『ダンテ・クラブ』/マシュー・パール ○

長編だったな~。376ページ2段組みですよ。しかも、水無月・Rの無教養さがモロバレの「史実に基づいたフィクション(しかも外国)」です・・・。
えっと~、ダンテの『神曲』、読んだことないです。内容はなんとなく聞いたことありましたが。アメリカ文学も、全然知らない分野ですね~。ワーズワース・ロングフェローぐらいは知ってましたが、それも名前だけ。作品はね~。
いえ、知らなくても全然大丈夫です。ざっと大まかな背景などは、作品中で素人にも分かりやすく説明されますので。作者マシュー・パールはダンテ研究者だそうです。

南北戦争直後の、ボストン・ケンブリッジ。アメリカの国民的詩人・ロングフェローは、イタリアの大詩人・ダンテの生誕600年記念祭に「アメリカ版翻訳『神曲』」を寄贈するために、ダンテを愛するアメリカ文学界の重鎮を集めて『ダンテ・クラブ』を結成し、翻訳を推し進める。が、ハーヴァード大学では「アメリカの文学を自国のものに限定する」という風潮が主勢を握っていた。
そんな中、ボストン内で不審な拷問死が連続する。クラブメンバーのホームズはそれが「地獄篇」の責苦を模したものであることに気付き、クラブメンバーは「ダンテを忌まわしいものとする試みに対抗するため」、独自の調査を始める。

各々の知力を結集し犯人・ルシファーを推理し、動向を追い探し、またダンテ翻訳を妨害する勢力と攻防を続けるうちに、犯人像が浮かび上がってくる。南北戦争を経た軍人が、ダンテを汚すためではなく、『神曲』翻訳を擁護するために、次々と殺人を繰り返しているという、恐るべき事実に。
しかも、その魔手はダンテ・クラブの面々のすぐそばにあったのだ・・・・。

ん~、ミステリーとしては、少々物足りないな。なんか途中で「うむ?こいつ怪しくない?」と気がついちゃいましたから。ただ、なんでこの人物がルシファーなのか、という根拠が見えてこなかった。最後の方で、一応明かされたんだけど、なんかその説明は物足りなかったな~。
見た目や行動は思慮深く知的ですらあるのに、文字が読めないというのは、一種の脳とかの障害なのかな?それゆえにというか、いったん思い込むと激しく反応して、行動に走ってしまった、ってこと・・・?

それとですね、地獄の責苦が結構グロテスクでね~。生きながら虫に食われたり、足に火をつけられたり、体を切り裂かれ顔をそぎ落とされたり、氷に付け込まれたり・・・うわっ書いてて、ちょっと胸がつかえてきたわ・・・・。(耽美は好きだけど、グロテスクは苦手です・・・)

それらをクラブの中で一番多く目にしてしまうのが、ウェンデル・ホームズ。一番俗人で小心者。けど、一番親しみが持てたな~。人間、自分の保身が一番で何が悪いざんすか?人間的じゃありませんか、ホームズ先生。詩人で編集者で医学教授、家では兵役に行った息子とそりが合わず、大学では理事会から圧力をかけられ、出版した作品は評判がいま一つ。そんなホームズだけど、一番頑張ってたと私は思います!

(2007.09.29 読了)

ダンテ・クラブ

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック