『雪屋のロッスさん』/いしいしんじ ◎

あ~、これはいいファンタジーだ・・・。
いしいしんじさん独特の、柔らかな物語たち。30もの不思議な職業の人々(時々動物やモノ)が、優しく、やわらかく、暖かく、物語を紡いでいく。それぞれが独立していて、かかわり合いはないのに統一感があるのは、物語たちの背後に流れる、ファンタジーの彩りが透明に澄んでいて、美しいからだろうか。
『雪屋のロッスさん』は、読後、とても心安らかになった。

【今日何読んだ?どうだった??】のまみみさんにお勧めいただいた作品です。ありがとうございました!
まみみさんの『雪屋のロッスさん』の記事はコチラ!皆様ぜひお読みください!

いや~、素晴らしいですね、この作品は。なんて表現したらいいんだろう。美しくて優しくて暖かい。30編のどの職業の人も、自分の仕事に誇りを持って、でもそれを声高に叫んだりせず、しずしずと職務を全うしていく。そして、かかわった人(物)たちの「こころ」にやさしく触れて通り過ぎていく。その後に残るのは、暖かさと一抹の寂しさ。

雑誌『ダ・ヴィンチ』に連載されてたんですね。私的には、こうやって1冊に纏まっていっぺんに読めたのは、幸いでした。こういうさりげない暖かさをもった短編って、雑誌の中では通り過ぎがちなのです。さりげなさが、特集とかに負けちゃって。って、私の集中力がなさすぎるからなんですがね(笑)。

30編の中には、よくある職業なのに何故か風変りな職種になってしまっている人、棺桶セールスマンや王子や神様、それどころか人ではなく道路やポリバケツなんかまで、いろんな職業が出てくる。一つ一つが、とてもやわらかで、優しい。いやな感じが全くない。現実味は薄いけど、それがいい。
うう~ん、どの話も、ホント良かったです。大人向けの寓話というか、だけど別に説教じみたところは何一つなく。素敵だなぁ、こういう作品は。
非常に私事なのですが、実はただいま風邪っぴき中で結構気力&体力が落ちておりまして、そういう時にこういう作品は、大変ありがたいです。なんか心温まるというか、癒されるというか。ガンガン萌え全開なのも好きですが、たまにはこういう作品でしっとりとしてみたいというか・・・。

あえて言えば、「ブルーノ王子と神様のジョン」が一番気に入ったかな。王子の気高さというのでしょうか、すべての臣民と家来を災厄から護るのが自分の職務だと、元凶に飛びかかる勇気。もちろん、ファンタジーだし、「王子」といっても王子ではなく、公園に住む宿なしなのだけれど。
ああ・・・なんだか良さをお伝えできません。悔しいなぁ。
また言っちゃいますよ・・・(笑)。
「ぜひ作品を読んでください!」と・・・(^^ゞ。

(2008.02.10 読了)

雪屋のロッスさん
楽天ブックス
ダ・ヴィンチブックス 著者:いしいしんじ出版社:メディアファクトリーサイズ:単行本ページ数:189p


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この記事へのコメント

藍色
2008年02月11日 01:43
こんばんは。
淡々と職務をこなしていく人(物)たちのドラマ、素敵でしたね。
珍しく再読したくなるほど、お気に入りになった短編集でした。
この本、風邪にも効くみたいですね。早くよくなるといいですね。お大事に。
まみみ
2008年02月11日 20:02
こんばんは^^
わたしこれ、いしいさんの作品でも1番好きかもしれません。そんな作品を気に入ってくださってよかったです^^
これ買って本棚に置いてあるんですが、ずーっと読み返してません。水無月・Rさんみたいに気持ちが落ちてる時にまた手にしてみたいです。
june
2008年02月11日 20:51
水無月・Rさんの記事に「ブルーノ王子と神様のジョン」の内容が書いてあってよかったです~。思い出しました。あれもよかったですよね。
確かにこの本は、気力体力が落ちてる時でも、安心して手に取れるというか、より沁みこむというか、そんな気がします。
風邪でもなかなかゆっくり休めないのでは・・とは思いますが、なるべくのんびりして早く治してくださいね。お大事に。
ERI
2008年02月11日 21:30
こんばんは。お風邪をひいておられるんですね。どうか、お大事に・・。
この本、とっても優しいいい本でしたね。装丁も綺麗で。私は、一目ぼれして、レジに直行してしまったんですよ。いしいさんのファンタジーの力は、命の力に結びつくように思います。
大好きな一冊、同じように感じることができて嬉しいです。
エビノート
2008年02月11日 21:51
こんばんは。
職種は違っても、こんな風に仕事ができたら素敵だなぁと思えるものが多かったです。そして読み終えたら何だか優しい気持ちになれる素敵な一冊でしたね。
「ダ・ヴィンチ」は読んでいたのに、雑誌掲載時の記憶は全く残ってません。読み飛ばして丹でしょうね~勿体ないことしてたんですね(^_^;)
風邪をひかれていらっしゃるとのこと、早く治ると良いですね。お大事になさってくださいませ。
2008年02月11日 22:07
>藍色さん、ありがとうございます。
いしいさんの、不思議な世界。そこに淡々と流れる空気感が、とても心地よいファンタジーでした。早く、効き目が出ればいいな(^^)。

>まみみさん、ありがとうございます。
まみみさんのおススメのおかげで、とてもいい作品に出会えました。とっても嬉しいです。
どの仕事も、俗なところがないのが、とてもよかったです。

>juneさん、ありがとうございます。
実は今日も、パラパラと読み返してみたりしました。もちろん、まずは「ブルーノ王子~」を。どれも短いし、押しつけるられことなく沁み込んでくる暖かさに、癒されました。
2008年02月11日 22:21
>ERIさん、ありがとうございます。
装丁もステキでしたし、タイトルや章の活字の書体が、ふんわりしていて、とてもいい雰囲気でしたよね。なんていう書体なのかしら。
皆さん『雪屋のロッスさん』が好きで、私も本当にウレシイです。

>エビノートさん、ありがとうございます。
現実にはなさそうな職種も多いのですが、みんな真摯にお仕事に向きあっている。とても素敵ですよね。


・・・うう~、早く風邪を治して、有川さんの『阪急電車』に萌え叫びたいです~(^_^;)。
(←気力が足りないと、途中で萌え死にしてしまう心配が本気であるため、図書館で借りてきたまま、まだ読み始めてません(笑))
藍色
2008年02月12日 03:15
こんばんは。
そう!『阪急電車』萌え叫びますよ~(笑)。
お先に読んじゃいました。記事あります。
気力充実の読書、レビュー楽しみにしていますね。
風邪が早く治りますように。
2008年02月12日 22:04
藍色さん、ありがとうございます~。
やっぱり、萌え叫びます?!
うう~、早く読みたい~。
まだ60%ぐらいなので、先に森博嗣さんの『スカイ・クロラ』を読んでしまいました。

今日は、あったかくして早く寝ます!
治すぞ、治すぞ、治すぞ~!
雪芽
2008年02月12日 22:27
こんばんは!
萌え萌えのお話も大好きだけど、こんな癒し系の作品もいいものですよね~、としみじみ。
30の話どれもが羽毛のように柔らかく触れてくる、それが時に切なかったりするんですけどね。
風邪の引き始めは気合で治す。真っ只中なら食う寝るが一番です。お大事に~
2008年02月14日 21:21
雪芽さん、ありがとうございます。
何とか風邪も快方に向かい、やっと気力が戻ってまいりました(笑)。
30のどのお仕事も、不思議系で暖かくて切ない。気持ち良く読めました♪

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