『タイマ』/嶽本野ばら △

私は、嶽本野ばらさんが大麻所持で逮捕されたという新聞記事を読んだ時、「・・・うへぇ・・・」と呟いてしまったクチである。
さもありなん、と言ったら失礼かもしれないが、違和感がなかったというか・・・。
ただ、本物の「乙女」たちはショックだったろうなぁ~と思いますよ。嶽本さんに心酔してる、心美しき乙女たちの衝撃と失望を考えると、とんでもないことになっちゃったなあ…って。
しかし、復帰第1作が『タイマ』とは、ビックリですよ。

え~・・・。
案外、嶽本さんも転んでもタダじゃ起きないというか・・・なんか「逮捕→拘留→保釈」という過程が、作家という職業の潜入取材になっちゃうんだ~。そりゃ勿論、色々辛かったりしたんだろうけどさ~。なんだかなぁ・・・。

というような、ちょっと斜め目線で読んだせいでしょうか。この作品は、ちょっと・・・。
もちろんこの作品にも、「現実とうまく折り合えない男女の恋愛」「ロリータファッションとそれへの思い入れ」といった、嶽本さんの作風はしっかり出てます。
それと今回は、コートニー・ラヴ、カート・コバーン、ロックバンド「NIRVANA」など、パンクで攻撃的な音楽の話がたくさん出てきます。
ロリータファッションもろくな知識がないのですが、この手のロックの知識と言ったら皆目・・・。そういう意味でも、ちょっと感覚的に合わなかったですね。

更に言うと、大麻使用に対して、主人公の作家がほとんど罪の意識を持ってないこと。彼が後悔したのは、恋人が自分を真似して覚せい剤に手を出してしまったこと。彼女を傷つけたこと。
物語的には、それもアリなんだろうケド・・・・私は小市民なんで。そういうのは、理解できないです。

大麻所持で捕まった作家の僕。
僕は「乙女のカリスマ」と呼ばれる小説家で、ストリッパーの恋人に罪が及ぶのを心配している。彼女は全く関係がないし、心が不安定なコだから。
僕は拘置され、取り調べを受ける。合間に思い出すのは彼女との出会いや今までの想い出。拘留されてからどれだけたったかもわからなくなった頃、保釈され、自宅へ戻る。
そこへ現れた恋人は、覚せい剤を打っていた。「先生だけ、ずるい・・・」と。彼女と自分はあまりに好みが似ていたため、相手が興味をもったものに自分もハマるという関係にあったが、まさか・・・麻薬までとは。大麻と覚せい剤の区別もつかない彼女は、僕の保釈中の逃亡を見張っていた刑事たちに逮捕される。
彼女を逮捕されたことで後悔と苦しみに突き落とされる僕。
そして、釈放された彼女と再会し、やはり彼女と生きていきたい、執筆活動も続けよう、いつか依存ではなく必要な存在としてパートナーとして、愛し続けるのだと思う。

う~~ん。なんだか、なぁ。麻薬の使用という罪を寛容に受け止め、彼とその文学やスタイルに心酔していたなら、感激出来たのかな。
私は、彼の作品は好きなんだけど、ロリータファッション(その思想)やパンクな音楽にあまり共感してないから・・・。

今回は復帰第1作ということで、自分の犯した罪の暴露(嫌な見方をすれば、読者への言い訳ととれなくもない)を濃く表した作品になってます。今後の作品がどうなるかか、ですね。

(2008.06.04 読了)
タイマ
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著者:嶽本野ばら出版社:小学館サイズ:単行本ページ数:286p発行年月:2008年04月この著者の新


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