『重力ピエロ』/伊坂幸太郎 ◎

水無月・Rの伊坂幸太郎作品2冊目です。
28年前、私の母は連続強姦事件の被害者になった。その結果、弟は生まれた。加害者は捕まったが、未成年だったため、更正施設に送られただけで、数年後には自由の身になった。

ある日、壁の落書きを消す職業をしている弟から連絡があり、最近仙台市内に多発している放火事件と落書きに関連性があると告げられる。現場を予測した弟に呼び出された私は、放火の瞬間こそ見なかったものの、燃えるビルと怪しい人影を見る。

癌に侵され入院中の父親も巻き込んで、私と弟は放火と落書きの関連性から導き出される暗号を解き始める。物語が進むにつれ、暗号はDNAを生成する塩基を示していることが分かってくる。
私は、遺伝子研究関連の会社に勤めている。ある男のDNAと弟のDNAを検査に出す。検査結果は予想通り、男と弟は血縁関係にあると判明。そして、弟はその男に放火現場の写真を送りつけ、呼び出し、28年前の事件の反省を促した。が、男は反省どころか、覚えてすらいなかった。結果、弟は、男を殴り殺した。兄である私と父、そして父の依頼で放火現場と強姦事件の現場の一致を確認していた探偵だけが、真実を知っている。誰も、真実を明かさない。「マラリア療法」だから。

『重力ピエロ』というタイトルは、昔一家で見に行ったサーカスで、ピエロの空中ブランコを見た父の一言「重力は消えるんだ」から来ている。 ~~ピエロは重力を忘れさせるために、メイクをし、玉に乗り、空中ブランコで優雅に空を飛び、時には不恰好に転ぶ。何かを忘れさせるためだ。~~ 私は、自首するという弟を思いとどまらせるために、その言葉を心に思い浮かべながら説得をする。

途中から、放火犯も、弟と男の関係も見えてきたので、中だるみしてしまったが、最後のほうで私が必死に弟を説得しているシーンには、胸が熱くなった。弟と父の血の繋がらないことも関係のない強い絆、弟と私の深く信頼し合う気持ち(最強の兄弟!)、まさに「何だよ、遺伝子、関係ねえじゃん!」である。

しかし、コレを読んだ皆さんは、DNAについての色々な知識を、自分のものにしてるんだろうなぁ・・・。水無月・R、読んでるときは「DNAを生成する塩基は・・・」「テロメア」「細胞のアポトーシス」などを分かったつもりになってたが、読了後、塩基の名前一つも、テロメアのアルファベットの順すら言えないことに気が付いた。
ッて、ダメじゃん、水無月・R!だから無教養なんだよ・・・(-_-;)。
つらつらと上っ面ばかり読んで分かった気になってるが、全然身についてないじゃん。全部を理解するのは無理としても、少しだけでも頭に入れて、教養を増やさないと。脳みそ使わないと、溶けてなくなっちゃいますよね・・・。

(2007.2.28 読了)
重力ピエロ
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新潮文庫 著者:伊坂幸太郎出版社:新潮社サイズ:文庫ページ数:485p発行年月:2006年07月この


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この記事へのコメント

2007年03月01日 17:15
TB、ありがとうございましたm(__)m

この作品は、何度も読み返したいと思います。
読み返すたびに新しい発見があるような気がします。
それにしても、伊坂さんって博識ですよね。
私に知識があれば、もっと楽しめるのでは?と思ったりします。
ちょっとしたジョークや比喩に気付いていないかも・・じゃなくて、結構ある気がします^^;
2007年03月01日 22:31
コメントありがとうございます!
そうなんですよね。伊坂氏の文章って、色々含まれてるなぁと気付きつつ、もっと自分に教養があったら!もっと面白いのかも!と私も感じてます。
ちなみに『オーデュボンの祈り』に出て来た伊藤青年がちょっとだけ出てきましたね。相変らず妙に浮き世離れしてる感じがよかったです。
2007年07月07日 10:16
こんにちは。
もう随分と前に読んだ作品で、自分の記事を読んでも内容を思い出せなかったんですけどね。何せとんでもなく稚拙な感想でして^^;;;
水無月・Rさんの記事を読んで、蘇ってきました!&もう一度、再読したくなりました。
私もこの作品に限らずなんですが、専門用語が出てくるものは読んでる時は知識を習得したような気分になりますが、読み終わると覚えていない・・・ということが、殆どです・・・^^;
2007年07月07日 21:59
すずなさん、こんばんは(^^)。
TB&コメント、ありがとうございます!
きっと、何回か読むことで、また印象や、読後感も変わってくるんじゃないか、と思える、いい作品でしたよね。
と言いつつ、読みたい本のリスト、山積みの身としては、再読は何時になることやら(笑)。

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  • 重力ピエロ(伊坂幸太郎)

    Excerpt: 主人公は街の”落書きを消す”仕事をしている弟から、落書きと連続放火との関連性を教えられます。そして、その弟や父親と落書きの意味を探っていくうちに・・・。 Weblog: Bookworm racked: 2007-07-07 10:17
  • 『重力ピエロ』伊坂幸太郎 を読んで

    Excerpt: 重力ピエロ (新潮文庫)伊坂幸太郎 内容紹介 ルールは越えられる。世界だって変えられる。読書界を圧倒した記念碑的名作。文庫化にあたり改稿。 兄は泉水、2つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去.. Weblog: そういうのがいいな、わたしは。(読書日記) racked: 2008-05-18 12:29