『フィッシュストーリー』/伊坂幸太郎 ◎

皆様、明けましておめでとうございます。今年も是非によろしくお願いいたします。
さて、久し振りに、伊坂幸太郎です。いやぁ~、ホント読み応えがありますねぇ、伊坂さんは。まだ数作しか読んでないんですが、あちこちで登場人物が関係し合ってるんですよね。それを発見するのが、結構面白いです。
水無月・Rが好きなのは『オーデュボンの祈り』の主人公の伊藤青年なのですが、出てきましたよ~!まあ、ちょろっと人の話題に出てきた程度ですが。伊藤青年は、あの天然ボケっぷりがいいですよね~♪
それだけで『フィッシュストーリー』を読んでよかったと思う水無月・Rって、読者として、どうなんでしょう(笑)。

「動物園のエンジン」
動物園で寝ている元職員のデモ行動の本意とは?元職員と市長襲撃の関係を探る男たちの裏をかいた?結末に笑ってしまった・・・。(ビバ!伊藤青年!)
「サクリファイス」
とある村の昔からの習慣「こもり様」。村(集落)を維持するために村長とその友人の取った手段。それは、ちょっと悲しいものかもしれない。泥棒探偵の黒澤が活躍します。
「フィッシュストーリー」
「僕の孤独が魚だとしたら~」で始まる物語と、音楽。長く流れ続ける、ストーリー。しかも、音楽プロデューサー・岡崎の予測を超えた、「フィッシュストーリー」という曲の波及効果がすごい。『ラッシュライフ』に出てきた拳銃強盗老夫婦がなかなかにいい味。たぶん、ここで出てくる正義の味方を目指す男は他の作品にも出てくるんだろうなと予測。「フィッシュストーリー」という言葉には「ホラ話」という意味合いもあるのだそうです。ナルホド。
「ポテチ」
泥棒の中村&弟子の今村・泥棒探偵の黒澤が出てきます。今村は、プロ野球選手・尾崎と取り間違えられた子であった。それを調べた遺伝子の専門家って、『重力ピエロ』の泉水かな?今村母の剛毅さがカッコいい。今村はアホなのか、閃き天才なのか・・・?その素朴な強さが、結構いい感じです。「ぶちのめすよ!」が口癖の大西さんも、他の作品に出てるのかな?

今回、あらすじを追ったりするのは、意味がない気がする。
伊坂ワールドの集大成、というか通過地点のちょっとした「まとめ的番外編」と捉えました。
あ~、このヒトどこかの作品にちょっと出てきた!とかあの話は伊坂ワールドのこの時代のことなんだ!とか、いろいろ面白かったです。伊坂作品のキャラの個性の高さがうかがわれますね。

一番気に入ったのは「ポテチ」かな。なんだかほのぼの心温まる終わり方で。この後今村はどうするんだろう。何もしないのかもね。でもそれでいいと思う。今村母はきっと、出来の良い息子になったであろう尾崎より、抜けてる癖に時々鋭かったりする、心優しい今村が息子であることを喜ぶと思うよ。「今更、子供を取り換えるなんて、できないよ」「お前が、私の息子だよ」とか、言ってくれそうな気がする。ああ、剛毅にして温かい母性、素晴らしいなぁ~。

「フィッシュストーリー」の、巧く絡み合って次々と予想を超える結果を生んでいく、その物語の流れが非常に気持ちよかったです。世界を救った女性は、10年前にハイジャックに遭遇。そのハイジャック犯を捕えた男は正義の味方を目指してて、彼を指導した父は楽曲「フィッシュ・ストーリー」のおかげで妻と出会い。楽曲「フィッシュ・ストーリー」の1分間の無音の本当の理由が語られる。バンドのヴォーカルが心から語りかけたことは、何十年も先に世界を救うきっかけとなったという、その壮大さ、荒唐無稽さ。でも、こういう偶然が重なって、歴史というとなんだか硬すぎるけど、巧いこと世界は流れていくのかな~なんて思ったりしました。

なんだかよく分らない文章になっちゃいましたが、やっぱり伊坂作品は、面白いな~、今年もどんどん読んでいこうっと、と思う次第であります。(さっそく『アヒルと鴨のコインロッカー』を借りてきました♪)

(2008.01.05 読了)
フィッシュストーリー
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著者:伊坂幸太郎出版社:新潮社サイズ:単行本ページ数:258p発行年月:2007年01月この著者の新


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この記事へのコメント

miyukichi
2008年01月07日 00:03
 こんばんは♪
 今年もよろしくお願いします☆

 伊坂さんファンには、
 ものすごく楽しめる1冊ですよね。
 いつも以上に、リンクがたくさん
 張ってあったように思いました。
 
 「アヒルと鴨~」も、とても好きです。
 楽しまれてくださいね~♪

 http://blog.goo.ne.jp/miyukichi_special
 
藍色
2008年01月07日 02:07
こんばんは。
伊藤青年、懐かしかったです。
伊坂さんらしい小気味よい会話が楽しめましたね。
スケールの大きなつながりが心地良かったです。

今年もどうぞよろしくお願いします♪。
エビノート
2008年01月07日 21:00
今年もよろしくお願いします♪

お気に入りの登場人物がちょっとでも登場すると嬉しくなっちゃいますね~♪
私は泉水の登場にニンマリでした♪
作品間のリンクだけでなく、各作品から伝わってくるものも凄く良かったです。
2008年01月08日 00:32
>miyukichiさん、ありがとうございます。
今年もよろしくお願いします~。
伊坂ワールドは、ホントにスゴイですね。伊坂さんの頭の中にはきっと、この世界が素晴らしい現実感を伴って存在してるんでしょうねぇ。
>藍色さん、ありがとうございます。
今年もよろしくお願いします~。
あちこちで登場人物たちの関係性がつながっていくのが、とっても面白かったです。
これから先、伊坂作品を読むたびに「あ!この人「フィッシュストーリー」に出てた!」って大喜びするんだろな、私(笑)。
>エビノートさん、ありがとうございます。
今年もよろしくお願いします~。
私は伊藤青年が一押しですが、それぞれいろんなキャラがいて、ホント面白いですね。
4篇どれも、「ひとに優しい」感じがしますね。伊坂さんの作風の、こういうところが私は好きです。
2008年01月08日 14:42
伊坂さんの作品はどれもハズレなくてすごいですよね。水無月・Rさんの内容紹介読んで、また再読したくなりました。
今図書館から最新作「ゴールデンスランバー」届いてるんです!今から読むのが楽しみです^^
june
2008年01月08日 22:10
私も「ポテチ」好きです。お母さんがいいですよね。
そして「フィッシュストーリー」!気持ちがいいというのわかります。壮大で荒唐無稽なんだけれど、読み終えてものすごい幸福感に包まれました。
私も今年の一冊目は伊坂さんでした。(「陽気なギャングが地球を回す」です)一緒ですね♪
2008年01月08日 22:49
>まみみさん、ありがとうございます。
うわぁ、いいな~。最新作ですよね、『ゴールデンスランバー』。
いやいや、まずは既刊を制覇しないと(笑)。

>juneさん、ありがとうございます。
「ポテチ」は今村母が1番、輝いてる気がしますね。大西とのコンビも、生き生きしてて、楽しいですね~。
juneさんと、一緒!きゃ~、光栄ですッ!
2008年01月12日 00:03
トラバ返させていただきました♪今年もよろしくお願いします。 
伊坂フィーバーが年明け早々吹き荒れてます=3新作の「ゴールデンスランバー」これもいいですよ~!オススメです。
2008年01月12日 09:24
すっかり出遅れてしまいましたが・・・;;;
明けましておめでとうございます。
今年もどうぞ宜しくお願い致します。

この作品は、伊坂作品にのめり込む前に読んだので、登場人物達の繋がりが分からなくって、ちょっと残念でした。そのうち読み返したいです~。
表題作の「フィッシュストーリー」が印象的で、面白かったです。長い年月を経ての繋がりに唸りつつ嬉しくなったのを覚えています。
2008年01月12日 23:06
>空蝉さん、ありがとうございます!
私も、「伊坂作品どんどん行っちゃうぞ~」のノリです。あちこちの伏線が最後にピッタリと収まる、あの快感は伊坂作品の醍醐味ですもんね!

>すずなさん、ありがとうございます。
こちらこそ、今年もよろしくお願いいたします。
私はまだ伊坂作品は、5作目です。既刊をどんどん読んでいきたいですね。
「フィッシュストーリー」は、短編なのに壮大なスケールで(なのに日常感たっぷりなのがすごい)、30年前から10年後までをまとめていて、ピタピタとはまっていくところが良かったですね。

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