『中年前夜』/甘糟りり子 ○

うっわ~。身につまされるなぁ~。この作品に出てくる『中年前夜』な女たち・・・。私は、まだあと数年あるけど、でも近いから、非常に身につまされる。特に専業主婦の真澄。真澄の閉塞感は、今の私に通じる部分がある。まだ、下の子供が幼稚園児でいろいろ手がかかるから、あそこまでの孤独感はないけれど。非常に・・・イタイ気持ちになりました。

甘糟りり子さんは、久しぶりですね。
甘糟さん特有の「女としての性」みたいなジト~っと粘っこい感じが、ちょっと苦手です、実は。なのになんで読んじゃったんだろう・・・。やっぱりタイトルかしらん?自分が中年に近づいてるから、そのことへの恐れの気持ちかな~。書評の「女としてのタイムリミット」とか「40歳前後の女の幸福とは?」という言葉についふらふらと・・・。

前半は、女たちの様々な焦燥感が、身につまされて、結構物語に共感してたんですが、後半がちょっと、ねぇ~。「女」としての賞味期限を意識しすぎて、なんだか非常に生々しいのですよ。セックスに焦る女のギラギラした感じが、ちょっとねぇ・・・。別にね、私は中高年の性生活を否定するつもりはないですよ。ただ、それだけに全てが凝縮される的な表現はどうよ、と思うわけです。
自分が必要とされる、というのは別に「セックス」じゃなくたっていいじゃん。もちろん、ないよりはあったほうが、とは思うけど、人間それだけじゃないでしょ?ってね。

料理教室で知り合った、中年を目前にし3人の女たち。
勤め先の美容整形院長との愛人関係を10年以上も続ける、バツイチの夕子。女を捨てて、週刊誌のヌードページを担当する編集者、蘭子。日常に埋没して、自分を見失ってしまっている主婦、真澄。
彼女らの、焦燥。だんだんと枯れていく「自分の中の女の部分」。ただ繰り返す毎日。報われない気持。わだかまる、自分への嫌悪。積もり積もっていく、ささやかな不満。

さまざまな、事柄を経て、3人の状況は個々の意志をして変わっていく。愛人生活から足を洗った夕子。5年間のセックスレスを経て、昔の恋人と元の鞘におさまって結婚に至った蘭子。夫から性欲を否定され、出会いサイトに嵌って、とうとう若い男を買ってしまった真澄。

私は主婦だから、真澄の焦燥に一番共感できたんだけど。でも、出会いサイトに嵌ったり、若い男を買ったりというのは、共感出来ないな、全然。
確かに、必要とされたい、と思う。単に主婦業だけでは、満たされない気持ちも分かる。けれど、そこまで極端に走るかな?理性のタガが外れるのは、仕方ないこと?他には、ないの?「女」であることは「性」から逃れられないこと?・・・私には、理解できない。
ほかに、鬱屈の発散方法はないものか?それだけに固執して、ドロドロと溺れたいものなの、中年って?

なんだか、べっとりと粘着質な後味が・・・。私がカッコつけすぎなのかしらん。
40歳前後の女性の焦燥感は、非常に共感できるし、よく描けてると思うんだけど。だけど、ギラギラとセックスだけにこだわるあたりは、ちょっと違うんじゃない?という気がしますよ。なので○評価。

(2008.05.24 読了)
中年前夜
楽天ブックス
著者:甘糟りり子出版社:小学館サイズ:単行本ページ数:337p発行年月:2007年05月この著者の新


楽天市場 by ウェブリブログ



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック