『世界のすべての七月』/ティム・オブライエン(村上春樹訳) ○

1969年に大学を卒業し、31年目の同窓会(2000年)で、様々な人間関係が洗い直しされる。
離婚に傷ついた女たち。死亡した人たち。太りすぎで心臓病をわずらう男、2重結婚生活を送る女、1969年に徴兵(ベトナム戦争)忌避をした男、その男を見捨てた女。信者の家に不法侵入して職務追放された女、不倫の末に相手が死んでしまった女、ベトナム戦争で足を失い天使?と取引した男、その男と離婚した女。その他、合衆国州副知事や、ノーベル賞候補の化学者、高名な医師、元バスケット部の花形で今は主婦、計理士、ルター派宣教師などが、31年の年月を経て、「あの頃」と「今」を振り返り、溝を埋め、溝を広げる。

ティム・オブライエンは、初めてです。っていうか、海外作品は、あまり読まないんですよね。例によって、「新聞の書評」で面白そうと思ったのがきっかけで、リスト入りした本です。翻訳者の村上春樹によれば、『世界のすべての七月』は、アメリカで「駄作」と評されてるそうです。う~~ん、そうかなぁ?結構面白かったですよ。

 ただ、とにかく登場人物の数が多くて、しかも説明が少ないうちにどんどん増えていくという、群像劇によくあるパターンで、「あれ、この人何の人だっけ?」っていうのが、最初は多かったです(水無月・Rの脳みそのキャパが少なすぎなのかも)。なので、恥ずかしながら、登場人物の概要一覧(過去・現在・人間関係)を紙に書いて、読んでいました・・・(笑)。

1960年代は、彼らにとって輝かしく、力強い時代だった。そこから、31年を過ごして50代にさしかかり、失ってしまった「情熱」や「人生に対する夢や希望」、挫折、後悔、そして、やり直しへのささやかな希望が描かれていた。まだ30代の水無月・Rには実感できない、人生は折り返してしまったのだというやるせなさが、それでも生きていく力強さが、人間の粘り強さなのかな、なんて思ったりします。

しかし、50代になっても、愛や性的関係というのは、重要なファクターなのですねぇ、なんて変な感想を持ってしまいました。ほとんどの登場人物たちの抱える問題が、これらなのですよ。そういうものなのですかね?愛が全てではないけど、愛がなくては生きるヨロコビがない、って感じなのでしょうか?

(2007.4.20 読了)
世界のすべての七月
楽天ブックス
著者:ティム・オブライエン/村上春樹出版社:文藝春秋サイズ:単行本ページ数:477p発行年月:200


楽天市場 by ウェブリブログ



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック