『Op.ローズダスト』/福井晴敏 ◎

福井晴敏さんはブログ始める前ですが、連続して読みましたねぇ~。どの作品も、非常に緊迫した展開、今の日本の暗部や矛盾を突く鋭い物語で、いつも自分の付和雷同な思考を反省させられます。今回の『Op.ローズダスト』も、防衛省秘密諜報組織「ダイス」の一員が主役です。
福井作品を読むと、いつも思うんですよね~。「防衛省なり警察は、この人を参謀にすればいいのに」って・・・(笑)。徹底したリアリズムに基づく、作戦行動や特殊部隊の運用術、人員の育成術、すごいんですよね。もちろん素人目に、なんですが。こういうテロ、起きそうだもの。

福井作品の「ダイス」が出てくるシリーズの流れって、大体決まってるんですよね。若きダイスメンバーが、第一線から外されて少々やさぐれてる外部組織の中年とコンビを組み、激しい戦闘の末に、事態を収束する。若きダイスメンバーは、最初は訓練の賜物である冷徹さばかりが目立つのだけど、やさぐれ中年との関わりから人間らしさに目覚め、逆にそれを強さに換えて、熾烈な戦いを乗り越える。やさぐれ中年の方は、ダイスメンバーの若さや一途さに触発され、過去の自分の熱意を取り戻し、大活躍する。分かってるのに、読んでて非常にドキドキする。

24・5歳の若さにして特殊戦闘能力に長け、追い詰めるべきテログループ「ローズダスト」メンバーと過去にかかわりがある、丹原朋希。そして、警視庁公安部4課のハムの脂身と称されている並河警部補。2人を中心に、「ローズダスト」との戦いを、防衛庁や警察機構(果ては永田町、アメリカCIA)の組織や個人のメンツの対立や足の引っ張り合い、また外部からの圧力などの攻防を描き、朋希のダイス候補生訓練時の過去や、並河の公安活動の過去、様々なエピソードを織り上げ、お台場壊滅という、規模の大きい終わりを迎え・・・。

・・・ストーリー書こうと思ったけど、無理ですねぇ。上下巻びっしりストーリーが展開していて、一切無駄がない。これを要略するのは無理ですわ~。とにかくいろんなことが描かれてる。半世紀以上戦争をせずに平和を享受してきたことの意味。自衛隊のこと、警察機構のこと、日本という国の今までの歴史のこと、現在の国民がどれだけ国に対して無責任であるかということ・・・。そして、それでも、希望のある事態解決が用意されていることへの安堵。

描かれる「日本」が非常にリアル。無関心から、進むべき道を見失っている、その姿。そこを攻撃され、右往左往する、烏合の衆。安易に流される、国民感情。保身に走る、官僚・政治家・組織。

ああ~、うう~。何が言いたいのか、自分でわからなくなってしまった。
福井作品を読むとアタマが飽和状態になって、結局落ち着いたころには感想を書こうにもいろんなことが抜け落ちてしまっているという・・・。ローズダストの一功をはじめとするメンバーや、オペレーションLPの失敗による堀部三佳の死亡のことや三佳の言う「新しい言葉」についてとか、並河の娘の恵理と朋希のほのかな感情のこととか、書きたいことはいっぱいあるんですけど…全然整理できないです・・・。
とにかく凄い作品であることは確かです!!

あ、そうだ。「青ビョウタンの胃弱キャラ」だった緑川公安4課課長が、踏ん張りきって公安‘チヨダ‘の校長・千束に喰い下がったシーン、すごくよかったです。緑川も並河を通じて事態の熱さを浴び、組織や官僚としてのキャリア保身よりも、警察官としての職務としての「国民を守る」と選んだ。これが、しいては千束を変え、警察の対応を変える1要因となったのだと思うと、「緑川課長、よくやった!」と。読了後、メインキャラの朋希と並河、羽住、その次ぐらいにいいキャラだ~と思いました(笑)。

(2008.01.28 読了)
Op.ローズダスト(上)
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著者:福井晴敏出版社:文藝春秋サイズ:単行本ページ数:554p発行年月:2006年03月この著者の新


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著者:福井晴敏出版社:文藝春秋サイズ:単行本ページ数:569p発行年月:2006年03月この著者の新


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この記事へのコメント

じゅずじ
2008年02月04日 22:22
現実、不満分子がいるんでしょうね。
いない方がおかしいような、政治情勢ですけど。

この厚い上下。一気に読ませるのはさすがでした。実際、ドキドキしながら先を急がされた本です。

コメント、TBありがとうございました。
2008年02月04日 22:36
じゅずじさん、ありがとうございます(^^)。
福井さんの作品でいつも「日本の駄目々々パターン」を痛感させられます。
このまま、どうなっちゃうんだろうと、ストーリーの雪崩に巻き込まれるかのように、ラストまで押し流されました。

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