『コドモノクニ』/長野まゆみ ○

アレレ・・・?何だか変な感じ。長野まゆみさんらしい感じが、あまりしません。主人公の私が女の子だからでしょうか?

小鳥を飼うことになって、中学生である私の色々な出来事を、鳥を絡めたり絡めなかったりしながら丹念に描いていく短編の集まり、「小鳥の時間」。
昭和中期(40年代)ごろ、小学生の私の身の回りでおこった事を、細かく描いていく短編の集まり、「子どもだっていろいろある」。
その私が、小学校5年生の時に10日間だけ転校してきた「せいちゃん」の思い出を語り、最後に高校生になって美術予備校で「せいちゃん」と再会する中篇、「子どもは急に止まれない」。
この3部構成で、物語は組みあがっている。

『コドモノクニ』は、長野作品特有の、透き通った色合いの美しい文章で描かれている。そう、文章は美しい。ただ、何だかストーリーが現実感漂う感じで、期待からどんどん外れていってしまった。「長野まゆみの幻想譚」を水無月・Rは期待してたのだな。BLは苦手だが、透明感のある少年達の不思議な感じを、味わえることを期待してたんだけど・・・。

この主人公・私の設定は、水無月・Rより10年ぐらい前の年代だが、何となく懐かしい感じ。こういう懐かしい感じと言うのは好きだ。具体的にどれとはいえないのだけれど、長野作品で描かれる、ゆったりした時間の流れのような、薄い紗をかけたようなおぼろげな光景がいいと思う。今回、それが少々リアル寄りであったような気がする。主人公の女の子が、水無月・R自身の子供時代に重なることもあり、現実感を帯びていたこと、大阪万博など実際にあったことが書かれていて時代設定がハッキリしていたことも、普段の長野作品の童話風な掴みどころのない雰囲気から外れてしまっていて。・・・ちょっと残念。

(2007.5.29 読了)
コドモノクニ
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著者:長野まゆみ出版社:河出書房新社サイズ:単行本ページ数:173p発行年月:2003年04月この著


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