『シェルシーカーズ・上』/ロザムンド・ピルチャー ◎

若き日をイギリスのコーンワル(コーンウォール)で過ごした、画家の娘ペネラピ。様々な人生の試練を経て、今は年老いてコッツウォルドに一人で暮らしている。
そのペネラピが心筋梗塞の発作を起こして入院した病院から退院してきたところから、物語は始まる。

 おりしも、ペネラピの父「ロレンス・スターン」が再評価され、その作品の価格は想像も付かないところまで上がっていた。ペネラピの子供たちナンシーとノエルは、母の見舞いにかこつけコッツウォルドを訪問し、自分達に相当なおこぼれが来ることを期待して、ロレンスの作品『シェルシーカーズ』(貝を探す子どもたち)を売る ことを提案する。だが、ペネラピは、そんな子供たちに嫌気がさしていた。
 ペネラピは、かつて第2次世界大戦時を過ごしたコーンワル訪問の必要性を、を何かに急かされるように感じていた。

ペネラピを中心に、関係する子供たちの事、かつての夫の回想や、もう一人の娘オリヴィア、その昔の恋人コズモ、そしてコズモの娘アントーニアのコッツウォルド滞在、などがロザムンド・ピルチャーの巧み な筆致によって、それぞれに色々な時代を背景に語られていく。上下巻に分かれての、上巻はペネラピの人生を前後しながらもなぞる形で、進んでいった。

2段組、各400ページ前後の上下2巻、非常に重厚な物語で、とても上下まとめての感想は書けそうにない。読むのに、相当時間が掛かってしまって・・・。なので、今回は各巻に分けて感想をUPすることにした。

 濃厚な物語だが、重すぎず、美しさに満ちている、と申し上げよう。ペネラピの人生には若さ故の正しくない結婚があったり、戦争や父母の死があったりと、ちょっとメロドラマ的な部分もあり、少々鼻についたのは否めない。が、自然を愛し、庭の丹精に尽くし、常に周りに優しい視線を向け続けたペネラピに、女性としてというよりは人間として、素晴らしいと感じた。但し、共感出来るかというと、難しいのだけれど。水無月・Rはそこまで人間が出来てないので。

 まだ、下巻は読んでいる途中である。だが、すでにこの時点で言い切れる。『シェルシーカーズ』は、素晴らしい。主人公ペネラピやペネラピを取り囲む人々の人生が潔く語られ、美しい自然、郷愁、そして希望がちりばめられたこの作品は、読むに値する。・・・まあ、時間があるときでないと取り組めないぐらいの大作ではあるのだけれど。ちなみにこの本は「朝日新聞書評」(←またかい)を見て、興味を惹かれたため、読み始めたものである。

(2007.2.19 上巻読了)
シェルシーカーズ(上巻)
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著者:ロザムンド・ピルチャー/中村妙子出版社:朔北社サイズ:単行本ページ数:397p発行年月:199


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