忘れて貸出カウンターへ... ...続きを見る

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2007/10/23 00:18
『廃帝綺譚』/宇月原晴明 ◎
イザナギ・イザナミ神の産みたもうた長子(だが子とは数えられていない)、「水蛭子(ひるこ)」。天皇家代々に伝わる「3種の神器」とは別に、天子を護る類なき秘宝として受け継がれてきたその「水蛭子〜真床追衾(まことのおうふすま)〜」の玉に包まれ、大海を漂い、怨念を浄化させた安徳天皇。その物語が、前作『安徳天皇漂海記』である。 宇月原晴明、『廃帝綺譚』。 『安徳天皇漂海記』の終焉部でマルコ・ポーロが南海の「水蛭子の島」から持ち帰った「水蛭子」の一部分が、元朝亡国、明の建国、そして明朝の没落を経る、第1... ...続きを見る

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2007/09/20 23:04
『みずうみ』/いしいじんじ ◎
ひそやかに水をたたえる、静かな『みずうみ』の物語。こういう、静謐な感じの漂う物語って、大好き・・・。 コポリ、コポリ・・・と、月に1度あふれ、村を潤す、みずうみ。村の家には、水の眠りをただよう人が必ず1人ずついる。みずうみから水があふれる日、眠り続ける人も口から水を溢れあふれさせながら、様々なとりとめのない話を、語る。語り手・ぼくは一家の水汲みであり、不思議な生物・ジューイの世話係であり、後にみずうみに寄りそう鯉の家の旦那になる。ぼくの兄は、村でも類まれなほどの深い水の眠りにある人である。 ... ...続きを見る

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2007/09/18 22:01
『安徳天皇漂海記』/宇月原晴明 ◎
今日ほど、自分の文才のなさを悔やんだことはありません。こんなにいい作品に出会えたのに、それを言葉にすることが出来ない。どう表現したらいいのか判らない。新聞の書評に『廃帝綺譚』があり、その中で前の作品として紹介されていたのが『安徳天皇漂海記』でした。「書評で結構興味を引いたけど、それがホントに自分の好みに合う作品かは、読んでみんと判らんよな〜」、と思っていたのです。 そしたら、すごく、よかった。表現のしようがないほど。 ...続きを見る

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2007/08/31 23:39
『銀色の愛ふたたび』/タニス・リー ○
タニス・リーの代表作(と勝手に水無月・Rが思っている)『銀色の恋人』の続編です。と言っても米国での刊行は24年の間が開いています。日本での刊行はどうなんですかね。水無月・Rが最初に読んだタニス・リーが『銀色の恋人』でしたから、少なくとも20年ぐらい前には日本で翻訳出版されてたと思われます。 今回、ハヤカワ文庫から『銀色の恋人』(再版)・『銀色の愛ふたたび』そろって発行されたようです。 ...続きを見る

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2007/08/06 22:49
『あめふらし』/長野まゆみ ◎
読み始め、あれ・・・?なんか知ってるぞ、市村…と思ったら、やはり『よろづ春夏冬中』の市村兄弟の弟じゃありませんか。あの、ちょっととぼけた、異界モノを引き寄せちゃう体質の。 市村・弟くん、今回も困った?立場に立たされるのですが、相変わらず飄々と流されていきます。私、こういうキャラクター好きだなぁ。妖物に取り囲まれて困ってるのに、なぜか天然ボケ的な運の良さ?悪さ?で、それを抜け出してくるんだけど、実は余計状況は絡まっちゃってる、みたいな。いや、実際こういう人が私のそばにいたら、とても困るんだけど、... ...続きを見る

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2007/07/30 23:44
『西の魔女が死んだ』/梨木香歩 ○
魔女になるためのトレーニングとは、精神力を鍛えるもの。早寝早起き、シッカリご飯を食べること。運動をし、規則正しい生活をすること。 小学生長男の代わりに『怪談レストラン』シリーズを探すため、図書館の児童書コーナーへ行きましたところ、『西の魔女が死んだ』を見つけ ました。 ...続きを見る

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2007/07/10 21:05
『失われた町』/三崎亜記 ○
三十年に1度、1つの町から人が全て消失する。そこで生活していた人々は、自分達が失われることを知りつつ、「町」の影響下にあるため、助けを求めることも、阻止することも出来ない。そうやって、消滅は繰り返されてきた。失われた人々を惜しみ嘆くことは、「余滅」を引き起こすとして、忌避されている。 そんな「町」と対抗する組織「消滅管理局」。「町」は意思を持って、人々を引き込もうとする。 ...続きを見る

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2007/07/09 21:50
『メルカトル』/長野まゆみ ◎
久しぶりに、長野まゆみの幻想系作品です。リアル感の薄い、幻想的で繊細で、美しい物語です。ああ、いいですねぇ、こういうの、大好きです。 ...続きを見る

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2007/07/01 22:56
『この庭に 〜黒いミンクの話〜』/梨木香歩 ○
『りかさん』、『からくりからくさ』に微妙に続く、物語のようです。とはいえ、上記2作品とはあまり関わりがなく、『からくりからくさ』で産まれた、マーガレットの子供の見た夢の話、のような、そうでないような・・・。 ...続きを見る

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2007/06/27 22:02
『カルプス・アルピス』/嶽本野ばら ◎
ヤンキーちゃんとロリータちゃんで有名な?嶽本野ばらさんです。『下妻物語』は面白かったな 。『ハピネス』も。 なので、今回もロリータチックなお話を想像しておりました。 そしたら、全然違いました。でも、美しい文章は全く予想を裏切ることなく、物語を綴ってくれました。 ...続きを見る

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2007/06/16 22:59
『村田エフェンディ滞土録』/梨木香歩 ◎
ブログを始めて、読むようになった作家、梨木香歩さんの作品です。流れるような美しい文章を書かれる作家さんですよね〜。こういう美しい文章は、いいなぁ。読んでいて、安心感がとってもある。以前読んで、非常に感銘を受けた、『家守綺譚』 に出てくる「土耳古(トルコ)へ招聘された学者」が、主人公の村田さんな訳です。その村田さんの「土耳古日記」が本書、『村田エフェンディ滞土録』ということになりますね。 ...続きを見る

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2007/06/12 22:44
『箪笥のなか』/長野まゆみ ○
あれ?いつもと感じが違います。いわゆる「美少年話」じゃないですね。長野まゆみ特有の、美しい文章は健在ですが。 ...続きを見る

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2007/04/22 22:10
『鏡の森』/タニス・リー ○
おしい!非ッ常〜におしい!タニス・リーの「ダークさ」が変に緩められてしまってる。白雪姫とギリシャ神話を下地にダークファンタジーを描いてると思うんだけど、何だか、物足りないのですよ。なんだろう、何が足りないんだろう・・・。 ...続きを見る

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2007/04/15 23:27
『バイティング・ザ・サン』/タニス・リー ◎
アンドロイドやロボットが人間に奉仕し、人間は快楽にのみ生きる未来都市。人は死なず何度でも生命を復活され、外見や性別までも自由に変え、砂漠の中の巨大ドームの中でのみ生活する。奔放に生きる青年期・ジャング達は、破壊・狂乱をつづけるが、都市はそれをも包み込み、平穏に管理を続け、ただ人を生かしていく。 ...続きを見る

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2007/04/09 01:13
『賢治先生』/長野まゆみ ◎
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をモチーフに、『賢治先生』が駅で「銀河鉄道」の夢を見る、という物語。 長野まゆみらしい美しい文章で、幻想的な雰囲気を語った、すがすがしい作品です。 ...続きを見る

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2007/03/28 22:10
『時の旅人』/長野まゆみ ◎
関東大震災で80年未来へタイムスリップしたチカホの「リュウグウノツカイ」。 昭和48年から13年過去へタイムスリップしたウシホの「タマテバコ」。 2069年から100年を遡ったリクの「トコシエノタビ」。 この3つの時間旅行を描く『時の旅人』。 ...続きを見る

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2007/03/26 22:27
『翼を広げたプリンセス』/タニス・リー ○
「ウルフタワーシリーズ」最終巻、『翼を広げたプリンセス』。今まで水無月・Rが読んできたタニス・リーのダークファンタジーとはちょっと傾向の違う、ジュヴナイル向けのファンタジーである。 ...続きを見る

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2007/03/22 21:48
『家守綺奇譚』/梨木香歩 ◎
湖で行方を断った親友の実家の管理を任された、物書きの私・綿貫征四郎。引っ越してすぐに、床の間の掛け軸の絵から親友・高堂があらわれる。高堂は、庭のサルスベリが私に懸想をしているという。そこから、私の植物にからむ物語が短編連作で始まる。 ...続きを見る

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2007/03/21 22:07
『二人のクライディス』/タニス・リー ○
前巻で動き回る迷宮<ライズ>から脱出した主人公、クライディ。恋人であるアルグルの元へ戻ろうと、スターに乗って移住の民ハルタのところへたどり着く。ところがハルタの一族には、クライディがさらわれた振りをして「シティ」に戻ったと思われていて、冷たい態度で拒否された上に、アルグルが一族を離れた事を聞かされる。アルグルを追って、旅を始めるクライディ。ある町でアルグルにめぐり会うが、アルグルはクライディに対して冷たい態度をとり続ける。クライディを追ってきた謎の男、ゼリーはアルグルと旅を続けるクライディに付か... ...続きを見る

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2007/03/09 23:31
『ライズ 星の継ぎ人たち』/タニス・リー ○
『ウルフ・タワー』シリーズ第2作目。主人公クライディは放浪の民のリーダー・アルグルとの結婚式直前、ウルフタワー脱出の際に騙した<シティ>の護衛に攫われる。しかし、ウルフタワーのある<シティ>に辿り着くことはなく、<ライズ>へと連れ去られる。『ライズ 星の継ぎ人たち』では、更に数奇な運命をたどるクライディ。 ...続きを見る

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2007/02/26 22:08
『ウルフ・タワーの掟』/タニス・リー ○
ダークファンタジーの女王、タニス・リーを久しぶりに読んだ。学生時代『パラディスの秘録』シリーズや『銀色の恋人』などを読んで、耽美な幻想世界に浸ったものである。今回の『ウルフ・タワーの掟』は耽美 な幻想世界というよりは明るいファンタジー的である。 ...続きを見る

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2007/02/25 22:10
『海猫宿舎』/長野まゆみ ◎
近未来の物語なのだろうか。日々悪化する自然環境に適応できない、カラダの弱った子供たちの療養施設『海猫宿舎』に、新しい先生が現れる。 新しい先生の住む灯台に現れる、常人には見えない白いひげの老人は誰なのか? ...続きを見る

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2007/02/14 21:49
『夜市』/恒川光太郎 ◎
異界とつながる『夜市』では、なんでも手に入る。が、何かを買わないと、そこから出られない。 少年時代、弟と2人でそこに迷い込んだが買う金を持たず、弟を売って「野球の才能」を買い、逃れた男が再び「夜市」に入り、自分を売って弟を買うというが・・・。 ...続きを見る

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2007/02/04 22:12
『よろづ春夏冬中(あきないちゅう)』/長野まゆみ ○
う・・・・やられた。『よろづ春夏冬中』は,長野まゆみの少年愛系の短編集である。水無月・Rは、長野まゆみ作品が大好きである。だが・・・これは・・・。 ...続きを見る

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2007/02/01 21:44
『鳩の栖』長野まゆみ ◎
水無月・Rが20年近く愛読しているのが長野まゆみである。 といっても、いつも読んでいるわけでなく、数冊読んでは何故か間が2〜3年あく。 愛好家達の間では「長野ワールド」と呼ばれているらしい、不思議な雰囲気(昭和初期のゆったりとした時間の流れを感じさせるもの)をいつも読み続けていると、浮き世離れしすぎる心地がするからだろうか。 ...続きを見る

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2007/01/22 20:53
小川洋子『貴婦人Aの蘇生』 ◎
剥製猛獣館に私と共に暮らす伯母は、皇女アナスタシアを装う。 小川洋子『貴婦人Aの蘇生』は、未亡人となった伯母と共に、伯父の遺産である剥製のあふれる洋館で暮らす「私」が、伯母の亡くなるまでを描いた物語である。 ...続きを見る

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2007/01/19 22:47
三崎亜記「バスジャック」 ◎
三崎亜記『バスジャック』 ◎ ...続きを見る

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2007/01/15 00:16

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