『家守』/歌野晶午 ○

あ~~、え~~と、どうしちゃったんでしょう?、歌野晶午サン? 『ジェシカが駆け抜けた7年間について』『葉桜の季節に君を想うということ』を読んで、歌野晶午!やってくれるじゃん!と、気持ちよく騙された、あの予想外などんでん返しが、見当たらない。短編集だからかしらん。・・・ちょっと、残念です。

<家>にまつわる、ミステリー短編集ですね、『家守』。「人形師の家で」「家守」「埴生の宿」「鄙」「転居先不明」、確かに引っ掛けネタはあるが、今ひとつ物足りません。もちろん、ミステリーとして良い出来だと思うんですけどね。『ジェシカ~』『葉桜の~』で、度肝を抜かれた、あのどんでん返し、どこに行っちゃったんだろう。期待していた分、ちょっとガッカリなのです。

<家>・<死体(殺人)>・<妄執>が絡みあって、それぞれのストーリーを形成する。
「人形師の家で」では、山奥の洋館・幼い頃行方不明になった友人・人形作りのピグマリオンの夢、
「家守」では、道路拡張から立ち退き了承しない家・土地の権利を持つ妻の死・30年前に誘拐された妹、
「埴生の宿」では、意外なところに作られた家・地方老人の相手を勤める学生の死・老人家族の体面、
「鄙」では、辺境の村の一家のような共同体・10年ぶりに帰郷した男の死・共同体の思惑、
「転居先不明」は、惨殺事件のあった家・惨殺事件の真相・そしてその家を買った男の本音。

どれもが、暗~く絡み合って、恐ろしいのですが。何だかヒネリが足りない。
多分、他の作家さんだったら、ココまで「残念残念」を繰り返さないと思うんですよね。歌野晶午氏だから、何かやってくれるんじゃないかと、あの「読者の誤認識」を逆手に取ったトリック、短編だと難しいんですかね?

(2007.5.20 読了)
家守 (光文社文庫)
光文社
歌野 晶午


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